お笑い芸人・福田麻貴(3時のヒロイン)、加納(Aマッソ)、サーヤ(ラランド)が出演するショートムービー『ウワキな現場』が8日20時にTELASAで配信スタート。大ヒット映画『カメラを止めるな!』(17年)で知られる上田慎一郎監督が手掛け、恋愛相手役として浅香航大が出演する。

  • ショートムービー『ウワキな現場』(C)テレビ朝日

テレビ朝日のバラエティ番組『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(毎週月曜26:16~)で6月に突如決まったショートムービー製作。当初は等身大のラブストーリーを希望していた3人だが、上田監督の手により、二転三転する「恋愛サイコホラー」がこのたび完成した。福田、加納、サーヤがそれぞれ演じるミキ、アイカ、サヤカはトリオ芸人。しかし浅香演じるユウタの存在が、3人の関係性に亀裂を生み出す。路上でキスしているミキとユウタを目撃したサヤカは、トリオでの漫才稽古中に水面下でミキに攻撃を開始し、物語は怒涛の展開に。20分弱の短尺でありながら上田監督が「想像以上の作品ができた」と自信をにじませる、インパクト満点の仕上がりだ。

3人の女優としての才能も炸裂。熱望していたキスシーンに挑んだ福田は「ミキとしてキスをしたんで、緊張とかなかったです。めっちゃ女やった! 女の部分が開花してるなって感じでしたね」とニヤリ。コント以外で初演技となった加納は「一瞬キリッとした顔をしてます(笑)」と照れながらアピール。迫真の演技を見せたサーヤは「相方(=ニシダ)のせいでアンガーマネジメントだけめちゃくちゃ上手くなってる私にとって、感情の起伏が普段の10~20倍ある役。人の不幸をあざ笑う演技は、力が入りましたね」と、渾身の芝居を振り返る。福田とのキスシーンに挑戦した浅香は「福田さんがとても緊張されていて、かわいかったです(笑)」とコメントを寄せた。

きょう1日放送の『トゲアリトゲナシトゲトゲ』には上田監督が登場し、3人と『ウワキな現場』PR動画を制作。本作の予告編も初公開する。

福田、加納、サーヤ、上田監督、浅香のコメントは以下の通り。

■福田麻貴(3時のヒロイン)/ミキ 役

台本を読んだら衝撃の連続で、「上田監督、天才やな!」と思いました。役柄自体は、ほぼ普段の私。監督から「リアルなサイコホラーのようにお願いします」と言われたので、芸人としての盛りとかは一切なく、リアルな感じで演じました。ただ、劇中では当たり前のように“自分が一度も経験したことのないこと”が起こるんですよ。その時の感情や言動を想像して演じるのは、難しかったですね。でも、子役もやっていたことのあるサーヤの芝居がめっちゃ上手くて、撮影中にどんどん怖くなっていくんです。おかげで、私も嫌な感情に関してはリアルに抱けました(笑)。あと、加納ちゃんが後半に豹変するシーンの撮影では私、音だけ聞けてる状態だったんですけど、あとで映像を見たらめっちゃ上手くて! 画面の加納ちゃんに向かって、とっさに「上手いんかい!」とツッコみました(笑)。

私の女優魂が炸裂したのは、キスシーンですね! キスはアドリブで濃厚にしてやろうかと思ったんですけど、監督からの「バードキスで」という指示に従いつつ……3時のヒロイン・福田麻貴を捨てて、ミキとしてキスをしたんで、緊張とかなかったです。めっちゃ女やった! 女の部分が開花してるなって感じでしたね(笑)。相手役の浅香さんはまぁ、当然なんですけど、キスシーンに対して特別な感情もない感じだったので、「寂しいな……」と思いつつも(笑)、全力で挑ませていただきました。

上田監督は面白くて気さくで、人間的にも素晴らしい監督! 今回はタイトな撮影スケジュールだったんですけど、監督がまったくイライラされないので、現場全体も最後まで一切ピリつかなかったんですよ。めっちゃ楽しかったし、ぜひ第2弾もやりたい! 次はベッドシーンをお願いしたいです(笑)。

■加納(Aマッソ)/アイカ 役

私はコント以外で演技をするのが初めてなので、「とにかく頑張ってついて行こう」という気持ちでいたんです。そしたら上田監督が、3人の素のキャラクターを生かしながら、めちゃくちゃ演技しやすいように台本を書いてくださっていて……! 特に私の役なんか、ホンマそのまんまのしゃべり方。素のまんまのイージーモードで言えるように書いてくださっていたので、「すごい監督さんやな!」と思いました。私は恋愛シーンもやらなくて済みましたし(笑)、実際の撮影も楽しかったです。

実は私、映画監督に対して漠然と「(勇ましい声で)カァ~~~~ット!」みたいなイメージを持ってたので(笑)、今回もこっそり構えてたんですよ。上田監督は打ち合わせの時も優しかったんですけど、「たぶん現場に行ったら怖いんやろうなぁ」と思って……(笑)。でも、実際は全然そんなことなかった! 上田監督は現場でも優しくて、終始穏やかに過ごせましたし、「令和の映画の現場ってこんなに柔らかなんだ!」ってビックリしましたね(笑)。上田監督のおかげで、いい映画デビューが飾れました。唯一、麻貴ちゃんのキスシーンを生で見られなかったことだけが、残念です(笑)。

