サントリーが今月、ノンアルコール飲料「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」を新たに発売した。ノンアルコールチューハイというと、どうしてもジュースのようなものを想像しがちだが、この「のんある晩酌」に関しては、アルコールが入っていないのになかなか"本格派"らしい。
一体どういう理屈なのだろう。さっそく試してみたのだが、結論から言うと、主に「焼酎の味を感じられる」「どんな食事にも合う」という意味で、「のんある晩酌」はまさに本格的だった。これは正直、ヒットする予感がプンプンと匂うぞ…… ということで、詳細な試飲レポートをお届けしよう。
ノンアルコール飲料を飲むのは「美味しいから」がトップ!
そもそも、ノンアルコール飲料はじわじわ人気が出てきているらしい。
サントリーが昨年8月に行った調査によると、コロナ禍による生活の変化でノンアルコール飲料の飲用量が増加していることがわかったという。(※出典:ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査 サントリー ノンアルコール飲料レポート2020)
コロナ禍以前の半年前と比較し、14.4%の人が「ノンアルコール飲料の飲用量が増えた」と回答。特に20代と30代は約2割が増えたと答えている。
ノンアルコール飲料を飲む理由については、「健康を気にするようになったから」(38.0%)、「気分転換・リフレッシュできるから」(34.4%)、「休肝日をつくろう/増やそうと思ったから」(33.4%)など、「健康」を意識した回答が目立つ中で、なんとダントツでトップだったのが「おいしくなったから」(50.6%)。
健康にも配慮できて、それでいて美味しいのであれば、飲まない理由がない。実際に、ノンアルコール市場は引き続き拡大が見込まれているそうだが、個人的には、その市場を今年牽引するのが「のんある晩酌」だと感じている次第である。
美味しくなったノンアルコール飲料のなかでも、トップに立つか?
いよいよ「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」を飲んでみよう。
パッケージは居酒屋の壁に貼られた「レモンサワー」の書体を思わせるデザインである。アルコール分だけでなく、カロリー、糖類もゼロ。つまり罪悪感もゼロということだろう。それではさっそく……
シュワ~っとグラスに注いで、乾杯。おお~、スッキリ感が凄い! そして甘くない! 笑ってしまうくらい美味しい。それと…… これは何だ、ちゃんとお酒の味がするのだが……?
どういうわけなのか調べてみると、焼酎由来の旨味をノンアルコールのエキスとして凝縮させる「焼酎旨味凝縮技術」をサントリーの商品として初めて採用したのだそうだ。もっと言えば、香りの高い焼酎を使い、できるだけ加熱せずにアルコール分だけを取り除くことで、焼酎の持つ旨味を凝縮させた焼酎エキスを作り出しているらしい。
なるほど、材料にその焼酎エキスを使用しているからこそ、アルコール分こそ入っていないものの、本格的なレモンサワーの味を再現できているということなのだろう。
ノンアルコール飲料といえば、ついジュースのような味だと考えてしまいがちだが、これはまったく違う。ジュースの味かお酒の味かと聞かれれば、ほとんどの人が後者と答えるだろう。それほどジュースの味とはほど遠い。
また、ノンアルコール飲料は運転を控えているときや休肝日などに"仕方がなく飲むもの"とされがちだが、これは物足りなさや虚しさがないので、"仕方がなく飲んでいる感"も感じない。むしろ、昼間から飲もうものなら、無駄に罪悪感すら覚えてしまいそうだ。
「焼酎みたいな味」以外にもうひとつ、とにかく「食事に合う」という特徴もある。
ドライなレモン風味で、食事にも合う味わい
甘くなく、むしろレモンの爽快な苦味が強く感じられるので、脂っぽい料理であれば口のなかをさっぱりリフレッシュしてくれるし、お刺身のようなさっぱりした食事との相性も抜群にいいだろう。やはり鍵はこのドライなレモン風味な気がする。
そう思ってこちらも調べてみた。実は、レモンの皮に含まれている香気オイルをノンアルコール飲料に溶かすことは簡単ではないそうだが、この「のんある晩酌」はオイルを微細化することで、レモンオイルの香りをうまく配合することに成功したらしい。おかげで、フレッシュなレモンの香りがとことん楽しめる。
居酒屋の食事メニューにやたらとレモンが添えられているように、レモンと相性のいい料理はとても多い。レモンオイルをしっかり配合した「のんある晩酌」も、同じ理屈であらゆる料理に合うのだろう。
飲むたびにしっかりと感じる焼酎テイストと、苦味の効いたさっぱりレモン味。これがノンアルコール飲料だなんて、にわかには信じがたいレベルである。酔っていないのが不思議なくらいだ。いや、むしろ酔ってきた…… わけはないのだが、そう錯覚しそうなほど本格的である。
休肝日はもちろん、2杯目をこれにすることで、日頃の酒量も無理なく抑えられるのではないか。むしろこれだけ美味しいのであれば、アルコールの有無など気にせず常飲したいくらいである。ぜひ一度お試しあれ!