女優の上戸彩が、10日にスタートするBSフジの新たなドキュメンタリー枠『サンデードキュメンタリー』(毎週日曜12:00~)で、記念すべき初回に放送される『ザ・ノンフィクション特別編 笑顔で生きよう~お母さんと僕の約束~』のナレーション収録に臨んだ。

今年8月に上戸がナレーションを担当して『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)で放送され、ステージ4のがんを宣告された35歳のシングルマザーと8歳の一人息子の日々を追ったドキュメンタリーに、未公開素材や新撮映像などを大幅に加え、地上波放送の2倍以上におよぶ長編で再構成した作品だ。

幼い息子を思い、つらい闘病でも常に笑顔で気丈に振る舞う母の姿を見て、前回は収録後のインタビューで涙がこらえられなかった上戸。今回はどんな思いで臨んだのか――。

  • 『ザ・ノンフィクション特別編』のナレーションを担当した上戸彩

    『ザ・ノンフィクション特別編』のナレーションを担当した上戸彩

■前回のOAを見て「おんおん泣いてました」

昨年秋、突然の末期がん宣告を受けた料理研究家の高木ゑみさんは、病気のことを包み隠さず、入院中の病室から毎日のように病状や心境をSNSで発信。番組では、幼い一人息子を思い、「この子のためにも生きる」と、がんと闘いながらも明るく笑い続け、前向きに乗り越えようとする姿が描かれている。

前回の放送を「子供を寝かしつけてから見て、おんおん泣いてしまいました。収録現場で我慢していた分、余計に泣きましたね」という上戸。放送後は周囲の反響も大きかったそうで、「多くの方から感想を頂きました。私が語りをしているという先入観を持たないで見れたという感想も結構言っていただけて、すごくうれしかったです」という。

それから2カ月経って臨んだ今回の収録。「家でも感情が入りすぎてしまい、原稿を読めないくらいだったので、(ゑみさんの気持ちに)一緒に入り込んじゃうと絶対泣いちゃうと思ったんです。前回の収録で映像を見て、OAも見ているので、もう目を閉じても画が想像できるから、今回もヘッドホンを外したりして、自分の気持ちを少しでも遠のかせようとしたんです」と何とか涙をこらえていたが、「(ディレクターの)山田さんが、泣いてらして。ガラス越しで(ナレーションブースと)距離が近かったので、その姿が見えて…」と、つられそうになってしまったそうだ。

  • 高木ゑみさん(左)と息子の蔵人くん (C)フジテレビ

特に感情がこみ上げてきたのは、入院前に「寂しい」と言っていた蔵人くんのために、ゑみさんが始めた交換ノートのやり取りを読み上げる場面。

蔵人くん「ゑみちゃんへ 早く会いたいから 早く治って帰ってきてね」
ゑみさん「ママはだいじょうぶ。安心して待っててね」「くろーど 大好き」

上戸は「やっぱり蔵人くんを見てると自分の子供と重ねてしまうので…」というだけに、「あそこは感情の部分ですし、客観的に読むことができないところなので、あそこはね…」と、そのシーンを思い出してまた気持ちがあふれそうに。前回の放送を見た視聴者であっても「こみ上げる感情を、きっと抑えることができないと思います」と想像した。

■父子2ショットに安心「勝手に親戚の叔母さんみたいに(笑)」

今回は、前回のエンディングのその後も描かれている。ゑみさんを支えてきた周囲の人々の姿には、「料理教室の生徒さんたちも、親友の三木さんも、ゑみさんがああいう明るい人だったからこそ、周りにいらっしゃる方も素敵な人たちだなと思いました」と印象をコメント。

また、蔵人くんと父親との2ショットの場面も映し出されており、「甘えさせてくれるお父さんで、ハグだったり、肌と肌のふれあいを大切にしてそうな方だったので、それを見て勝手に親戚の叔母さんみたいな感じになって(笑)、すごくホッとして安心しました」と目を細めていた。

  • (C)フジテレビ

●上戸彩
1985年生まれ、東京都出身。97年「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、01年にドラマ『3年B組金八先生』で注目を集める。『高校教師』『絶対零度~未解決事件特命捜査~』『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』『半沢直樹』などのドラマ、『あずみ』『テルマエ・ロマエ』『武士の献立』などの映画や多くのCMに出演し、幅広く活躍している。