広告の媒体にはさまざまな種類があり、それぞれ独自の特徴があります。インターネットの普及により、広告の媒体はさらにバラエティ豊かになりました。

効果的な広告を打つには、媒体の特徴を理解することも重要です。今回は広告の媒体の主な種類や利用するメリットなどについて解説します。

  • 広告の媒体とは? 代表的な媒体の種類と特徴について解説

広告の媒体とは

媒体とは一般的に、あるモノとあるモノの間に仲立ちして媒介することです。たとえば感染症に関して、蚊やコウモリなどが媒体となり、ウイルスとヒト・動物の間を媒介します。

広告の媒体という場合は、広告や情報伝達を媒介する方法のことを意味します。具体的にはテレビ、ラジオ、インターネットなど。

それぞれの媒体には特徴があり、広告を出す際には媒体の特徴も考慮する必要があります。

広告の媒体は大きく分けると3種類あり、マス媒体、インターネット媒体、SP媒体です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

インターネット媒体の広告

3種類のなかで、近年市場規模が拡大している媒体です。 若年層のテレビ離れ、映像配信サービスやSNSの普及などさまざまな要因が挙げられます。

インターネット媒体のメリット
・マス媒体に比べて制作費用が安い
・データを取得できるので広告の効果検証がしやすい
・ターゲティングがしやすい
・多種多様な広告の種類がある

インターネット媒体のデメリット
・広告スペースが限られている
・クオリティが低いとクリック率などが低下する

インターネット媒体で利用される代表的な広告は下記のとおりです。

1.バナー広告(純広告)

サイト内の決められたスペース(広告枠)に表示する広告です。多種多様なメディアで使われており、インターネット媒体の代表的な存在とも言えます。

ユーザーの多い媒体に広告を掲載すれば、多くのユーザーからの認知を高めることができます。ただし有名なサイトでは広告枠が高額なこともあります。

2.リスティング広告

Googleなどの検索エンジンにて、検索キーワードにマッチした広告をテキストで表示するものです。

検索結果画面の上部に表示されるので視認性は高く、自社のサイトをSEOで上位表示させなくても利用できるのがメリットです。

注意点として、「広告」と画面にハッキリ表示されるので、広告そのものに興味のないユーザーからは敬遠される点が挙げられます。

3.SNS広告

InstagramやTwitterなどに流す広告のことで、ターゲティングがしやすいのがメリットです。SNSに蓄積されたユーザーデータから、たとえば20代男性向けに広告を表示させるといったこともできます。

ある程度カジュアルな表現もしやすいですが、炎上のリスクがあるため、文章やデザインには充分な注意が必要です。

4.動画広告

YouTubeなど動画配信サイトで流す映像広告のことです。インターネット媒体における広告のなかでも、近年特に伸びています。

音声とアニメや図解などが加わることで、テキストより伝える情報が多く、商品やサービスの内容が伝わりやすいのがメリットです。その一方、制作費用が多くかかること、スキップ機能によって視聴されない可能性があるのが注意点です。

マス媒体の広告

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の4大媒体のことをマス媒体と言います。

マス媒体のメリット
・不特定多数の幅広い人に発信できる
・一定の信用性がある
・高齢者にも届きやすい

マス媒体のデメリット
・広告費用が高い
・効果検証がしにくい

どのマス媒体もインターネットの拡大に押されている状況ですが、それでも依然としてさまざまな分野の広告で使われています。

1.テレビ

マス媒体で最大の市場規模のある媒体です。動画広告と同様、分かりやすくインパクトの強い映像を流すことができ、多くのユーザーに発信できるのが特徴です。

デメリットは制作費用や広告枠の高さで、制作費用は70万円程度、東京のキー局でCMを流す場合は1回あたり数十万円~100万円ほどかかるとされています。

2.ラジオ

音声だけで情報を伝える媒体です。放送エリアが比較的狭く、広告枠もテレビより安いので、ローカルなプロモーションにも適しています。

ラジオ視聴を習慣にしているユーザーも多いので、特定のユーザーに繰り返し広告を発信できるのもメリットです。その一方、商品やサービスの内容を音声だけで的確に伝える難しさがあります。

