舞台『フォーティンブラス』の公開ゲネプロが19日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて行われ、戸塚祥太、能條愛未、矢島舞美、内博貴、中屋敷法仁(演出)が取材に応じた。

  • 左から矢島舞美、能條愛未、戸塚祥太、内博貴、中屋敷法仁

    左から矢島舞美、能條愛未、戸塚祥太、内博貴、中屋敷法仁

横内謙介が1990年に書き下ろした同作は、劇団善人会議(現:扉座)で初演された後、多くの俳優たちによって幾度となく演じ継がれてきた。「フォーティンブラス」とはシェークスピアの代表作『ハムレット』の中に登場するノルウェーの王子の名前で、長いハムレットの物語の中で2回だけ登場するこの「脇役」にスポットライトを当てた物語となる。取材に登場した4名のキャストのほか富岡晃一郎、納谷健、吉田美佳子、新原武、吉田智則らが出演している。

同じ年で気心が知れた仲だが初共演となる2人は、よくプライベートで食事にも行き「いつか外部の舞台とか一緒にやれたらいいね」と話していたという。戸塚は「スイッチが入る内を1番の特等席で見れる。やっぱり内って、圧倒的主役感があるんですよね」と絶賛し、内は「やめろやめろ! ハードル上げるな」とツッコミ。「もうハムレットにしか見えない!」と続ける戸塚に、内は「やめろ、終わってからにしてくれ!」と要請したが、戸塚は「内って結構『やめてくださいよ』みたいにぼやいたりもするんですけど、ちゃんとやるんですよね。そこが好きなんです」と明かした。

内は戸塚の芝居について「錦さん(錦織一清)イズムも継いでるなと感じ、見てるとちょっと錦さんに見えてきたり」と表す。その流れで錦織から贈られた楽屋のれんの話になった内は「すごいかっこよくて、真っ白で『錦織一清より』と書いてるんですけど、僕の名前書いてないんですよ。錦さんらしいでしょ?」と説明。一方の戸塚は「今回、シアターコクーンさんからお借りしました。特にないです、誰かからとか」と驚きの発言。戸塚は「(今回演じる)武年は端役なので、絶対(楽屋のれんを)持ってないです。デニーロ・アプローチでやってるので」と役作りにかける意気込みを見せた。

また、演出の中屋敷からは「この4名に関しては、元々大ファンというか、もう好きなので、どうしたらこの4人からいい油が採れるかなとずっと考えています」とキャスト陣についての話も。「戸塚くんは絞れば絞るほど、いい油が出るんですよ、俳優の油が。だから戸塚くんのごま油をたくさん出す。内くんはオリーブオイルをたくさん」と独特の表現で周囲を感心させる。

そんな中屋敷に内は「僕は、稽古に入ったとき、とっつーと中屋敷さんがデキてると思ってたから。仲が良すぎて」と爆弾発言。「好きだからね」と納得する中屋敷に、内からは「『次の日来れない』という日に、稽古場でとっつーと抱き合ってるのを見てる。2人で抱き合ってて、あれ、これチューするんじゃないか? と思ったけど、さすがにチューはしなかった」と目撃談も飛び出す。しかし戸塚は「(チューは)できないですね。そこはやっぱり五関晃一がいるんで……」と、複雑な人間関係のようだった。

公演はBunkamura シアターコクーンにて8月19日~29日。