柔道男子100㎏級金メダリストのウルフ・アロンと柔道家の井上康生が出演する、キリンビール・本麒麟の新CM「あなたの最高の一杯になる」編が、23日より放送される。
新CMでは俳優の江口洋介が、カウンターに座るアロン、井上、タモリに向かって「本麒麟いかがでしたか?」と声をかける。ウルフが感想を述べると、井上は「語るねぇ」と笑顔で相槌。実は2人での乾杯がこれまで一度もないことが井上の口から明かされ、「そうなの?」「意外ですね」と驚くタモリと江口。「ずっと楽しみにしてました」と語るウルフに井上が「本当かよ」と照れながら返すなど、師弟ならではの仲の良さが感じられる仕上がりになっている。また、ウルフは今回が初のCM出演で、恩師・井上とも初共演となる。
■井上康生、ウルフ・アロン インタビュー
――CM初共演の感想を教えてください。
井上:教え子のウルフとこうやって柔道以外の仕事ができることに、非常に恥ずかしさと、逆に嬉しさっていう気持ちになった時間だったなというふうには思ってます。
ウルフ:そうですね、僕としてもこうやってCMとか、また、たくさん他の仕事で共演できることがやっぱり嬉しいですし。これからも頑張っていかなきゃなっていうふうに強く思いますね。
井上:そうだね。まずは、タモリさんのオーラに1歩2歩引いてしまった部分がありましたし、江口さんのカッコよさにまた度肝を抜かれた瞬間でもあったんで。たぶん、お二方が入ってきた瞬間、ウルフと私は2人とも黙りこくってしまって緊張が倍増しちゃったよね?
ウルフ:そうですね。やっぱり、タモリさんも江口さんも、お2人ともすごい雰囲気のオーラがあるお方で、それでも気さくに話してくれて、すごい嬉しかったですし。そういった意味では最初は緊張しましたし、CM撮影は初めてでしたけど、楽しくやれました。
――「本麒麟」は以前から知っていましたか?
井上:もちろん、知っておりましたし、よく店舗に赤いラベルがですね、並んであるのが非常に気になって、まあ、自分自身、やはり、ゲン担ぎに赤っていうものを選ぶ機会が多いので、特にこう、大事な試合だとか、行事とかの前には、よくゲン担ぎで飲んだり、買ったりしてたなというふうには思います。
ウルフ:そうですね、僕も普段結構、「本麒麟」飲んでて、すごいうまみの強いお酒だなっていうふうに感じてて。僕自身、魚をさばいたりとかするので、そういう、なんですかね、和食にもすごい合うなっていうふうに普段から感じてます。
――ウルフ選手のお酒に関するこだわりは?
ウルフ:やっぱり、柔道でも何でもそうなんですけど、妥協したくないっていう気持ちがあって。お酒でも飲むからには、やっぱり、いいお酒というか、おいしいお酒を飲みたいなっていうふうに普段からすごい思ってるので、僕としても、「本麒麟」はすごいうまみの強いお酒で、飲んでても飽きないというか、要は、自分のつくった料理とかに合わして、おいしい料理においしいお酒っていうところで、普段から飲めて、とてもおいしいです。
井上:大事だよねえ。
ウルフ:大事ですね。
井上:極めることは大事だからね。
ウルフ:何事でもそうですね。
――お2人で飲む機会はありますか?
ウルフ:そうですね、やっぱりこんなご時世なので、今年入って乾杯をするのは今日が初めてですし、また、2人で乾杯するのは、たぶん人生で今日が初めてなので、なんか少し気恥ずかしい気持ちもあります。
井上:一緒(笑)。ご時世の中なんで、これは受け入れていかなきゃいけない部分っていうのはありますけど、改めて何度も言うように、こういう機会を設けてもらって2人でこう飲める、また、このおいしいお酒とともに時間をつくれるっていうのは最高だけどね。
ウルフ:そうですね。
井上:いい時間だよね。
ウルフ:ほんといい日ですよね。いや…、誘えないっすよ。
井上:(笑)。
ウルフ:やっぱり普段からお忙しい方なので、これから誘ってみようかなあ。
井上:落ち着いたら。
ウルフ:そうですね、落ち着いたら。
井上:やりましょうよ、ねえ。楽しみだね。
ウルフ:その時の乾杯は「本麒麟」で。
井上:ほんとだな。未来について、また熱く語りたいなとは思いますね。
ウルフ:楽しみです。
――自粛が続いた1年、どのようにコミュニケーションをとっていましたか?
ウルフ:そうですね、苦労っていうわけじゃないんですけど、やっぱりどうしても対面で会うことのできる機会が少なくなってきた中で、井上先生からメールとかで、「体調どうだ」とか、「怪我の調子どうだ」とか、「柔道の調子どうだ」っていう風なお言葉をいただいたりとかして、そういった中で密にコミュニケーションを取って、まぁそういう、会うことはできなくても身近でサポートをしていただきましたね。
井上:アロンは、こういう意味で自立して、そして主体的に動ける人間だったかなっていうふうに思うし、いろんな選手と向き合う中でも、そういう風な私は立ち位置の中でですね、接してた部分があったかなっていうふうに思うので、彼自身がなにかちょっと弱気になったりとか、ちょっとこうね、迷ってたりとかというときに、少し後押しができるように、ぐらいの準備をしておけばよかったかなと。ほんとに彼自身は自分自身で準備でき、そして戦える人間だったかなというふうにも思うので、素晴らしい選手ですよね
――ウルフ選手が「先生」と呼ぶ理由は?
