スマートフォンの普及により、スマホ1台で支払いができるスマホ決済の需要が高まっています。それにともない、さまざまな種類のスマホ決済アプリが登場しました。

本記事では、スマホ決済の種類についてご紹介します。また、支払い方法や現在利用できる主要なスマホ決済アプリの特徴についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

  • スマホ決済とは? 大きくわけて2種類ある

    スマホ決済の決済方法や種類を解説する記事です

スマホ決済とは? 大きくわけて2種類ある

まずは、スマホ決済の種類について解説します。スマホ決済は「非接触型決済(非接触IC決済)」と「QRコード決済(バーコード決済)」のふたつに分けられます。

スマホ決済とは

スマホ決済とはクレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイドカード)と並び、現金を持ち歩かなくても会計できるキャッシュレス決済の一種です。クレジットカードや電子マネー情報をあらかじめ決済サービスに登録することで、利用できるようになります。

電話やメッセージ、ネット閲覧などで日頃から使用するスマホで会計ができます。2019年10月に経済産業省がスタートさせた「キャッシュレス決済に対するポイント還元制度(消費者に最大5%のポイント還元)」により、スマホ決済に対応した店舗も増えました。

非接触型決済(非接触IC決済)

非接触型決済(非接触IC決済)とは、スマホに搭載している近距離無線通信技術(NFC、FeliCa、Bluetoothなど)を利用した決済方法です。店舗側のICリーダーにスマホをかざすと情報が読み取られて会計が完了します。

モバイルSuicaや楽天Edyなどが、非接触型決済(非接触IC決済)です。

QRコード決済(バーコード決済)

QRコード決済とは、株式会社デンソーウェーブが1994年に開発したQRコードを使った決済方法です。縦と横の線を組み合わせた二次元コードを使用します。店舗側のQRコードをユーザー側のスマホで読み取ったり、ユーザー側のQRコードを店舗側のスキャナーで読み取ったりすることで会計が成立します。

ユーザー側のQRコードには縦線のバーコードも合わせて表示されることがあり、どちらをスキャンするかは店舗によって異なります。

PayPayや楽天ペイ 、LINE PayなどがQRコード決済(バーコード決済)です。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

  • スマホ決済とは? 大きくわけて2種類ある

    「非接触型決済(非接触IC決済)」と「QRコード決済(バーコード決済)」があります

スマホ決済の引き落としのタイミングは3通りある

スマホ決済の引き落としのタイミングには、前払い・即時支払い・後払いの3通りがあります。どのタイミングになるかは、スマホ決済アプリによって異なります。

前払い:あらかじめお金をチャージしておく

前払いとは、スマホ決済アプリにあらかじめお金をチャージ(入金)しておく支払い方法です。チャージしていなかったり残高が足りなかったりすると、支払いが成立せずエラーが発生します。

エラーが発生したときはその場で追加チャージが可能です。また、オートチャージ機能によって残高が少なくなったときに自動でチャージできる決済アプリもあります。

前払いは自分でチャージする手間が発生するので、お金の使い過ぎを防止できるメリットがあります。(オートチャージ機能を除く)

即時支払い:利用と同時に銀行口座から引き落とし

即時支払いとは、スマホ決済と同時に、支払い方法として登録していた銀行口座やデビットカードから利用金額が引き落としされる方法です。

銀行口座の残高の範囲で利用できるため、前払いと同じくお金の使い過ぎを防止できます。ただし、事前に銀行口座の残高を把握しておかないと残高不足で支払いが成立しません。

後払い:毎月決まった日にまとめて引き落とし

後払いでは、スマホ決済の利用金額が、毎月決まった締め日に引き落としされます。スマホ決済に登録した利用金額の引き落とし先がクレジットカードの場合は、カードの締め日によって引き落とし日が決まります。

