在宅勤務が定着し自宅でコーヒーブレイクをとる人が多くなったからか、コンビニのコーヒー商品コーナーが充実している。ドリップ用コーヒー豆、ドリップバッグコーヒー、インスタントコーヒー、コーヒーリキッドなどいろいろなタイプがあるが、今回はコーヒー好きの友人から「以前よりおいしくなっている」と聞いたインスタントコーヒーを飲み比べてみた。

  • コンビニで購入できるインスタントコーヒーを飲み比べ

インスタントコーヒーの種類には、風味と香りを逃さない製法である「フリーズドライ」タイプと、水にも溶けやすい粉末状の「スプレードライ」タイプがある。今回はセブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマートで購入できる各社のオリジナルインスタントコーヒー4種類と、各コンビニでよく見かける「ネスカフェ エクセラ」を加えた計5種類を、140mlの湯に2g(規定の1杯分)を溶かし、味、香り、溶けやすさ、また温めた牛乳との相性、商品ラベルに表記されたカロリーや1杯分の価格で比べてみた。

セブン‐イレブン「セブンプレミアム いつもの珈琲」

  • セブン‐イレブン「セブンプレミアム いつもの珈琲」(40g/購入時300円、同社公式サイト掲載価格300.24円)

セブン‐イレブンのPBシリーズ「セブンプレミアム」は、生活を「より豊かに・楽しく・便利に」することをコンセプトに、価格より価値を重視した商品が開発されてきた。そのひとつがこのフリーズドライタイプのインスタントコーヒー「セブンプレミアム いつもの珈琲」だ。同社サイトによれば、「マイルドでキレのある後味」が特徴だという。

蓋を開けると、酸味とコクが混じり合った黒蜜のような香りがした。湯に溶いて飲んでみると、香りの印象と同じく、酸味がキリッとして苦味が強めだ。パンチがあって、睡魔が襲う午後の仕事の合間にぴったりだ。水にもよく溶けるので、アイスコーヒーを作るのにも便利。牛乳に合わせると、酸味が弱まり、ビター感のある‟ちょっと大人”のラテに変身する。

<セブン‐イレブン「セブンプレミアム いつもの珈琲」のポイント>
・パンチのある苦味と強めの酸味
・牛乳を合わせると、ビター感のあるラテになる
・1杯分約5キロカロリー、約15円

ローソン「テイスティー コーヒー」

  • ローソン 「テイスティー コーヒー」(90g/購入時397円、同社公式サイト掲載価格397円)

ローソンのオリジナル商品「テイスティー コーヒー」は、フリーズドライ製法で90g入り。1杯分は約2gで、1瓶で45杯飲める計算だ。ラベルには「豊かな香りと深いコクが楽しめる」とあり、風味の特徴は★5つを満点として、「苦味」が★4つ、酸味が2つ、コクが4つとなっている。確かに香りはビターチョコレートのようだ。

湯を注ぐとコーヒーの色はやや濃いめで、エスプレッソのようなコクがある。個人的に、酸味は強く感じた。水にもよく溶け、アイスコーヒーにしてもコクは深い。温めた牛乳を入れてラテにしたが、やや酸味が強調された印象だ。このコーヒーはブラックまたは砂糖を入れて、ホットかアイスでコクを楽しむのがよさそうだ。

<ローソン 「テイスティー コーヒー」のポイント>
・深煎りのようなコクがある
・コクのあるアイスコーヒーができる
・1杯分約4.9キロカロリー、約8.82円

ファミリーマート「インスタントコーヒー」

  • ファミリーマート「インスタントコーヒー」(86g/購入時398円、同社公式サイト掲載価格398円)

ファミリーマート「インスタントコーヒー」は、ブラジル産のコーヒー豆を100%使用したフリーズドライタイプ。同社サイトを見ると、「酸味を感じられるブレンドで、豊かなコクとまろやかな味わい」とある。個人的には干し草のような香ばしさと、すっきりクリーンな香りを感じた。

