「若い労働力は安く使える」――そんな前時代的な価値観は、すでに悪しき考え方として見直さなければならないようです。

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ツイッターユーザーでAndroidアプリエンジニアの「ARIYAMA Keiji(@keiji_ariyama)」さんのある問題提起に、多くの注目が集まっています。

内製化したいけどエンジニアが見つからない。来てくれない。って相談を受けたときに「提示する額が少ないんじゃないですか?」と、参考までにぼくの単価を伝えると「若い人ならもっと安い単価でも来てくれると思うんですよ」って言われることがあるんだけど、若い人が安いってのはどういう発想なのか。
(@keiji_ariyamaより引用)

IT業界などは特に、年齢とスキルは一致しません。むしろ、デジタルネイティブな若いエンジニアのほうがスキルが高かったり、知識が最新だったりすることも多々。若いからといって安い単価で仕事を頼めるものではありません。

ARIYAMAさんのツイートは1.2万件のいいねを獲得するほど反響を呼び(9月21日時点)、続々と共感の声も集まっています。

「社会人3年目くらいの開発ガチ勢の子に、みんなが頼りまくってるの見ると技術力と年齢はほんと関係ないなと思います」

「若い=安いと勘違いしている会社ほど、年齢高くて能力無い人に無駄な高給を払ってるあるある」

「若い人じゃなくて、技術と経験がない人なら安い単価で来てくれるかもしれないですね」

「こういう考え方の会社はまだまだたくさんありますよね。。」

「利益が必要なのは分かるけど、もっと技術者にお金出してあげて! って思う時が多々あります」

「給料に関係なく来てくれるくらい魅力のある会社? ってことかな」

「労働時間=能力、だと思ってそう」

やはり「若者は安く雇える」という考え方に対して厳しい意見が大多数のようですね。

今回は、より詳しいお話をツイ主のARIYAMAさんにうかがいました。

――このようなケースは、よくあることなのでしょうか?

よくあることかはわかりません。ツイートでは「相談」とざっくり書いていますが、そもそも「ぼくにお金を支払わないで、相談だけしてくる会社」という括りで見ると、「若い人なら……」と言う話が出てくる確率は高いです。

――「アドバイスをもらうのに相談料はいらない」と考えている会社ということですね。この「若い人=安く雇える」という考え方について、どういう発想が根底にあるとお考えですか?

「経験になるから、実績になるから安くても仕事するだろう」「若者は家族を養っていない場合が多いのでお金がかからないだろう」などと理由付けをしているのかもしれませんね。

とはいえ、安い仕事には(よほど社会的な意義を感じない限りは)スキルの低い人材しか来ないと思います。経験にしても実績にしても、それを提供できる会社であれば「若いから……」という発想はまず出てこないように思います。

――ARIYAMAさんはこのような扱いを受けた経験はありますか?

ぼくも会社を始めてすぐの頃に、一日働いて5000円みたいなこともあったので、あると言えばあります。当時、ぼくを紹介した人と依頼主との間にどのようなやりとりがあったのかな……と、想像することはあります。


年齢や性別、国籍に関わらず、能力に見合った対価がしっかり支払われる。そんな風通しのいいフェアな社会が早く訪れてほしい。そう考えさせられる指摘でした。