ウルフ:僕としては同じ大学の先生ですので、やっぱり「井上先生」って呼ぶことが多いのかなっていうふうに思いますね。他の呼び方が見つからないというか。
井上:嬉しいですよ。ウルフに先生って呼ばれるのはね、いつまで経ってもそうやって呼んでくれるんですごくうれしく思うし、これからも良き先生であり続けるためにも、まだまだ努力しなきゃいけないなっていうふうには思ってるところで、何度も言うようにだけど、そんなね、教え子との関係性の中で、こんな素晴らしい時間が持てるっていうのはねー。なかなかこれまでなかったもんね
ウルフ:ほんと柔道以外で、こんな時間をともにしたことが初めてかもしれないですね。
――自宅でのお酒に関するエピソードを教えてください。
井上:そうですね、やっぱり、ほんとに自宅で飲むお酒っていうのは、また違う味があって、特に仕事が終わったあとに、こう1杯、そんなに飲まないんですけど、1杯、2杯っていうのはすごくホッとできる時間かなというふうには思ってます。で、飲んだあとに、家族と一緒に食事を楽しんだり、会話を楽しんだりしながら、ゆっくりできる時間、あれは最高だなと。そのあと、子どもたちなんかまだちっちゃいんで、寝かしつけに行くんですけど、そのまま寝ちゃうんだよね。すごく早く寝ちゃうから、時々、家族からブーイングくらうときありますけどね。
ウルフ:寝るのは良いことですからね。僕は男の3人兄弟で、真ん中なんですけど、家で兄弟3人でも飲むこともありますし、また、柔道部の後輩とかと一緒に飲むこともあるんですけど、僕、結構しゃべるタイプなので、後輩とかと一緒にお酒飲むと、僕がずっと話してるんですけど、兄弟と飲むと、僕以上に話す兄弟のうちなので、その兄弟の会話を聞きながら飲むお酒が意外と楽しかったりしますね。
――選手と飲むお酒は特別に感じますか?
井上:そうですね、やっぱコミュニケーションとか、いわゆる対話っていうのは、その選手たちのことを理解するっていう中では、非常に重要なものでしたし、また、我々は道場とか、トレーニング場とか、それ以外のところでコミュニケーションを図っていきながら、やるっていうのはなんか違う、その選手たちの一面っていうものを見ることができましたので、こうやって、ね、お酒を使ったりだとか、その他の場所を使ったりしながら、やる時間というのは、また新たな発見とか、自分自身の学びというのがあったので、非常に活用してたなっていうふうには思うけど。
――現役時代の井上さんVSウルフ選手、どっちが勝つ?
井上:お互い、柔道界のあらゆる大会を優勝してきた2人であるので、まあ相当面白い試合が見れるんじゃないかなと思うんですけど、結局は全部僕が勝っちゃうでしょうね(笑)。
ウルフ:完璧な振りでしたね、今の(笑)。何を言うのかなと思ったら、そういうオチに持っていったんですね。いやぁ、でも、やってみたい気持ちはありますね。でも、やるんだとしたら、もう、徹底的に対策をして。
井上:いやー。
ウルフ:もう、嫌のとこ、いやなとこ、全部ついていきたいなと思いますね。
井上:いやー、やっぱね、さっきのは冗談だけど。いや、強いよ。アロンの強さは、同じ階級で戦うのもそうだし、無差別で戦っていく中でのアロンとの戦い方も、これもまた違うだろうしで、いやー、どうかね?
ウルフ:どうなるんですかね?
井上:一緒の時代じゃなくてよかったよ。
ウルフ:いや、ほんとにそうです。そういうことですね。
井上:じゃないと、今日こんな時間設けられないから。バチバチだったら、二人で(笑)。
ウルフ:そうですね。「本麒麟」が飲めなかったかもしれないです。
井上:飲めなかったよ。よかった。
ウルフ:いやー、でも、世代が違ったからこその時間なのかもしれない。
井上:そのとおり。結果オーライ。
ウルフ:結果オーライですね。
井上:でも、やっぱり、そういうイメージ持つのって、歴代のすごい先生とか選手とか、どんだけ強かったんだろうって、本能的に思っちゃうよね。
ウルフ:いや、思いますね。それこそ山下先生とか。どれぐらい強かったんだろうなっていう。
井上:ほんとだ。その中の一人だよね。
ウルフ:いやー、もっとこれから井上先生の結果に近付けるように頑張っていきます。
井上:頑張りたまえ。
ウルフ:はい(笑)。
――お互いに向けて一言。
ウルフ:これからもよろしくお願いしますというか、ほんとにその言葉に限りますね。
井上:そうですね、先ほども言いましたけど、まずは現役時代というところにおいては、アロンしかできない柔道をつくり上げて、より一層活躍してもらうことを心から期待したいなっていうふうには思うところが1点と、これから先においても、柔道家だけではなく、いちウルフ・アロンという人間もですね、いろんな分野で活躍していきながら、先ほど言ったように柔道の発展、スポーツの発展にも寄与していくような、そういう大きな人間に育っていくことを楽しみにしたいなというふうには心から思っています。まぁ、一緒にこれからもね、仕事をしたりだとか、時間をともにしたりすることも多々出てくるんじゃないかなと思うので、そのときはよろしくお願いします。