3.新聞

紙媒体の代表格の1つが新聞で、広告欄も設けられています。新聞広告は中高年のユーザーを獲得できること、テレビCMよりは割安で掲載できるのがメリットです。

また新聞の広告欄に掲載するのではなく、折り込みチラシとして新聞に挟んで配る方法もあります。配布エリアに応じて、ある程度ローカルなプロモーションもしやすいです。

ただし若年層には届きにくいこと、読者数は長期的に減少傾向にあることが要注意点です。

4.雑誌

さまざまな記事や写真が掲載される定期刊行物です。ファッション、マンガ、文芸、ビジネス、スポーツ、映画などさまざまなジャンルがあります。

雑誌広告はマス媒体のなかではターゲティングがしやすいです。情報を届けたいユーザーをペルソナなどで想定し、適切な雑誌を選びましょう。

ただし雑誌も長期的には減少傾向にあり、読者はWEB媒体へ移行しています。また広告に関しては審査もあるので、購読者層や雑誌のイメージに相応しくないものは掲載できません。

SP媒体で使われる広告

SPとはSales Promotionのことで、販売促進の目的で使われる媒体のことです。具体的にはチラシや交通広告など。

SP媒体のメリット
・比較的コストが低い
・ターゲティングがしやすい

SP媒体のデメリット
・効果検証をしにくいものもある
・セールス要素が強くなりがち

SP媒体はマス媒体よりも多種多様で、紙からデジタルサイネージまでさまざまなものがあります。なかでも代表的な広告について見ていきましょう。

1.チラシ

ポストに届くチラシは、消費者にとっても身近なSP媒体の1つ。製作費が安く、デザインやサイズなどを比較的自由に決められるのがメリットです。

ただしチラシは読まれないことも多いため、数多く配布しないと効果は見込めません。

2.DM(ダイレクトメール)

既存の顧客に対して送付する手紙で、キャンペーンや最新情報を伝えるために活用されます。封書・はがき・手書きの手紙などを利用します。

たとえばクレジットカード会員に対し、保険の優遇加入を案内する封書などがDMの代表例です。既存顧客に対する案内なので、受け取る側の抵抗感は少なく、効果測定も容易にできます。

その一方で顧客の趣味嗜好やライフスタイルに合った提案でないと高い効果は見込めません。

3.交通広告

電車・バス・タクシーなど交通機関内で使用する広告です。同じ電車やバスを利用する人は繰り返し見ることになるため、記憶に残りやすいのがメリットです。また、電車の場合は駅構内や中吊り窓横のポスター、ドアガラスステッカー、デジタルサイネージなど様々な箇所に掲載できます。

ただし広告の効果測定が難しいこと、掲載まで時間がかかるのが注意点として挙げられます。

4.屋外広告

外で見かける看板などの屋外広告も、SP媒体の1つです。近年ではデジタルサイネージを使った広告も増えてきました。

視認性が高く、設置場所によりターゲティングができるのがメリットです。その一方で効果測定は難しく、景観を保つための法規制により表現内容に制限があります。

5.POP

商品の売り場で掲示される広告で、スーパーやドラッグストアなどでよく見かける広告です。

商品内容のレビューや店員の声などを加えることで、商品についてさらに魅力的な発信ができます。またコストも比較的低く、継続的に実施するのも簡単です。

しかしPOPの表現には独特なテクニックやノウハウが必要なので、専門知識や経験のある人が担当するのが望ましいです。


代表的な広告媒体として、インターネット媒体・マス媒体・SP媒体をご紹介しました。

近年では、インターネット媒体の拡大とともに、TV・新聞・雑誌のマス媒体はインターネット媒体もそれぞれがもつようになり、 インターネット媒体とマス媒体を合わせて広告を掲載するケースも出てきました。

各媒体の広告の種類やメリット・デメリットなどを把握することで、効果的な広告出稿が可能となります。