「枚挙にいとまがない」とは、ビジネスシーンや日常生活において時々耳にする慣用句です。本記事では正しい読み方や由来、類語、例文、英語表現をご紹介します。この機会に覚えておきましょう。
「枚挙にいとまがない」とは
「枚挙にいとまがない」は漢字で書くと「枚挙に暇(遑)がない」となります。ここでは正しい読み方、意味、由来について見ていきます。
「枚挙にいとまがない」の読み方
「枚挙にいとまがない」の読み方は「まいきょにいとまがない」です。
「枚挙にいとまがない」の意味
「枚挙にいとまがない」の意味は「多すぎて数えきれない」となり、「数えられないほど多いさま」を指しています。なぜこのような意味になるのか、由来を知れば理解しやすくなります。
「枚挙にいとまがない」の由来
「枚挙」とは「ひとつひとつ数えあげること」という意味です。一方「いとま」は「一時的な休み、ひま」という意味。漢字で書くと「遑」または「暇」となりますが、読みづらいため平仮名表記にするのが一般的です。
つまり「枚挙にいとまがない」とは「ひとつひとつ数えあげるほどのひまがない」という意味。「数えられないほど多いさま」を指しています。
「枚挙にいとまがない」の使い方と例文
「枚挙にいとまがない」は、いい意味にも悪い意味にも用いられます。例文を短く紹介しますので順番に見ていきましょう。
・いい意味での使い方
「この商品のいいところは枚挙にいとまがない」
「枚挙にいとまがないほど、彼の復帰を待ち望む声が寄せられた」
・悪い意味での使い方
「同様の失敗例は枚挙にいとまがない」
「彼が起こしたミスは枚挙にいとまがないほどだ」
「枚挙にいとまがない」の類語
ここからは「枚挙にいとまがない」の類語を紹介していきます。シーンに合わせて使い分けてみましょう。
「数えるときりがない」
「数えるときりがない」は「枚挙にいとまがない」と同じ意味。そのまま置き換えて使います。
・例文
「数えるときりがないくらいの失敗をしてきた」
「君に対する不満は数えるときりがないほどだ」
「腐るほどある」
「腐るほどある」は、「消費し切れず腐らせてしまうくらいたくさんある」という意味の言葉です。たくさんある様子を表す言葉なので、「枚挙にいとまがない」の類語として使えます。
・例文
「取り組まなければならない問題は腐るほどある」
「同じようなゲームは腐るほどあるよ」
ただし、「腐る」という言葉はあまりイメージのいい言葉ではありません。「いらないもの、余分なもの」というマイナスな意味を含むので、ビジネスシーンではあまり使わないほうがよいでしょう。
「星の数ほどある」
「星の数ほどある」も、数がとても多いことを例えてる言葉です。「枚挙にいとまがない」の類語としてぜひ覚えておきましょう。いい意味にも使われますが、皮肉めいた表現としても使われます。
・例文
「彼女の素敵なところは星の数ほどあるよ」
「この程度のレストランなら星の数ほどある」
「ごまんとある」
「ごまんとある」は、「きわめてたくさんあるさま、山ほどあるさま」を指します。平仮名で表記します。
・例文
「彼にはやりたいことがごまんとあったはずだ」
「ごまんといるライバルの中で勝ち抜かなければならない」
「枚挙にいとまがない」の英語表現
「枚挙にいとまがない」の英語表現は「be too numerous to mention」です。「numerous」は「多数の人からなる、非常に多くの」という意味の形容詞で、「mention」は「言及する、挙げる」という意味の動詞です。例文を短く紹介します。
・例
「Similar failures are too numerous to mention.」
(同じような失敗は枚挙にいとまがない)
ほかにも「be too many to count」とも言い換えられます。「count」は「数える」という意味の動詞です。
・例
「There are too many reasons to count.」
(理由は枚挙にいとまがない)
「枚挙にいとまがない」についてマスターしよう
「枚挙にいとまがない」という慣用句について見てきました。「数えきれないほど多いさま」を指し、いい意味にも悪い意味にも使えます。「星の数ほどある」「ごまんとある」などの類語に置き換えられますが、こうした言葉は皮肉めいて使われることもあるので、注意が必要です。
「too numerous」などの英語表現についてもこの機会に覚えて、ビジネスシーンに活用しましょう。