湯を加えて飲んでみると、確かに酸味が強く、コクは少なめだ。個人的には酸味の強いコーヒーが好きなので、1日に何杯も飲めそうだ。アイスにするとさらに酸味がたち、スッキリしたいときには心地よく飲める。牛乳で溶くと酸味がほどよくマイルドになる一方で、牛乳にキレがプラスされておいしかった。

<ファミリーマート「インスタントコーヒー」のポイント>
・キリッとした酸味
・牛乳と合わせると、キレのいいラテになる
・1杯分、約6キロカロリー、約9.26円

セブン‐イレブン「セブンプレミアム 深いコクのコーヒー」

  • セブン‐イレブン「セブンプレミアム 深いコクのコーヒー」(100g/購入時321円、同社公式サイト掲載価格321円)

セブン‐イレブンのインスタントコーヒーには、前出のフリーズドライタイプのほか、スプレードライ製法で冷たい牛乳にも溶けやすいという「セブンプレミアム 深いコクのコーヒー」がある。商品ラベルの情報によると、「コーヒー液を霧状にして、熱風で水分を蒸発。さらにコーヒー粉を砕いてから、また粉同士をくっつける(造粒化)」ため、冷たい水にもよく溶けるという。

香りは焦がした砂糖のように甘く香ばしい。湯を注いで飲んでみると、酸味とコクがたち、苦味はやわらかでバランスがいいと感じた。水に溶かしてアイスコーヒーにすると酸味は強調され、さわやかでゴクゴク飲めるし、冷たい牛乳と混ぜれば独特の苦みと牛乳のまろやかさがマッチして、パンチのあるアイスラテに。温かい牛乳との相性もよく、コーヒーの酸味と苦味が牛乳の甘みをより引き立て、おいしいラテになった。

<セブン‐イレブン「セブンプレミアム 深いコクのコーヒー」のポイント>
・ホットにすると酸味、苦味、コクのバランスがいい
・牛乳と合わせると、味にメリハリのあるラテになる
・1杯分、約6キロカロリー、約6.42円

ネスレ「ネスカフェ エクセラ」

  • ネスレ「ネスカフェ エクセラ」(40g/購入時345円、メーカー小売希望価格352円)

筆者が確認した限りでは、ローソンとファミリーマートのどちらでも店頭に並んでいたのが、黒いキャップに赤いカップのラベルで目を引くの「ネスカフェ エクセラ」だ。1960年の発売以来のロングセラー商品として知られる。商品ラベルには、独自の「挽き豆包み製法」を導入しているとの記載あり。細かく粉砕したコーヒー豆を、ネスカフェ独自の抽出液で包み込んでいるため、味の劣化につながる豆の酸化が抑えられるという。

瓶に鼻を近づけると、チョコレートのような甘い香りがする。細かい粒子なのでカップに入れて湯を注ぐと、「シュワ―ッ」と音を立て、またたく間に溶けた。飲んでみると煎った穀物のような香ばしさがあり、浅煎りのコーヒーのようなすっきりとした味わい。「1日の始まりの朝にぴったり」と商品コンセプトにもあるように、目覚めの一杯によさそうだ。

アイスコーヒーにすると、クリアな味わいが本領発揮! 水にもすぐに溶ける。個人の好みだが、アイスにするならコーヒーの量を1.5~2倍にすると、よりコクを感じられておいしく味わえた。牛乳に溶かすなら、ややぬるめのほうがコーヒーのコクが際立った。

<ネスカフェ「ネスカフェ エクセラ」のポイント>
・溶けやすく、クリアな飲み口
・40g入りの瓶(約20杯分)は手のひらサイズで持ち運びに便利
・1杯分、カロリー不明、17.25円

久しぶりにインスタントコーヒーを飲んでみると、即席とはいえ、原料のコーヒー豆の違いなのか、ブレンド力の妙なのか、香りにも味わいにも個性が感じられ楽しめた。在宅で仕事をするときにも湯、水、牛乳にさっと溶かして飲めて手軽だし、何種類か揃えて気分やシーンに合わせてチョイスするのもおすすめだ。