フリーアナウンサーの青木源太が10日、自身初の著書『口ベタな人ほどうまくいく たった1日で会話が弾む! 話し方のコツ大全』(宝島社 1,500円)を上梓した。自身が日本テレビのアナウンサー時代に得た経験、エピソードをふんだんに盛り込み、口ベタな人でも今すぐに実践できる、会話が弾む方法、相手にきちんと伝える方法を80以上紹介している。

今回のインタビューでは、青木がアナウンサーとしてこれまで一緒に仕事をしてきた様々なタレントにまつわるエピソードや、一視聴者としてテレビを観ていて「聞く力」が凄まじいと思った人物について聞き、優れたコミュニケーションとは何なのかを紐解いていく。

  • 青木源太 撮影:島本絵梨佳

■櫻井翔の謙虚な姿勢がもたらす影響

――著書の中では、V6の井ノ原快彦さんや関ジャニ∞の村上信五さんなど、ジャニーズの方についても触れられています。無茶振りになってしまうのですが、著書には今回登場していないけど、コミュニケーションが印象的だったという人を教えていただきたいです。

櫻井翔さんって、若いスタッフの方に対しても、ものすごく謙虚なんです。だから、櫻井さんに謙虚な姿勢で接してもらったスタッフさんはもちろん、その姿を見ている人も「自分もちゃんとしなきゃ」と思う。櫻井さんと若いスタッフさんの間のコミュニケーションだけに終わらず、実は周りの人にも影響をもたらしているんだなって。

立場に関係なく、“人と人”として礼節を持って接する。当たり前の事ですが、櫻井さんくらいの立場になってもそれをきちんとやられている事が改めて、すごいなと。私もそういう人でありたいなと思います。

――櫻井さんの謙虚な姿勢が、双方向のコミュニケーションに止まらず、周りにも良い影響を与えているのですね。

櫻井さんと一緒に仕事をした人はみんな同じ事を言いますね。それを伝え聞いて、そうなんだよ〜! と、なぜか私が悦に浸るという(笑)。コミュニケーションは双方向のものではなく、周りにも影響を与えるものだと思います。

■マネできない芸人の天才的なスキル

――本を拝読している時にも思ったのですが、コミュニケーション能力というものは奥深いですね。テレビに出ている芸人さんのように、とにかく話す力が秀でている人が「コミュ力がある」というイメージでした。

芸人さんは皆さん、本当にすごいと思います。私たちアナウンサーはある程度の台本があって、用意されたものを滞りなく進めていくというスキルなのですが、芸人さんはアナウンサーのような特別な準備も特になく、ひな壇に座って、ガッポガッポ笑いをとって帰っていくという、めちゃくちゃかっこいい人たちです。

――あんな風になりたいなと思う一方、特別なスキルなのかなという諦めもあって。

そうですね。マネできないという面もありますし、マネすると危険な部分もあると思います。例えば“イジリ”は、芸人さん同士の高度な認め合いのもとに生まれているからこそ、面白いものになる。だから、“こういう風にイジれば、自分でも成立するんだ”とは思わないようにしています。そのくらい芸人さんは天才的。芸人さんの中でも、テレビに出られている人は本当に一握りの方々ですからね。