ひと頃よりはだいぶ落ち着いたとはいえ、決して予断を許さない新型コロナウイルス禍。将来の雇用や収入など、先行きに大きな不安を抱いている人は多い。

一方で、一般的に必要な老後資金の目安は2,000万円とも3,000万円とも言われている。このような状況の中で、日々貯蓄に励んでいるという人も多いことだろう。

計画的な貯蓄を考えるにあたっては、毎月のお小遣い額の設定はなかなか難しいテーマだ。そこで今回は、 貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース男女会員224人を対象にアンケート調査を実施。「月のお小遣いの金額と、その理由」などを聞いた。

  • 貯蓄1,000万円以上の人の、月のお小遣い額は?

Q.あなたには毎月、生活費以外の自由に使えるお金(お小遣い)がありますか?

「はい」(95.1%)
「いいえ」(4.9%)

Q.月のお小遣いの金額を教えてください

1位「5万円以上」(38.0%)
2位「2万円以上〜3万円未満」(14.6%)
3位「1万円以上〜2万円未満」(13.1%)
4位「5,000円以上〜1万円未満」(10.8%)
5位「3万円以上〜4万円未満」(9.9%)
6位「4万円以上〜5万円未満」(8.0%)
7位「5,000円未満」(5.6%)

Q.その金額をお小遣いを設定している理由を具体的に教えてください(自由回答)

■「5万円以上」

・「必要の範囲内で使っている」(53歳男性/不動産/その他・専業主婦等)
・「給料から家賃とか光熱費とかを引いた額が、この金額くらいになる」(24歳男性/サービス/営業関連)
・「欲しい物以外はなるべく投資に回す」(44歳男性/農業協同組合/技能工・運輸・設備関連)
・「5万円程度に抑え、貯金にいくように努力している」(32歳男性/リース・レンタル/営業関連)
・「今の時代は、将来の年金など老後が心配される世の中だと思います。考えると不安になるので、出来るだけ貯金するようにしています」(45歳男性/その他/専門職関連)
・「いくらでも使おうと思えば使えるし、使わないようにしている契約だから」(46歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
・「旅行が趣味なので、行きたいときに行く」(41歳男性/輸送用機器/IT関連技術職)
・「思いがけない出費があるときには、ストレスなく使えるように」(59歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「夫婦共有以外は自由なので」(50歳男性/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)
・「不測の事態に備えたいので」(58歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「ストレスを溜めないために、出来る限りの金額を使いたいから」(45歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「小遣いは設定しておらず、欲しいものは買っている」(54歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「特にお小遣いは決めず、自由に使えるようにしているから」(46歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
・「設定していない。財産は全て『自由に使えるお金』という認識」(34歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「設定しているわけではありませんが、大体この金額が多いということです。毎月、使い切ることは滅多にありません」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「特に金額は決めていないけど、月5万以上使っても家計には余裕があるから。実際、毎月5万も使わないことが多い」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「特に決まってませんが、使いたいときに使えないのは何のためのお金なのかと。将来ばかり気にしていたら何もできないと感じます」(47歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「特に金額を設定しているわけではありませんし、使わない分貯蓄が増え、趣味の旧車のメンテに利用できると考えています。ただ、忘年会、新年会、歓迎会、送別会等がないため、またコロナ禍における将来への不安から、あまりお金を使わなくなっていることは事実なので、以前と比べ貯蓄額は増えています」(59歳男性/教育/事務・企画・経営関連)

■「2万円以上〜3万円未満」

・「友だちと飲む時に必要だから」(40歳男性/窯業・セラミック/販売・サービス関連)
・「設定はしていないが、大体毎月そのくらいになる」(35歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「何かあったとき用に、財布に入れておきます。減らない限り充当しませんが」(51歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「これ以上を使うときは、必要なときのみとしたいため」(52歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「これ以上使わないように自分に牽制するため」(33歳男性/教育/専門職関連)
・「無駄な使い方をしたくないために、自重できるようにしている」(33歳男性/専門コンサルタント/営業関連)
・「その中から、さらに貯蓄ができそうな額だから」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「毎月少し余る金額にしています。残ったものを貯金に回すため」(38歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「無駄なことには使わないように心掛けて、必要経費を引いた、なるべく最低限の出費で収められるように家計を考えて算出しました」(54歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「一応設定をしておいて、結果使わないことが多いです、使わなかった金額を毎月確認して、銀行に入金せずヘソクリにしています。それが楽しいのです」(49歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)

■「1万円以上〜2万円未満」

・「最低限の金額にしてある」(44歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「無理のない範囲で、趣味を楽しめる金額」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「趣味に費やすお金を極力抑えるため」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「収入から支出を差し引くと、そのくらいになる」(41歳男性/広告・出版・印刷/営業関連)
・「あまり使わないので、これくらいあれば十分だろうという考え」(59歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「なるべく貯金に回したい。無駄遣いをしたくないから」(47歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)