クレジットカードの限度額の範囲で利用できるため、銀行口座に残高がなくても会計できます。ただし、使い過ぎないように自分で注意をする必要があります。

  • スマホ決済の引き落としのタイミングは3通りある

    スマホ決済は前払い・即時支払い・後払いの3通りで引き落としされます

主要なスマホ決済アプリの一覧・特徴

現在、日本で利用できるスマホ決済は多数存在します。ここでは、スマホ決済ができる主要アプリの特徴をご紹介します。

非接触型決済(非接触IC決済)を使ったスマホ決済アプリ

まずは、非接触型決済(非接触IC決済)で会計できるスマホ決済のポイント還元率や特徴をみてみましょう。

名称 ポイント還元率 引き落としのタイミング 入金・引き落とし先・支払い方法 特徴
Suica

0.5%〜

【JR東日本在来線に乗車など】
50円につき1ポイント

【加盟店】
100円または200円につき1ポイント

前払い
後払い
現金
クレジットカード
JRE POINT

・全国の公共交通機関で使える

・加盟店標識がない店舗ではポイント還元されない

楽天Edy

0.5%〜

【加盟店】
200円につき1ポイント

前払い
即時支払い
後払い
現金
銀行口座
クレジットカード
楽天ポイント、ほか
・還元率1.0%(200円につき2ポイント)になる、ポイントプラス加盟店がある
nanaco

0.5%〜

【加盟店】
200円につき1ポイント

前払い
後払い
現金
クレジットカード
nanacoポイント、ほか
・セブンイレブンなど対象店舗で対象商品を買うと、ボーナスポイントがもらえる
QUICPay なし 前払い
即時支払い
後払い
クレジットカード
デビットカード
プリペイドカード

・QUICPay独自のポイントはない

・引き落とし先のカード会社のポイントが貯まる

※2021年7月2日時点の情報です。

QRコード決済(バーコード決済)を使ったスマホ決済アプリ

次は、QRコード決済(バーコード決済)で会計できるスマホ決済のポイント還元率や特徴をご紹介します。

名称 ポイント還元 引き落としのタイミング 入金・引き落とし先・支払い方法 特徴
PayPay 0.5%〜 前払い
即時支払い
後払い
現金
銀行口座
クレジットカード、ほか

・不定期でポイント還元キャンペーンを実施

・ヤフーカード以外のクレジットカードは、PayPayポイントが貯まらない

楽天ペイ 1.0%〜 前払い
即時支払い
後払い
銀行口座
クレジットカード
デビットカード
楽天ポイント、ほか

・楽天の期間限定ポイントも支払い方法として選べる

・楽天カード以外のクレジットカードは、楽天ペイポイントが貯まらない

LINE Pay 0.5%〜 前払い
即時支払い
後払い
現金
銀行口座
クレジットカード
プリペイドカード
・対象クレジットカード以外の利用はLINEポイントが貯まらない
d払い

0.5%〜

【実店舗】
200円につき1ポイント

【ネット】
100円につき1ポイント

前払い
即時支払い
後払い
現金
銀行口座
クレジットカード、ほか
・不定期でポイント還元キャンペーンを実施
au PAY

0.5%〜

【加盟店】
200円につき1ポイント

前払い
即時支払い
後払い
現金
銀行口座
クレジットカード
Pontaポイント、ほか
・Ponta提携社でPontaカードを提示して買い物すると、Pontaポイントがダブルで貯まる
メルペイ なし 前払い
即時支払い
後払い
現金
銀行口座
バーチャルカード
メルカリポイント
メルカリ売上金

・基本的にメルペイ決済でポイントは貯まらない

・不定期でポイント還元キャンペーンを実施

※2021年7月2日時点の情報です。

  • 主要なスマホ決済アプリの一覧・特徴

    スマホ決済によってポイント還元率や特徴は異なります

決済方法・引き落としのタイミング・ポイント還元率などで選ぼう

スマホ決済はICリーダーにスマホをかざす「非接触型決済(非接触IC決済)」とQRコードを読み取る「QRコード決済(バーコード決済)」に分けられます。また、引き落としのタイミングが前払い・即時支払い・後払いの3通りあり、いずれを選べるかはスマホ決済アプリによって異なります。

現在、日本で使えるスマホ決済アプリはかなり種類が多いですが、主要なものはこの記事で紹介した10種類です。ポイント還元率や入金(支払い)方法、特徴を把握して、自分に合うスマホ決済アプリを見つけるといいでしょう。

内閣府大臣官房政府広報室「キャッシュレス決済に対するポイント還元制度のこと