三が日(さんがにち)とは、いつの期間を指すのかご存じですか?
本記事では、三が日の意味やそのほかの正月を指す言葉との違いを解説します。また、三が日にやることと、やってはいけないことも紹介しますので、参考にしてみてください。
三が日(さんがにち)とは? どういう意味?
「三が日(さんがにち)」とは、1月1日から3日までの3日間のことを指します。正式には「正月三が日」といい、多くの企業や官公庁がお正月休みになる期間です。
多くの家庭では年始を祝うおせち料理を食べたりお屠蘇(とそ)を飲んだりする期間となります。
三が日の由来
「三が日が休みになったのはいつからだろう」と疑問を持つ方もいるでしょう。
三が日が休日になった由来は、明治時代にさかのぼります。1873年(明治6年)に太政官布告が制定され、それにともなって1月1日から3日までが休日になりました。
この3日間を「三が日」と呼ぶようになった理由は、はっきりとはわかっていません。とはいえ、1月1日から3日までは歳旦祭、姫初め、元始祭など伝統行事が数多くあるため、年始の3日間は特別な日として区切りをつけたのではないかと考えられています。
さんがにちを漢字で書くと「三が日」
「さんがにち」をスマートフォンなどで漢字変換すると、以下のような複数の言葉が候補として表示されます。それぞれの意味の違いを見ていきましょう。
「三が日」と「三箇日」の違い
さんがにちの漢字表記を調べてみると「三が日」「三ヶ日」「三箇日」などがあります。どれも1月1日から3日までのことを指す正しい表記なので覚えておきましょう。
ときどき、「三賀日」との表記を見かけますが、これはおめでたさを印象付ける当て字です。これは正しい書き方ではないので注意しましょう。
三が日は祝日?
日本では、年末年始を連休とする企業が多いです。しかし、三が日すべてが祝日にあたるわけではないことを知っていますか? ここでは、年末年始の祝日について解説します。
祝日は1月1日のみ
官公庁や多くの企業では、12月29日から1月3日が休みになるため、「大晦日は祝日」とか「元日から3日までは祝日」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際は年末年始の祝日は元日の1月1日のみです。
1948年(昭和23年)に制定された「日本国民の祝日に関する法律」で、元日のみが年末年始の祝日と定められました。
一般的に休みになるのは12月29日から1月3日
年末年始の12月29日から1月3日が休みになるのは、国や地方自治体の条例によるものです。それにならって、一般企業も休みにしているところが多いようです。
しかし、現在は正月でも営業している飲食店やスーパーマーケットなどがあるように、誰もが共通して年末年始に休みというわけではありません。
三が日にやること・やってはいけないこと
三が日にやるべきこともあれば、タブーとされていることもあります。日本の風習のひとつとして知っておきましょう。
三が日にやること
元日は初日の出から始まります。おせち料理や雑煮を食べたり、お屠蘇(とそ)を飲んだりして、家族で新年を祝うのが風習です。
お屠蘇は、酒やみりんに生薬を漬けた薬草酒の一種で、邪気を払い、無病長寿の祈願として飲みます。ほかにも、初詣や書き初め、お年玉なども三が日に行う行事のひとつです。
初詣では、寺社でお守りや破魔矢など縁起物を授けてもらいましょう。
三が日にやってはいけないこと
三が日の風習として、以下のことは行ってはいけないとされています。
- 掃除をする
正月には年神様が福を持って訪ねてきてくれるとされているため、掃除をするのは避けるべきといわれています。
- 火を使った料理
煮物など火を使って煮込む料理は灰汁(あく)が出ます。そのため、「あく= 悪」を出さないように火を使う料理をしてはいけないとされています。
- 水仕事
年神様を水で洗い流すことになるため、洗濯物や洗い物などは縁起が悪いとされています。
- 刃物を使用する
刃物には「縁を切る」ことをイメージさせることから、怪我をせず健康に1年を過ごすという意味で三が日は使用を避けるべきといれています。
- お賽銭以外にお金を使う
元旦にお金を使うと「1年間財布からお金が出ていく」とされており、お賽銭以外にお金を使うのは避けたほうがいいとされています。
- 墓参りのついでに予定を入れる
年始のお墓参りをするときは、ほかに予定を入れないようにしましょう。このような行為は、ご先祖様に失礼とされる「ついで参り」にあたります。
- ケンカをする
新年から争いごとを起こすのもいいことではありません。新年早々のいさかいは避けるようにしましょう。
新年を指すその他の言葉との違い
三が日のほかにも新年を指す言葉はいくつかあります。すべて同じ意味なのかと聞かれると、「たぶん、厳密には違いがあるんだろうけど……」と口ごもってしまう方もいるのではないでしょうか。
ここでは、三が日とほかの新年を指す言葉の違いについて説明します。
三が日と元旦
元旦は「1月1日(元日)の朝」という意味の言葉です。1月1日を指して元旦というケースもありますが、どちらでも間違いではありません。
ただし、「元旦の朝」と表現する場合は、そもそも元旦自体に「元日の朝」という意味合いがあるため、安易には使わないほうがいいでしょう。必ずしも間違いというわけではないようですが、違和感のある表現になってしまうため「元日の朝」と表現したほうがスマートといえます。
三が日と松の内(まつのうち)
松の内(まつのうち)とは、正月を祝う期間を指し、松飾りを飾っておく間のことを意味します。
松の内は、地域によって期間が変わってきます。関東では1月1日から7日まで、関西では1月1日から15日までです。
三が日と正月
正月とは本来、旧暦における1月の別名であり、新暦でも1月を正月と呼びました。
しかし、現在では1月中を正月と呼ぶ機会は少なく、「三が日」や「松の内」を指して正月と呼ぶことが大半でしょう。地域によっては、1月20日までを正月とすることもあります。
「三が日」と正月・元旦との使い分けに注意しましょう
「さんがにち」は漢字で「三が日」と書き、1月1日から3日までの期間を指します。正月や元旦などの言葉と混同しがちですが、それぞれ意味が違うため、使い分けるなど注意が必要です。
また、三が日を祝日と勘違いしがちですが、祝日にあたるのは1月1日のみです。三が日の行いとして避けたほうがいいこともありますので、覚えておきましょう。