WOWOWプライムとWOWOWオンデマンドで毎週金曜夜9時30分から放送・配信されている映画情報番組「斎藤工×板谷由夏 映画工房」が、10月に10周年を迎え、10月1日(金)に10周年記念回を放送・配信する。この日は、番組視聴者とオンラインでつなぎ、過去に番組で紹介してきた1,118本以上の作品の中から、視聴者アンケートなどを集計して選んだ「最も心に残った映画」総選挙! を実施し結果を発表する。そして、番組出演者の「今届けたい映画100本」もお届けする。番組MCの斎藤工と板谷由夏に、10年を振り返っての思いや、番組を通じて培ってきたこと、「人狼ゲームだと思って見てもらえれば!」という、この番組の楽しみ方も語ってもらった。

  • 斎藤工(右)と板谷由夏

    斎藤工(右)と板谷由夏
    ヘアメイク:赤塚修二(メーキャップルーム)(斎藤)、JILL 林カツヨシ(板谷)
    スタイリング:yoppy @ juice(斎藤)、古田ひろひこ(板谷)

――「映画工房」が10年続いている秘けつとは?

斎藤工:わりと序盤から「映画工房」チームの相性の良さみたいなものを感じてはいましたが、さすがに10年もやってると、言葉にせずともそれぞれがやるべきことをお互いに理解しあえるというか、自然といい塩梅になってますよね。みんなオンとオフの違いがほぼないんです。楽屋で話している感じと、収録の雰囲気はほぼ同じ。距離感は一緒のままだから。

板谷由夏:もはや、私にとってこのチームは親戚枠なので(笑)。自宅のリビングで映画を観てから、そのままズルっとスタジオに入るような感覚というか、すごくリラックスした自由な雰囲気なんですよね。もちろんみんな映画に対しては熱を持って紹介していますよけど。

――「映画工房」ならではの特徴って、どんなところにあると思いますか?

斎藤:映画のみならずドラマや映像作品の現場や舞台の上を主戦場としている人間が、「この作品をどう観たか」を伝えるところが、番組ならではの切り口に自然となってきたんじゃないかなとは思いますね、普段カメラには映っていない製作スタッフたちの存在を、まさに肌で感じている僕らが届ける番組だというところが、この「映画工房」には必要な視点であるような気がします。そういう意味では、比較的「現場寄り」な映画との寄り添い方になったらいいなと。番組で紹介する映画のなかには、僕らが共演したことのある俳優の出演作や、ディレクションを受けたことがある監督が演出された作品も当然あるわけで。

板谷:役者二人でやっていると、ゲストで監督がいらっしゃると緊張しちゃうんです。

斎藤:そう。まるでオーディションみたい。

板谷:昔からリスペクトしている監督が登場する回だと、本当にガチガチになるよね。

斎藤:青山真治監督回とかね。

板谷:ホント、たまんないもん(笑)!

――この10年間で特に印象に残っている出来事は?

斎藤:僕にとっては、クレイアニメの「映画の妖精 フィルとムー」を生み出せたことですね。WOWOWさんによる全面的なサポートのもと、番組の企画として、映画が観られる環境にない国の子供たちに移動映画館で映画体験を届ける活動を行う「ワールドシアタープロジェクト」とともに、字幕も吹き替えもいらない短篇のクレイアニメを作ったんです。いまだに50カ国くらいの国で「フィルとムー」が観られていて、僕らのところまでお礼状が届いたりするくらい。「映画工房」という番組名にも、何かを無形から有形にしていくという意味があるし、ミニマムなクレイアニメですけど、その後の展開も含めて特に印象に残っています。「フィルとムー」にはこれからももっといろんなところに羽ばたいて欲しい。

板谷:ゼロベースから何かを生み出そうとする工くんの進化の過程を、この10年ずっと近くで見させてもらえたのは私にとってすごく楽しいことで、刺激ももらいました。「フィルとムー」は、「映画工房」が「映画を紹介する番組」という枠から飛び出して、また別のステージに行った感じがあってすごくワクワクしたし、「一緒に挑戦できる仲間がいれば実現できるんだ!」って感動したんです。「出来たら良いね」って口で言うのは簡単だけど、それをちゃんと形にしていくところが、斎藤工の面白さであり、すごさだと思うんですよね。

――10月1日の放送の見どころは?

