飛鳥時代のスーパースター、聖徳太子。その“ふるさと”といえば、奈良県のほぼ真ん中に位置する「明日香村」です。村内は歴史的に見ても、ビッグネームなスポットが多く、“村まるごと遺跡”といっても過言ではないほど、見どころが多い場所。ひとたび古墳や遺跡の見学会を行えば、村の人口よりも多い、1万人クラスの歴史ファンが全国から大集結することも……!
また近年は、おしゃれなカフェも急増中。歴史ファンならずとも、ゆるい時間を過ごせる「チル旅」の旅先としても注目です。
今回は、そんな「明日香村」にフォーカス。全6回に分けて、さまざまな視点から楽しみ方をご紹介します。4回目のテーマは、大人も子どもも思わず「こんなことができるの?」と驚く、レアな体験を盛り込んだモデルコースをお届け。
今まで知らなかった明日香村に出会える、特別な旅です!
【過去回はこちら】
第一回 初めての明日香村観光 おすすめモデルコース編
【9:00】地元の人気店「喫茶 御園」でモーニング
旅のスタートは、モーニングが人気のお店から!近鉄「飛鳥駅」前にある「喫茶 御園」は、地元の人に長く愛されてきた喫茶店。駅から歩いてすぐの好立地で、立ち寄りやすいのが嬉しいポイントです。
店内は、朝から常連さんの笑顔でいっぱい。地元の方言が飛び交い、明るい笑い声が響いています。
雰囲気も魅力ですが、特筆すべきはコーヒーが美味しいこと。サイフォン式で丁寧に淹れるコーヒーは、驚くほど香り高く深い味わい。コーヒー好きの人の心をがっつり掴みます。
7時30分~12時までは、お得なモーニングセットが注文できます。
人気No.1の「Aセット」は、ふわふわの厚切りトースト、シャキシャキ食感のサラダ、カットフルーツ、ゆで卵付き。おすすめの「御園ブランド」と一緒に味わえば、朝から深くリラックスさせてくれますよ。
【10:00】古代の手法で!オンリーワンの草木染め体験「水谷草木染」
朝ごはんを楽しんだ後は、古代の手法で珍しい草木染体験ができる「水谷草木染」へやってきました。
室内に入ると、壁一面、カラフルな染め物の見本がずらり!
これらは、すべて植物の葉っぱや土の下にある根っこ、木の皮など、自然の染料で染めたもの。目に染みるような美しい染め色に、「すごい!すごい!」「植物の色ってこんなきれいなの!?」と声を出さずにはいられません。
教えていただいたのは、森林インストラクターの水谷さん。優しくて気さくなお人柄で、初めてでも安心して体験できます。
生地選びから始まって、模様の説明、染色の話まで。水谷さんは、すべてが丁寧で一生懸命。筆者は不器用なので、うまくできるか不安でしたが、上手くできないところをさり気なくフォローしてくれました。
ちなみに、「水谷草木染」で使用する技法は、古代の人が考えた、叢雲(むらくも)、三角、亀甲、市松などが中心。リクエストすれば、水谷さんのアドバイスで好きな模様も入れられます。
古代の模様は、かつて大昔の人が雲や虹を見て「あんな模様を身につけられたらいいなあ」と思ったり、「縁起の良い生き物にあやかりたい!」と憧れて、その模様づくりを模索したのが始まりだと言われています。
そんな風に古代のロマンに思いを馳せながら、模様を組み立てたり色味を決めていくので、体験中はワクワクしっぱなし!
いよいよ染色です!
裏庭に出ると、玉ねぎの皮や栗のイガといった、8種類の草木がぐつぐつ鍋で煮出されています。
驚いたのは、この日のために水谷さんが時間をとって、準備してくれていたこと。聞けば、色の鮮度を保つめ、朝5時過ぎに採取してきた“採りたて&出来たて”の染料なのだとか!
