旬のものは、旬なうちに食べなければならない――そんな当たり前のことをしみじみと再認識させてくれるのが、冬に食べる牡蠣である。

今さら言うまでもないが、冬の牡蠣は本当に美味い。それでいて、ありがたいことにこの時期はあらゆる飲食店が牡蠣フェアを打ち出してくれるから、牡蠣料理にもまったく不自由しない。むしろ、どれも美味しそうで選ぶのに苦労するレベルである。

先日訪れたファミレスチェーン・ココスもちょうど牡蠣フェアを展開中で、どれも魅力的であるが故に、メニュー選びでは苦渋の決断を迫られたわけだが、今回はその一部始終をダイジェストでお届けしつつ、実食した絶品牡蠣料理の詳細をレポートしたい。

ココス「広島県産 牡蠣フェア」メニューがたまらない!

ココスがこの冬に始めたのは「広島県産 牡蠣フェア」。ラインナップしているメニューは主に5つだが、これがとにかく甲乙つけがたい。

まずはメニュー表で最も大きく掲載されている「牡蠣とサーモンのクリーム煮込みプレート」(1,089円)。今回のフェアの看板メニュー的な位置づけなのだろう。牡蠣とサーモンをクリームで煮込むとは……どんな化学反応が待っているのかはわからないが、合わないわけがない。絶対的な美味さが確約されているようなものである。

とは言え、すぐに飛びつくわけにはいかない。なぜなら……

こんな美味そうなパスタもあるのだから。「牡蠣と九条ネギの和風パスタ~山椒の香り~」(1,089円)である。もう名前からしてたまらない……牡蠣と九条ネギのコンビに山椒がピリッと香った和風のパスタ。絶対食べてみたい。あっ、でもちょっと待てよ……。

「1/2日分野菜の牡蠣あんかけ炒飯」(979円)と来たか。広島のオイスターをオイスターソースで中華風に仕上げたってわけだ。野菜もたっぷり入っているようだし、これもそそるではないか。

「ビーフハンバーグステーキ&牡蠣フライ」(979円)、「カットサーロインステーキ&牡蠣フライ」(1,199円)というのもある。ココスのハンバーグやステーキは食べごたえがあって美味しいと有名だ。「ココスにきたらハンバーグは外せない! でも、牡蠣も食べたい……」という迷える肉食系にはこのいずれかがよさそうだ。まぁ、自分も肉食系の一人ではあるのだが。

牡蠣とサーモンの旨味で目の前に海が広がった

さぁ、どれにしよう。そろそろ決断の時間だ。残念ながら胃袋はひとつしかない。迷いに迷った挙げ句、今回オーダーしたのは……これだ!

「牡蠣とサーモンのクリーム煮込みプレート」である。やっぱり実物を見ると、もうめちゃめちゃ美味そうだ……ゴクリ。まずはスープから一口。

……海だ。今、目の前に乳白色の海が広がっている……。

そう思えてしまうほど、クリームには牡蠣とサーモンの旨味エキスがじっくりと溶け込んでいる。さらにベーコンのコクも加わっており、ピリッと効いたブラックペッパーもいいアクセントになっている。ああ、身体中に沁みわたる。

さぁ、それではいよいよ牡蠣をいただこう。

うっ……うんま〜……。食感も味も最高じゃないの……。牡蠣は大ぶりでぷりっぷり、かつ味わいも超濃厚だ。牡蠣は煮込みすぎると小さくなってしまうが、これは煮込み方が絶妙なのだろう。牡蠣の持ち味を最大限に活かした調理具合で、牡蠣の美味さや独特の食感がダイナミックに楽しめる。

サーモンも驚くほど味が濃い。噛めば噛むほどサーモンの旨味が出てくるではないか。ちょうど旬の時期だからこんなにも味が濃いのか、それともサーモンの種類や産地の問題なのだろうか……味わいだけでなく、身も噛みごたえがあって美味しい。そりゃあクリームソースにも濃厚な旨味が滲み出るわけだ。

ブロッコリー、白菜、しめじなど、野菜もかなりたくさん入っている。ブロッコリーも白菜も冬が旬なので、味わい深く甘みもたっぷり。サラダと合わせ、高い栄養価を摂れてそうだ。

付け合わせをバゲットにしたのも間違いのない選択である。クリームソースにたっぷりひたして食べれば、気分はもはや竜宮城。海の楽園の心地よさに飲み込まれてしまいそうだ。こんなに相性のいい食べ合わせなら、いくらでも食べられるに違いない。

そして、思わぬ伏兵がこのポテトである。皮がサクサクで、中はホクホク。これをクリームソースにつけて食べると、これまた抜群の好相性。本当に美味しい。

おかわりがほしくて、店員さんに「このポテトが美味しすぎるのですが、単品で販売はないんですか?」とこっそり聞いてみたところ、残念ながら用意がないようだ。ちなみに、一度ふかしたポテトを油で揚げることで、この癖になるサクサク食感とホクホク食感を生み出しているらしい。何もつけずに食べてもかなり美味しい。これはぜひグランドメニュー化を希望したい。

ということで、「広島県産 牡蠣フェア」の看板メニュー「牡蠣とサーモンのクリーム煮込みプレート」を堪能してみたが、結果としては大満足。やはり旬の味覚は旬のうちに味わわなければならない。残りのフェアメニューも試さなければ、この冬は終われなさそうだ。