斎藤:番組を観てくださる方々あっての"10周年"ですからね。一方通行ではなくリモートで視聴者のみなさんと繋がることは、この番組にとってすごく大事なことだと思います。そこでどんな意見が交わされるのか、僕らも楽しみです。「最も心に残った映画」総選挙!の候補作品は1,118本以上あるので、どんな作品が選ばれるのかぜひご注目ください。

――番組を通じてご自身の「映画の観方」が変わってきたと感じる部分もありますか?

板谷:映画に関する知識が増えたことで、つい「このカット要る?」とか、生意気なことを口にしている自分に、ときどきハッとすることはあるかもしれないですね。

斎藤:番組で紹介する前提で観ている映画はどれもそうなんですが、どうしても雑念が入るというか、何らかのフィルターが掛かってしまうものなんです。でも本当に面白い映画と出会ったときは、それすらも凌駕する。そういう意味では逆に映画を観るときの基準になるよね。

板谷:そうなんだよね! 本当にドーンって越えてくるから。

斎藤:だから、むしろバッドコンディションで観た方が、自分にとってのその映画の持つ真価がより如実に分かるというか……。僕は、映画を観ている最中に寝てしまったときは、眠らせちゃう映画の方が悪いと思ってるくらい、観客としては横柄なところがあるんです。

板谷:ハハハ。

斎藤:あとは、スタッフロールの見方はめちゃくちゃ変わりましたね。好きな映画のスタッフさんって、大体同じなんですよ。

板谷:それはあるかもね。

斎藤:ちょっと真面目な話もすると、最近YouTubeなどで1.5倍速で動画を見ているという人もかなり増えてきてはいますけど、だからこそ「余白や余韻を楽しむ」という映画ならではの面白さや、もっと言うと「映画とはどういうものか」みたいなことも「映画工房」という番組を通じてちゃんと伝えていく必要があるような気がします。時代とともに価値観も変わっていきますが、今ならまだギリギリ間に合うかもしれないなと思っているんです。

――お二人はお互いの好みを把握されていると思いますが、どんな共通項がありますか?

斎藤工:予算10億以内。

板谷:それは確実だね。あと、アップ少なめ。

斎藤:日本でいうと、撮影監督の今村圭佑さんみたいな画で……。

板谷:好きだね~。

斎藤:あとはいわゆるミニシアター系。やっぱり、グレタ・ガーウィグとかグザヴィエ・ドランみたいなところにたどり着く。作品が発する“匂い”で、だいたい分かりますよね。

板谷:そうね。その中でもちょっとドロっとした感じというか、「うわ、これ工くんは好きだろうな~」っていう作品も大体分かるようになったかな。

斎藤:いやそれを言うなら僕も「これ、板谷さん絶対好きだろうな」っていうのはすぐ分かるんだけど、裏を返せば、お互いがあまりそそられない作品というのも分かるわけで(笑)。番組としてそれをどう紹介していくのかも、僕らの仕事であると言えるよね。たまに「あとはなんとか編集で良い感じにお願いします!」って、編集スタッフさん頼みの回もあったりするんだけど……(笑)。それこそ、このチーム感で10年やってきたということですよね。

板谷:絶対そうですよ! 番組として成立させるためにすごく編集に助けられてるもん。

斎藤:逆に2年前くらいから「撮れ高OK」というカンペも登場し始めました。僕らが好きな作品を紹介するときは、めちゃくちゃ収録が長くなってしまうんですよ!

板谷:めっちゃしゃべりまくって、止まらなくなっちゃうんです。でも二人とも「ちょっとやばいな、この作品は……」っていうときは、本当にしゃべることがなくて(苦笑)。

――どんなに編集が上手くても、10年越しの番組ファンは見抜いているかもしれません。

板谷:10年観てくれている方たちは、さすがに私たちの表情で分かるでしょうね(笑)。

斎藤:まさに、そこが見どころです! 「映画工房」とは、そこを見抜く考察番組です。本音か嘘か。「人狼ゲーム」みたいなものですよ。

――まさに、俳優としての腕の見せ所ですね!

斎藤:それは確かにそうですね(笑)。

板谷:本当ですよね。そこでちゃんと俳優の腕を見せないと(笑)。


『斎藤工×板谷由夏 映画工房』10周年回は10月1日(金)21時30分より放送・配信。