『おかえりモネ』では、震災後も地元で街のために力を尽くそうとする人、地元を一度離れる人など、さまざまな立場の若者が描かれる。航基自身は俳優を志して以降、東京を拠点に活動しているが、地元・大阪に対してどんな思いを感じているのか。

「僕自身は生まれも育ちも大阪で、東京へ出てきてもう8年ぐらいになりますが、こっちに出てきた当初はやっぱり寂しかったです。地元ロスというか、空気も違うし、よく言う表現だと“水が違う”と感じて、すごくしんどい時期がありました。でも、やっぱり人って慣れる生き物で、その後すぐに『別に東京でもやっていける』と思ったりもしました」

そんな航基だが、上京して3~4年経ったあとに帰省した時、郷愁をかみしめた瞬間があったそうだ。「毎年、大阪に帰ってはいたんですが、たまたま地元の阪急電車に乗った時、周りが全部、大阪弁だったことに涙したことがあって。ああ、こういうのが地元なんだなと思ったんです」

そして航基は、三生役を演じたことで、地元の良さを再確認できたと言う。「『おかえりモネ』の劇中でも描かれますが、地元に貢献するとか、地元で働くのが偉いとか、そういうことにとらわれるのではなく、自分が帰りたくなった時に味方でいてくれるのが地元の空気だったり、育ててくれた親、おじいちゃん、おばあちゃんとか、一緒に育った友達だったりするのかなと思ったんです。そういう心のよりどころとして、いつもドーンといてくれるのが地元なのかなと」

8月30日から始まる第15週では、東京にいるモネと明日美(恒松祐里)、上京してきた妹の未知や同級生の亮(永瀬廉)、仙台から駆けつけた三生と悠人(高田彪我)という同級生6人が久しぶりに集結する。そして、それぞれが、東日本大震災の日から抱えてきた思いをぶつけ合っていくようで、三生自身の心の内も明かされるそうだ。そして今後、三生は寺を継ぐのか?今後の動向にも注目したい。

■前田航基(まえだ・こうき)
1998年12月13日生まれ、大阪府出身。子役としてデビュー。2007年に弟の旺志郎とお笑いコンビ・まえだまえだを結成し、芸人としても活動。2011年に映画『奇跡』で弟と共に映画主演を務める。主なドラマ出演作はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17)、『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(18)、映画は『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(15)、『ハルチカ』(17)、『人狼ゲーム ラヴァーズ』(17)、『町田くんの世界』(19)、『任侠学園』(19)、『キネマの神様』(21)など。

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