■「5,000円以上〜1万円未満」

・「収入の割合と、実際いるお金を考えて決めた」(49歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「必要最小限のお金があればいいので。あとは貯金です」(48歳女性/食品/営業関連)
・「経験上、この金額が適当であると認識しているので」(54歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「多少は自由になるお金がないとつまらないので、必要最低限」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「あまり使わないので貯金が増えた。タバコをやめたので貯金が増えた」(56歳男性/医療・福祉・介護サービス/メカトロ関連技術職)
・「食べることが好きですが、高級店は行けないのでこれくらいに抑える」(55歳女性/専門店/販売・サービス関連)
・「ミニマリストなので、最小限のお金を最大限に使う方法を考えて生活するだけです」(52歳男性/電力・ガス・エネルギー/営業関連)

■「3万円以上〜4万円未満」

・「趣味と貯金を両立するため」(39歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「不意の出費に対応するため」(38歳男性/専門店/事務・企画・経営関連)
・「貯蓄額が多ければ、現在や将来の選択肢が増えるから」(54歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「貯蓄第一だが、多少は息抜きが必要だと思うから」(41歳男性/通信関連/営業関連)
・「使いすぎないように心がけているから。衝動買いを防ぐため」(59歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
・「社会生活をするうえで、会社の付き合いなどもあり必要な金額だから」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「DVDやBDを毎月買っているので、どうしてもそれくらいは必要になる」(31歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)

■「4万円以上〜5万円未満」

・「趣味にはある程度使いたいから」(54歳男性/総合電機/事務・企画・経営関連)
・「習い事と交通費でお金がかかるから」(37歳女性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「働いて稼いでいるのは自分だし、家事も負担しているから」(42歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「フレキシブルです。決まっていません。0の時もあれば、高額を使う時もたまにあります」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「5,000円未満」

・「なるべく節約を意識しています」(40歳男性/総合商社/営業関連)
・「なるべく貯蓄を増やしたいからです」(33歳女性/その他/販売・サービス関連)
・「娯楽に関する支出は最小限にしたいから」(40歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「急な出費のため」(53歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)

■総評

調査の結果、貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース会員のうち、毎月、生活費以外の自由に使えるお金(お小遣い)があると答えた人は95.1%と、大多数がお小遣いを持っていることがわかった。

月のお小遣いの金額は、「5万円以上」が4割近く、38.0%を集め1位に。以下、2位「2万円以上〜3万円未満」(14.6%)、3位「1万円以上〜2万円未満」(13.1%)、4位「5,000円以上〜1万円未満」(10.8%)、5位「3万円以上〜4万円未満」(9.9%)、6位「4万円以上〜5万円未満」(8.0%)、7位「5,000円未満」(5.6%)の順番となった。

ちなみに、新生銀行が20代から50代の有職者の男女約2,700名を対象に行った「2021年サラリーマンのお小遣い調査」によれば、男性会社員の毎月の平均お小遣い額は3万8,710円、女性会社員では3万4,398円となっている。こちらはあくまでも平均額ではあるものの、比較すると今回の調査で1位となった金額帯の「5万円以上」はかなりリッチな印象だ。

その金額をお小遣いを設定している理由を具体的に聞いた。「5万円以上」では、「特に金額は設定していないが、結果としてこの金額に」というものが目立った。そのほかにも、「必要の範囲内の金額」「給料から生活費などをを引いた額」「ストレスなく使えるように」「夫婦共有以外は自由」など、全体に余裕のある回答が多い。

反対に、「5,000円未満」の少額に抑えている人たちは、「節約を意識」「貯蓄を増やしたい」「娯楽に関する支出は最小限に」など、節約や貯蓄への意識が強い。

「5,000円以上〜1万円未満」「1万円以上〜2万円未満」「2万円以上〜3万円未満」などでは、「必要最小限のお金」「この金額が適当」「無理のない範囲」「収入から支出を差し引くと、このくらい」「毎月少し余る金額」など、あまり無理のない範囲で決めた妥当な金額、という感覚が目立っている。

その中間に位置する「3万円以上〜4万円未満」「4万円以上〜5万円未満」では、「趣味と貯金を両立」「会社の付き合いなどもあり必要」「毎月DVDやBDを買っている」「習い事と交通費」「貯蓄第一だが、多少は息抜きが必要」など、趣味や付き合いに配慮した上で決めた金額であるというコメントが多かった。

今回の調査では、貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース会員のお小遣い額は「5万円以上」が最多と、かなり余裕のある人が多いという結果となった。「5万円以上」は比較的支出額には無自覚で、「5,000円未満」の人は節約や貯蓄を強く意識している。

それ以外の金額帯では、「生活費や貯蓄」と「趣味や娯楽、付き合い」などとのバランスを取りながら、無理なくお小遣い額を設定している。今回は、そんなお小遣い事情がうかがえるアンケート結果となった。

調査時期: 2021年9月9日
調査対象: 貯蓄1,000万円以上のマイナビニュース男女会員
調査数: 224人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません