JR東海は8日、在来線における電動式軌道自動自転車の試験導入について発表した。地球環境保全をはじめとする持続可能な社会の実現に向け、在来線で線路設備等の安全点検を行う際に使用する軌道自動自転車の電動化の開発に取り組み、今後の本格的な導入をめざし、紀勢本線で性能確認試験を開始しているという。

  • 電動式軌道自動自転車

電動式軌道自動自転車は、ガソリンエンジンで走行する従来型に対し、バッテリーからの電力により電動機を駆動させて走行するため、排気ガスを出すことがない。在来線部門で保有する全207台を電動式に取り替えた場合、年間約3.4トンのCO2を削減できるという。

騒音と振動が大幅に低減することで、指令所などとの情報の共有がしやすくなるほか、点検中の設備や沿線状況の変化を把握しやすくなる。ブレーキ時に発電する回生ブレーキ機構を有することで走行距離を延ばすことができ、エネルギーの有効活用も行えるとしている。使用するバッテリーは国産電気自動車のバッテリーを再利用することで、資源を有効に活用する。

  • 動力機構の違い

性能確認試験では、雨期・酷暑期・厳冬期などにおける走行性能への影響の検証、長期間の繰返し使用による走行可能距離や使用可能時間への影響の検証、回生ブレーキの走行距離延伸効果の確認を行う。2021年7月から試験導入し、2022年3月まで性能確認試験を行う予定としている。