そんな風に大切に作られた染料を布に浸しながら、何度も何度も色をのせていきます。最後に布を開いて、水洗いすると……
完成です!ぱっと折り目を開いたときの高揚感は、何にも変えられない感動があります。
一期一会の色と模様。そして、一生懸命自分で作った愛着があり、大満足です。
筆者が作ったスカーフは、深紅色が持ち味の「あかね」がベース。鮮やかで美しい作品に仕上がりました。
そして、一緒に体験した友人は、大判ハンカチにトライ。がんばり屋さんの彼女らしく、二等辺三角形の古典柄が見事に浮かび上がっています。スモモが色鮮やかさを際立たせ、おしゃれで美しい染め上がりに!
ふたりとも、かけがえのない1枚に大感激です。
【12:00】からだ想いの古民家カフェ「ココロゴハン」でランチ
お楽しみのランチは、2019年にオープンした、玄米とお野菜、手作りドーナツのお店「ココロゴハン」でいただきます。
こちらは、明日香村で採れた野菜や無農薬で育てられた玄米など、手作りにこだわり「ココロ」に栄養と癒しを与えてくれる、とっておきの1軒!お店の場所は、明日香村で人気の「岡寺」参道沿いにあります。
一歩足を踏み入れれば、そこは心落ち着く和の空間。アンティーク雑貨がセンス良く置かれ、明日香村らしい、ゆったりとした時間が流れています。
ランチタイムにぴったりなのが、ヘルシーなワンプレートの「ココロゴハン」。
お皿には、無農薬で大切に育てられた明日香村の玄米ご飯が盛られ、旬のお野菜を使ったおかずがたくさん!温かいスープを飲めば、体の芯からポカポカになります。毎月ランチメニューが変わるのもオススメのポイントです!
そして、土曜日限定で味わえるのが、たっぷりのお野菜と複数のスパイスをじっくり煮込んだカレー。カレーの上には、サラダやお野菜のおかずが、どっさりトッピングされています。
■営業時間
・平日 11:00~16:00
・土曜日 8:30~ あさごはん(無くなり次第終了)、11:00~ カレー
※2021年10月2日から、毎週土曜は「あさごはんとカレーとドーナツの日」
そのほかにも、「ココロゴハン」は、安心な材料と酒種酵母を使った手作りドーナツが大人気。北海道産の小麦粉「春よ来い」を使い、酒種酵母ならではの上品な香りとふわふわ食感がたまりません。
トッピングで使用する食材は、季節によって変わるので、何度でも楽しめます。
シンプルなドーナツ(220円)のテイクアウトも美味しいのでぜひ!
【14:00】「飛鳥おもいで堂」でオリジナルのスタンプ作り体験
美味しいランチでほっこり癒やされたら、オンリーワンのお土産が作れる「飛鳥おもいで堂」へ!
「ココロゴハン」からも近いこちらのお店は、飛鳥の地に魅了された店主・西川さんがオープンさせた雑貨屋さんです。
店内に入ると、ユーモアあふれるグッズが盛りだくさん。しかもよく見てみると、単純に「面白い!」だけではありません。
いろいろな埴輪や大仏が絶妙にデフォルメされていて、可愛らしさ爆増。置物として愛でるだけでも癒やされます。
「飛鳥おもいで堂」は店名のとおり、飛鳥の旅の「おもいで」をカタチにできるのが魅力。立体物を造形する3Dプリンターを駆使して、飛鳥や奈良にちなんだオリジナルのお土産物が作れるんです!
中でもおすすめは、世界でたった一つのスタンプが作れる「埴輪スタンプ」体験。その日に作って、即、持ち帰れるのも大きなメリットです。
やり方はとっても簡単。まずは好きなイラストを紙に書いて、持ち手部分の埴輪と土台の色をチョイス。後は、西川さんがイラストをゴムに彫刻してくれるので、完成品を待つだけです。
こうして出来上がったスタンプが、こちら! 自分で描いたイラストがスタンプになる楽しさは、一度体験するとクセになってしまうかも……。手持ち部分の埴輪も可愛らしくて、明日香村のお土産にぴったりです。