夏の終わりはアイスクリームが美味い。その理由は大きくわけてふたつあるように思う。ひとつは、暑くて仕方がない真夏よりも、気持ちに余裕を持ちながらアイスクリームを味わえるということ。もうひとつは、秋を感じる期間限定アイスクリームが各社から販売されること。このふたつの条件を満たした今こそ、1年間で最も美味しくアイスクリームが味わえる時期なのだ。

そんな仮説に基づいて、今回はこの時期に味わいたい注目商品をご紹介。いやホント、残暑の中で味わう秋のアイスクリームは別格ですぞ。

「ロッテ ワッフルコーン 紅はるか」(ファミマ限定)

ファミリーマートは現在、「ファミマのお芋掘り」なるフェアを実施している。さつま芋味のお菓子やスイーツ、ドリンクをファミマ限定で数種類展開しているのだが、この中で注目したいのが、ロッテの「ワッフルコーン 紅はるか」(268円)というワッフルコーンアイスだ。

九州産の紅はるかのペーストを使用したソフトクリームタイプで、考えてみればさつま芋のソフトクリームというのもなかなか珍しい。

その味はしっかりさつま芋の香ばしさが感じられてとても美味しい。舌触りはクリーミーでなめらか。ほっくりした甘みがナチュラルで素晴らしい。

SNSでも人気の商品だが、中には「さつま芋感はそんなに強くない」という評価もあるようだ。確かに、丸ごとさつま芋を食べているかのような濃厚さを期待しているのだとしたら、少しイメージとは違うかもしれない。しかし、紅はるか風味のソフトクリームだと考えれば、見事なバランスで作られていると思えるはずだ。

このワッフルコーンもクオリティが高い。大胆なザクザク食感があり、小麦粉の一部に全粒粉を使用しているとだけあって、小麦の風味にも優れている。

フェアは9月27日までで、商品はなくなり次第終了とのこと。すでに品薄状態になっている地域もあるようなので、気になる方はお早めに。

森永製菓「あいすまんじゅう 和栗」

続いては森永製菓の「あいすまんじゅう 和栗」(151円)。毎年この時期のみ販売される人気のアイスクリームが、今年もお目見えした。ちなみに、通年販売されているノーマルタイプの「あいすまんじゅう」の初登場は1962年で、すでに発売開始から約60年近いロングセラーだ。

そんな老舗の出す和栗味は若者人気も高い。実際、これが他にはなかなかない味わいで実に美味しい。

アイスクリーム部分に国産の栗を贅沢に使用しているそうで、食べてみると上品な栗のフレーバーと甘みが口いっぱいに広がる。バニラアイスがベースになっているので、「マロン・ラテ」のようなイメージとでも言おうか。なめらかな舌溶けもとても上品である。

もちろん、中にはあんこがギッシリと詰められている。言うまでもなく、和栗のアイスクリームとあんこの相性は抜群で、もはや見事と言う他ない。アイスクリーム部分に白あんを練り込むという工夫も、味に統一感を感じさせる理由だろう。

あんこも相変わらず絶品。きっと、この60年の間にいろんな改良が重ねられてきたんだろうなぁ。

ハーゲンダッツ バー「マロンタルト」

王者・ハーゲンダッツの期間限定アイスクリームバー「マロンタルト」(319円)もマストでチェックしたいところだ。先ほどの「あいすまんじゅう 和栗」とはまた違った栗の風味が楽しむことができる上に、いろんなコンビニやスーパーで幅広く取り扱われているから入手も楽チン。

先に構成を伝えておくと、アイスクリームの表面はラム酒の入ったマロンチョコレートでコーティングされており、そこにタルトクッキーも散りばめられている。アイスクリームはカスタードベースになっていて、その中にはアルコール度数0.2%のラム酒が配合されたマロンソースが詰めこまれている。

一口食べてみると、その別格ぶりについウットリ。表面部分はクッキーのサクサク食感とコーティングされたチョコレートのパリパリ食感が同時に楽しめる。中のカスタードアイスクリームは上品かつ濃厚で、実にまろやか。

中心部にはマロンソースがたっぷりと入っており、ラム酒のカラメルのような芳醇な甘みがしっかりと効いている。とても贅沢な、大人なマロンの味わいだ。これはぜひ、販売されているうちに味わっておくべし。

井村屋「ごろろん果肉 アップルパイバー」

これについては深くは語るまい。彗星のごとく登場し、早くも“今年の顔”と言っても過言ではないほどバズりにバズっているのが井村屋の「ごろろん果肉 アップルパイバー」(151円)だ。

アップルパイを丸ごとに近い形でアイスクリームに落とし込んでしまうとは……。今までありそうで誰も思いつかなかった、近年稀に見る大発明である。

味わいはまさにアップルパイそのもので、味の要となっているりんごソースには、りんご果肉、国産りんごピューレ、シナモン、パイ生地が配合されている。表地のアイスクリームはカスタード味で、いずれもリアルにアップルパイで使われている素材で構成されている。そりゃあ再現度も高いわけだ。

りんごソースは甘酸っぱく、これをカスタードクリームの甘さがマイルドに中和。ものすごく好相性である。りんご果肉はシャキシャキした食感が残っており、しかも量もなかなか凄い。調べてみると、ソースの約3分の1がりんご果肉で構成されているらしい。う〜ん、これは贅沢。味も本当に美味しい。

この時期、店頭に並ぶアイスクリームはどれも粒ぞろいだが、やはり食べたときの驚きや感動で言えば「ごろろん果肉 アップルパイバー」が頭ひとつ抜けている印象だ。ネットでバズリまくるのも納得。アップルパイバー旋風はしばらく勢力を保ったまま全国に吹き荒れるだろう。

一方で、さつま芋や栗といった秋の味覚を使ったアイスクリームも、どれも絶品でハズレなし。残暑が感じられるうちに、気になるアイスクリームを存分に楽しもう!!