お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が、5日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)に出演し、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」を審議の対象とすると発表したことについてコメントした。

松本人志

意見を求められた松本は、「僕なんか腹立つのは、腹が立つというか……」と切り出し、「すぐに『ダウンタウンの番組は大丈夫なのか』とネットニュースが煽るわけよ。別にBPOさんはダウンタウンのことなんか何も言ってないのに」と吐露。「BPOとダウンタウンのVS構造を作ろうとする世の中に腹が立つのよね。年末の『笑ってはいけない』はどうなるんだっていうんやけど」とその内容に触れ、「いやいや。むしろ俺は、それに関してはBPO側やからね。受ける側だから。俺もやめてほしいよ! 頑張れBPO!って俺は思ってますからね。なんだこのねじれ現象は。不思議なんですよ」と不満を漏らした。

その上で、「バラエティって幕の内弁当みたいなものじゃない? バラエティっていうぐらいですから。その部分の中のその要素はわりとメインディッシュみたいなときもあったりするから、結構ボリューム感はなくなっちゃうかなと思いますね」と“痛みを伴う笑い”が制限されることの影響も推測。

この日、東野幸治の代役でMCを務めた田村淳が、「いよいよこういうことをテレビ番組として議題で扱って、僕もそうですけど松本さんも含めて、こういうことを話し合う時代が来るなんて、テレビ入ったときには夢にも思ってなかった。でも、そういう声があるということには耳を傾けなければいけない」と主張すると、「もちろんもちろん」と同調した。

一方で松本は、「なんでバラエティだけ言われるのかなというのはありますよ。それを言い出したら、プロレスなんかアウトじゃん。プロレス中継は絶対にダメ、となる。ドラマも人が死んだり食べ物を粗末にしたりするんですけど、ドラマは言われないんですよね」とバラエティだけが対象となることに疑問も。

「何でもありになると、実は面白いことってできにくくて。ルールがある程度あって、そのルールのギリギリをわれわれが攻めて面白くしたいなと思うんですけど、前OKやったことが『やっぱりそれもダメ』みたいに後から言われることがあるから、これはどこまでいくのかなとは思いますね」と危惧し、「願いが叶うなら、僕をBPOに入れて頂きたい」と要求して笑いを誘った。

「僕は本当にいいんですよ。数年で辞めるので。でも、この後出て来る人たちのことを考えると、やっぱり選択肢は広い方がいいのかなと」と発言の真意を明かした松本。「芸人が一筆書くのはどうですか? 『僕はドッキリされても、痛みを伴っても大丈夫です』って。事務所で毎年1回ぐらい。テレビを見ているお父さん、お母さんは『この人たちはサインした人たちだから』『みんな納得してやってるんだ』って」と提言し、「でも、意外とクロちゃんはサインしないかもしれない」と再び笑いを取りながらこの話題を締めくくっていた。