スパークス・アセット・マネジメントは9月29日、「ESG投資に関する調査2021」の結果を発表した。同調査は8月23日~24日、全国の20~69歳の投資経験者1,000名を対象に、インターネットで実施した。

  • 普段のくらしの中でサステナビリティを意識することはあるか

普段のくらしの中でサステナビリティを意識することはあるか聞いたところ、75.0%が「よくある」「時々ある」「まれにある」と答えた。普段のくらしの中でサステナビリティを意識することがある人の割合を年代別に見ると、60代(79.0%)が最も高く、40代(69.0%)が最も低かった。

普段のくらしの中で行っている"サステナブルな社会の実現につながる行動"を聞いたところ、「エコバッグを使う」(69.2%)が最も多かった。次いで、「水を出しっぱなしにしない」(60.7%)、「食べ残しをしない」(59.9%)、「照明をつけっぱなしにしない」(55.5%)、「ゴミはしっかり分別して捨てる」(54.8%)となっている。

年代別にみると、多くの行動で60代が最も高かったが、「マイボトルを持ち歩く」は40代(47.0%)が1位、「運転の際はエコドライブ(低燃費を意識した運転)をする」は50代(41.5%)が1位となっている。「ゴミはしっかり分別して捨てる」では、20代(30.5%)と60代(80.0%)で50ポイント近い差が開いた。

"ESG"は環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字をとったもので、環境問題・社会問題・企業統治に配慮する考え方を意味している。

企業がESGに配慮した取り組みを積極的に行うべきだと思うか聞いたところ、同意する人の割合は、「環境問題(E)」では93.2%、「社会問題(S)」では94.4%、「企業統治(G)」では92.8%と、いずれも9割を超えた。

  • 企業がESGに配慮した取り組みを積極的に行うべきだと思うか

環境問題への取り組みでは、省エネ活動やCO2排出量の削減、社会問題への取り組みでは人権問題への対応や労働環境の改善、企業統治への取り組みでは積極的な情報開示や社外取締役の設置などが具体例として挙げられる。年代別にみると、「環境問題(E)」(98.5%)、「社会問題(S)」(98.0%)、「企業統治(G)」(97.5%)のいずれにおいても、60代が最も高かった。

ESGファンドとは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)に配慮した取り組みに積極的かどうかを投資の判断材料にするファンドのこと。ESGファンドにどのくらい興味があるか聞くと、55.7%が「非常に興味がある」「やや興味がある」と答えた。年代別にみると、ESGファンドに興味がある人の割合は、20代(63.0%)が最も高かった。

  • ESGファンドにどのくらい興味があるか

これまでにESGファンドに投資を行ったことがあるか聞いたところ、85.5%が「行ったことはない」と答えた。「現在行っている」は7.1%、「以前行ったことがある(現在は行っていない)」は7.4%となっている。全体の半数超がESGファンドに興味があるが、実際にESGファンドへの投資経験がある人は7人に1人にとどまることがわかった。年代別にみると、ESGファンドへの投資経験がある人の割合は、20代(26.5%)が最も高かった。

ESGファンドに興味がある人に、ESGファンドへの投資経験をみると、投資を行ったことがある人の割合は22.6%、「行ったことはない」は77.4%だった。ESGファンドに対する興味・関心はあるが、ESGファンドへの投資経験を持たないという人が多い結果となった。年代別にみると、ESGファンドへの投資を行ったことがない人の割合は、40代(89.7%)と60代(88.9%)が高くなっている。

  • これまでESGファンドに投資を行ったことはあるか

ESGファンドへ現在投資を行っている人に、ESGファンドへの投資を行っている理由を聞くと、最も多い回答は「ESG投資が注目されている」(39.4%)だった。次いで「世界のESG投資市場が年々拡大している」(35.2%)、「ESGへの配慮に取り組む企業を応援したい」(33.8%)という回答になった。

  • ESGファンドへの投資を行っている理由

過去にESGファンドへの投資を行ったことがあるが現在は行っていない人に、ESGファンドへの投資を行っていた理由を尋ねると、「ESG投資は環境問題・社会課題の解決につながると思う」(24.3%)が最も高かった。次に多いのは、「ESGへの配慮に取り組む企業を応援したい」「日本政府がESG投資を推奨している」(いずれも20.3%)となっている。

ESGファンドへの投資に興味はあるが投資を行ったことがない人にその理由を聞くと、「ESG投資を始めるきっかけがない」(33.4%)が最も高かった。次いで、「企業のESG活動に関する情報が少ない」(28.8%)、「ESG投資のメリット・デメリットがよくわからない」(23.9%)、「ESG投資の実績や評判、商品情報などを見極めたい」(16.9%)と続いた。

  • ESGファンドへの投資に興味はあるが投資を行ったことがない理由

ESGファンドに興味がある人またはESGファンドへの投資を行ったことがある人に、GSIAが分類しているESG投資の手法を提示し、どの手法を重視したいと思うか尋ねた。最も多い回答は、「サステナビリティ・テーマ投資」(41.7%)となっており、再生可能エネルギーなどサステナビリティ(持続可能性)関連テーマを打ち出すファンドへの投資を重視する人が多いことがわかった。

どのようなESG活動に取り組む企業に投資したいと思うか聞くと、「地球温暖化対策」(39.3%)が最も高くなり、「自然環境の保全」(38.3%)、「省エネルギーの推進」(35.7%)と続いた。"ESG"のうち、"E(環境)"に配慮した取り組みを行う企業を投資対象として魅力に感じる人が多いことがわかった。次いで、「働き方改革」(28.9%)、「地域社会への貢献」(28.6%)、「人権問題への対応」(27.0%)となっている。

  • どのようなESG活動に取り組む企業に投資したいと思うか