舞台『葵上』『弱法師』 -「近代能楽集」より-の公開ゲネプロが8日に東京・東京グローブ座にて行われ、神宮寺勇太、中山美穂、宮田慶子が取材に応じた。

  • 神宮寺勇太

    神宮寺勇太

同舞台では全8編の短編戯曲からなる三島由紀夫の代表作「近代能楽集」の2編を連続上演。「源氏物語」を原典にした『葵上』は、深夜の病院の一室を舞台に、美貌の青年・若林光(神宮寺)が入院する妻・葵の元を訪ねると、かつて光と恋仲であった六条康子(中山)の生霊が現れる、という物語で、神宮寺と中山は切なくも幻想的なやりとりを繰り広げる。さらに佐藤みゆき、金井菜々が出演する。

『弱法師』は家庭裁判所の一室を舞台に、育ての親、生みの親という2組の夫婦が盲目の青年・俊徳(神宮寺)の親権を争うことから物語が始まる。後半には神宮寺による台本3ページ分、約5分間の1人語りも行われた。こちらには、2人の他、篠塚勝、木村靖司、加藤忍、渋谷はるかが出演した。

演出の宮田と、戯曲に描かれていないサブストーリーまで話し合っていたという神宮寺。宮田に言われて印象的だった言葉として「『役をまとう』みたいなの、よく言うじゃないですか。そうじゃなくて、『役を食べちゃう』と言っていただいたのが、新しくて印象的でした。自分の中に落とし込んで発する言葉なんだと、改めて思いました」と明かす。

宮田は神宮寺について「とにかく吸収が良い。いろんなツッコミを入れてみると、ことごとく返ってきて、次第に底なしのポテンシャルを持っているなと思って、いろんなことを投げて投げて投げて来ました」と表し、「難しい戯曲に対して非常に知的に論理的に模索をしつつ、いざ演じていく時には動物的な勘も全部使ってくれるので、毎日楽しいです、日々『アップデート』『更新しながらいこうね』と言ってます。掘れば掘るほどいろんなものが出てきます」と絶賛。「初対面からすごい集中力で、ちょっとやったら『いろんな顔が隠れている』とすぐわかったので、一つひとつひっぱりながら。ゆっくりお稽古させていただいたので、寄り道も経験して、枝葉が違ったねと戻る余裕もありながらここまできたような気がします」と振り返った。

さらに宮田は「2作品を同じキャストでやったの、初めてかもしれない。立て続けにヘビーな役を2つって、なんてことをお願いしたんだと悩みましたけど、この2人なら大丈夫」と神宮寺と中山に太鼓判。そんな言葉に対して神宮寺は「最初の頃は、夜も寝れなかったです。本当に自分に(台詞が)覚えられるのかというのも思いました。でもたくさん稽古を重ねていただいて、色々なものを自分の中に落とし込む作業が絵きたので、助かりました」と答える。台詞の覚え方については「読む。これに尽きます。声に出してひたすら読んでという感じです」と語り、「(他の)現場ではやらないです。家じゃないとできないです。誰かがいると集中力が減っちゃうんです。夜も寝れなかったです」と苦労話も。

神宮寺はKing & Princeのメンバーに対しても「あんまり僕はそういうのメンバーには聞かないけど、改めて『どうやって台詞を覚える?』と聞いたり」と明かし、「『リズムで覚えちゃいな』とか『俺は家で覚えてる』とか言ってもらって。岸(優太)くんは『大丈夫、お前ならできる』と。細かいことじゃなくて『神宮寺ならできる』と言ってくれました。本当にその言葉は心強かったですね。そういう言葉を胸に、今立っています」と感謝。舞台についても「絶対、観に来ると思います」と自信を見せた。

東京公演は東京グローブ座にて11月8日~28日、大阪公演は梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて12月1日~5日。