前科のある人々の社会復帰を支援する「保護司」にスポットを当てたWOWOWオリジナルドラマ『前科者 －新米保護司・阿川佳代－』。主人公・阿川佳代を演じるのは有村架純、佳代が支える「前科者」の1人・斉藤みどりを演じるのは石橋静河だ。「犯罪者の過去・現在・未来」という重厚な主題を掲げるドラマで初共演を果たした2人は、互いにどんな魅力を感じたのか? また、保護司と前科者の関係において重要な「信頼」について、どんな思いを抱いているのか? そして2人は、芝居にどう向き合っているのか? 本作の完成報告会ののちに行ったインタビューで語ってもらった。

  • 有村架純(右)と石橋静河

――完成報告会では、お二人とも「楽しかった」と撮影を振り返られていました。そんな撮影の中で、お互いが感じた「俳優としての魅力」を教えてください。

有村：とにかく、気持ちで向かってきてくださるので、それに自分も同じように返したいなって思いましたし、役を通して信頼してくれているんだなっていうことも、すごく感じていました。相手に心を寄せるっていうことだったり、芝居どうこうというよりも石橋さんの人間性にものすごく魅力を感じまして。それが役に投影されたりしているのかな? って思ったり。すごく感じましたね。芯の強さというか。そこがとても魅力的です。

石橋：ありがとうございます(笑)。一番最初の有村さんとの共演シーンが映画版のシーンだったんですけど、佳代とみどりがぶつかる、ちょっとだけ喧嘩というか、意見がぶつかり合うシーンでした。すごくプレッシャーを感じていたし「それまでの関係性を見せるには、どうしたらいいんだろう?」って、とても緊張して現場にインしたんです。

その時に有村さんが、本気で信頼してくれているからこそ、怒りや悲しみの感情を、まっすぐに「ぽん」ってぶつけてくれた感じがして。そこで「あ、じゃあ大丈夫だ」と思って。お互いに遠慮が映ってしまうと、それまでの関係性って成り立たないと思うんですけど、「思い切りやっていいんだ!」って思えて。そこから安心して、みどりとして暴れることができたので、そのお陰で、今回はできたなっていう風に思っているんです。

有村さんが現場に入ると、みんな、女性スタッフも男性スタッフも、ちょっと「あがる」感じがあって（笑）。

有村：そんなことないよ(笑)。

石橋：本当に(笑)。ぽっと、1℃くらい、みんなあがる感じがあって(笑)。それは本当に大きなことだと思うし、そういう人が真ん中で立っているって、作品としてはもちろん、現場としてすごく贅沢だなという風に思いました。それは肌ですごく感じました。素敵だなと思います。