俳優の吉沢亮が主演を務める大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)。21日に放送された第36回「栄一と千代」で、主人公・渋沢栄一(吉沢)の妻・千代(橋本愛)がコレラに感染し、亡くなった。千代との別れに栄一は号泣。吉沢はこのシーンについて、「苦しさしかないシーンだった」と振り返る。
今回、長女・うた(小野莉奈)と穂積陳重(田村健太郎)の縁談が持ち上がり、意気投合した2人は結婚。渋沢家が幸せな空気に包まれる中、千代が突然、病に倒れた。コレラと診断され安静にしていたが、病状が悪化し帰らぬ人に。ずっと支えてきてくれた千代の死に栄一は号泣した。
吉沢は「お千代との別れのシーンはつらかったです」と吐露。「本当にそのシーンがお千代最後のシーンだったので、ずっと支えてくれたお千代がこのシーンを撮ったら終わっちゃうんだという寂しさと、あのシーン自体の重さで号泣していました」と振り返る。
これまでに父・市郎右衛門(小林薫)、母・ゑい(和久井映見)の最期も描かれてきたが、「お父さんもお母さんも悲しくはあるけど、どこか前向きなものとして捉えていた。その人の人生の美しさや、その人からいただいたものを自分の中で消化して前を向いていくという、ポジティブな要素がありましたが、お千代の死に関しては急すぎたし、苦しさしかないシーンだったので、衝撃的でした」と違いを語る。
世の中を変えるのだという強い気持ちで突っ走り続ける栄一をずっと支えてきた千代。吉沢は「印象的なシーンはたくさんありました」と話し、「(亡くなる前に)2人で語っているシーンもすごくよかったですし、4話で、さっきまで見ていた夢の話をするお千代にするシーンがありましたが、そのシーンを思い出しました」としみじみ。
また、「栄一は、世の中を変えなきゃいけないという、幼い頃から持っている意識にエネルギーがいっている分、家族との付き合い方が不器用。僕自身も突っ込みたくなる瞬間がありますが、栄一に振り回される家族が嫌な風に映らなければいいなと。振り回されている人たちもおもしろおかしく映ればいいなと思っています」と家族について語った。
千代が亡くなり、子供時代から関係が続いている栄一と関わりの深い人物は高良健吾演じる喜作のみに。吉沢は「本当に喜作だけで、みんないなくなってしまったので寂しい」と心境を明かしつつ、「高良くんはいろんな作品を見させてもらっていましたし、一緒にお芝居していて素敵だなと思います。役として生きることにものすごく真摯に向き合っている。セリフ1つにしても『喜作はこうだったかな』と向き合っていて、すごい集中力だなと思います」と高良の姿勢を称賛する。
さらに、「喜作がそのシーンにいるだけで安心する。仕事をしているときの栄一とはまた違う、血洗島でただ騒ぎ立てていた子供の栄一が出てくる。それはたぶん高良くんだったからこその部分もあると思います」と述べ、第31回で栄一と喜作が涙の再会を果たしたシーンについても、「台本に泣くとは書いてなかったんですけど、泣いちゃいました」と言及した。
栄一、千代、喜作の3人は幼なじみとして育ち、強い絆で結ばれている。吉沢は「一番近くで支えてくれていたのがお千代と喜作なので、この2人は僕の中で特別だなと思う部分があります」と語った。
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2009年、「アミューズ全国オーディション2009」で審査員特別賞を受賞しデビュー。映画『キングダム』(19)で第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。主な出演作は、ドラマ『なつぞら』(19)、『半沢直樹』(20)、映画『リバーズ・エッジ』(18)、『銀魂』シリーズ(17、18)、『AWAKE』(20)、『東京リベンジャーズ』(21)、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』(21)など。現在放送中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演を務める。2022年は舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』の主演が決定している。
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