麻貴ちゃんとサーヤは演技経験もあるから、今回もさすがの演技! 2人がやり合うシーンを見て「すごいな! 私に2人の役はできないなぁ」と思いました。しかも、私は普段コントをしてる時、台本も自分で書いているから、セリフも覚えるという感じではないし、たとえセリフを間違っても怒られないんですよね(笑)。いかに適当で自由だったかが分かって、フレッシュな気持ちになりました。そんな私の女優魂が炸裂したシーンは、後半の豹変シーン。一瞬キリッとした顔をしてます(笑)。

■サーヤ(ラランド)/サヤカ 役

すいません、ちょっと上田監督をナメてました(笑)。福田さんのキスシーンがただ目立つだけの面白い映画になるのかと思ったら、全然違った! 今回もまさに上田監督の真骨頂。台本を読んで「ストーリー全部おもろいんかい! 賞獲れそう」って、もうスゴすぎてビックリしました。

今回は憎しみや負の感情が全面に出る役。監督も「万年取れない目の下のクマもそのままで行こう」とか(笑)、まばたきのしかたとか、優しく丁寧に指示してくれたので、すごく演じやすかったです。今回は自分では経験したことのない衝撃的なシーンもあるんですけど、そういう場面での表情や心情も細かく教えてくださって、めっちゃ勉強になりました。映画監督ってややこしい人種なのかと思ってましたけど、上田監督はすごい朗らか。もっとしごかれるのかと思ってたら、めちゃくちゃ優しいし、明るいし、丁寧に演技指導もしてくれるし、統率をとるのが上手い方なんだなって思いました。

ちなみに、相方(=ニシダ)のせいでアンガーマネジメントだけめちゃくちゃ上手くなってる私にとって、今回は感情の起伏が普段の10~20倍ある役でもあるんです。だから、人の不幸をあざ笑う演技は、力が入りましたね。普段から貯蓄していた怒りのエネルギーと女優魂が炸裂したと思います。ラフカットを見たら、めっちゃ怖い顔をしていて、自分でも引きました(笑)。

麻貴さんと加納さんの演技もすごかったです。私は麻貴さんのキスを盗撮する設定だったので、カメラ越しと肉眼の両方で見たんですけど、めっちゃかわいかった! 叫ぶシーンもリアリティーが半端なかったです。加納さんも豹変っぷりがすごくて、怖かった(笑)。皆さんにもぜひ見ていただきたいです。

■浅香航大/ユウタ 役

自分は上田監督をはじめ、福田さん、加納さん、サーヤさんとも“はじめまして”。そこに自分が加わるという……なかなか想像のつかないチームで、オファーをいただいた時はどんな化学反応が起こるのかとても楽しみでした。そんな中、脚本を読んだら……さすが上田監督作品! ネタバレを避けるため、あえて脚本についてのコメントは控えめにとどめておきますが(笑)、上田監督は現場でも本読みやディスカッションする時間を大切にし、役のディテールや内容の細部をしっかりと共有するスタイルだったので、演じる上でもやりやすかったです。お客さんを楽しませたいという思いがひしひしと伝わり、周囲の士気をあげる方だと思いました。

福田さん、加納さん、サーヤさんとの撮影では、芸人さん特有の会話のテンポや間などが新鮮で、刺激になりました。また、撮影は朝から夜遅くまでハードではありましたが、お三方が終始めちゃくちゃエネルギッシュでサービス精神旺盛な振る舞いをされていたのが印象的でした。さすが芸人さん! 笑いの絶えない現場で楽しかったです。ちなみに、福田さんとはキスシーンもあったのですが、福田さんがとても緊張されていて、かわいかったです(笑)。

この作品では福田さん、サーヤさん、加納さんのお芝居が素晴らしく、笑いはもちろん、上田監督の仕掛けもあり、楽しんでいただける作品になっていると思います。ぜひご覧ください!

■上田慎一郎/監督

今回はお笑い芸人というスキルを生かした「役者が嫉妬するような映画」を作ろうと思ったんです。役者の技術とはまた違う、漫才の技術を存分に生かし、福田さんと加納さんとサーヤさんの3人でしかできないものを作ろう、と。僕は『トゲアリトゲナシトゲトゲ』と3人のファンでもあるので、今回は完全に当て書きで作りました。キャラクターも3人のファンとしては萌える“トリオ芸人”という設定にし、バラエティーではあまり見たことがない3人のドアップもいっぱい撮っています。

実を言うと、芸人役を選んだ背景には「自分と大きく離れた役だと演技力に作用される部分も大きくなってくるので、できるだけ素のご本人たちに近い役を……」という考えもあったんです。でも、3人の演技は僕の期待をはるかに超えていました! 『トゲトゲ』で築かれてきた3人の距離感、あうんの呼吸のおかげで、めちゃくちゃ自然でしたし、何と言っても福田さんの受けの表情、加納さんの抜群な間合いとトーン、サーヤさんの役者としての色気……三者三様、想像以上に素晴らしかった! 皆さんが本当に真剣に演技をしてくださったおかげで、想像以上の作品ができました。

まだ作品が公開前にもかかわらず、気が早いですが(笑)、もし可能であれば第2弾も作りたいです。今回はリアルに寄せた作風だったので、次回はフィクションに飛ばすのも面白いかもしれませんね。コントにならないような設定を模索するのは難しいですが、3人が女スパイになるとか(笑)、もう少しフィクショナルな作品を撮ってみたいです。