――第25章から玲花は煙の剣士・仮面ライダーサーベラに変身し、他の剣士たちを圧倒する強さを見せました。仮面ライダーに変身する話は当初から聞いていたのでしょうか。

はい。「仮面ライダーになる役です」と言われていました。でも、初登場からサーベラに変身するまで、かなり話数があったじゃないですか。黒い衣装でいるときはひたすら暗躍しているだけで、Twitterとか見ていても「この人は変身するのか、しないのか」けっこう騒がれていたんですよ。「そうそう!変身するんだよ」って言いたかったんですけれど、今はまだ言えない……と、もどかしい気持ちで過ごしていました。

最初から仮面ライダーサーベラになるって発表されていればよかったんですけどね。私の友だちの息子が仮面ライダーが大好きな幼稚園生の男の子で、私が「出演するよ」って話したら「いつへんしんするの?」なんて言われて「なぜ、どこにも話していない私の秘密を知っているんだ、この子は!?」とドキドキしましたが、その子は仮面ライダーに出る=変身するって思っていたんですね(笑)。

――ライドブックを口のところに持っていき、フッと息を吹きかける妖艶なしぐさがとても印象的ですが、あの変身ポーズはどのように決まったのでしょう。

事前に「こんな風に変身してね」とお手本動画をいただいて、家で練習して臨みました。でも撮影当日、カメラの前に立った時点で上堀内佳寿也監督、アクション監督の渡辺淳さんたちと「こっちのほうがいいね」などと話し合いながら作り上げていきました。

――ご自身が変身される仮面ライダーサーベラの姿を間近でご覧になったときの感想はいかがでしたか。

サーベラ、めちゃくちゃカッコいいなって思いましたね! それに、すごく強いじゃないですか。私がこんなカッコいいライダーになれるなんて、と改めてうれしさを感じました。

――撮影で、もっとも苦労されたこととは?

アフレコ全般ですね。戦っているサーベラに私の声をアテるのですが、とにかく初めてのことだったので、画面では強い攻撃をしているのに、声のほうが弱く聞こえると、何度もリテイクしました。

玲花は一般人じゃなくて、鍛錬を重ねた剣士なので強いんだ、だから余裕のあるかけ声を出してほしいとカミホリさん(上堀内監督)から言われたのですが、その余裕をどうやって出すのかがわからず、ぜんぜんできなかったんです。OKが出るまで、2時間くらいかかりました。

でもカミホリさんがずっと私に向き合って、強い声が出せるまでひたすら頑張ってくださいました。普通なら、下手でこれ以上うまくならないならあきらめよう、ってなってもいいのに、それなりのかけ声が出せるまで鍛えてもらえました。そういう意味では、第25章での初変身シーンは自分なりによいものを残すことができたんじゃないかと、今でも思います。

――玲花が熱烈に尊敬し、慕う「お兄様」こと仮面ライダーデュランダル/神代凌牙を演じる庄野崎謙さんと、アンジェラさんとのコンビネーションはいかがでしたか。

お兄様(庄野崎)って、最初会ったときはすごくマジメなお堅い人だと思ったのですが、意外なまでにめちゃめちゃ冗談を言ってきますし、からかってくるので(笑)すぐに打ち解けることができました。演技についてわからないところがあったとき、ここがわからないんですよね~って疑問を投げかけてみると、経験のない私にはとうてい考えがおよばない視点から、すごく的確なアドバイスをくださることもあります。

お兄様が来るまで、私(玲花)はノーザンベースの剣士たちから孤立したところにいたので、待機中はみんなとワチャワチャやっていても、撮影が始まるとひとり離れたところにいたりして、みんなは仲良くできていいなあ、なんて思っていたんです。お兄様(庄野崎)が現れる前もそれなりに楽しかったですが、お兄様が来て神代兄妹として行動するようになって、いっそう現場が楽しくなりました。私にとって、お兄様の存在は重要でしたね。

――マスターロゴスの支配から脱却した神代兄妹は、だんだんと飛羽真たちとの距離を縮めていくようになりました。そうなりますと、アンジェラさん的にもいっそう楽しさが増したのではないですか。

後半に向けて神代兄妹は、飛羽真たちの仲間になったわけではないけれど、ノーザンベース寄りになっていきますよね。それまでは、何を考えているかわからないカタブツでしたし、コミカル要素もなくて、少し寂しいなと思っていたんです。でもちょっとずつ玲花もお兄様も“笑い”の部分が出せるようになって、またみんなとの関係性が変化し、楽しくなっていきました。お兄様はゼンカイジャーとの「合体スペシャル」(7月18日放送)ですごいことになっていましたし(笑)。