新型コロナウイルスの感染拡大以降、「劇場で映画を観る」という行為は以前より難しいものとなってしまいました。コロナ禍となる前は映画館で、たとえばロマンティックな恋愛映画を見ることはごくごく日常的なものだったのですが、今から思えばそれはとても贅沢な時間だったのかもしれません。
今回はマイナビニュース男女会員にアンケートを実施。コロナ禍以前の2018年に日本で公開された恋愛映画(邦画・洋画)を振り返り、視聴者からの評価ともとにランキング形式で紹介します。いったい、どんなランキングになっているでしょうか。
思わず涙がこぼれ落ちた、泣ける映画ランキング20! 邦画の1位は?
2018年に公開された恋愛映画のおすすめランキング
1位『50回目のファーストキス』(19.2%)
2位『虹色デイズ』(15.4%)
3位『恋は雨上がりのように』(11.5%)
4位『となりの怪物くん』(7.7%)
4位『シェイプ・オブ・ウォーター』(7.7%)
4位『君の名前で僕を呼んで』(7.7%)
7位『ママレードボーイ』(6.4%)
7位『ニセコイ』(6.4%)
9位『寝ても覚めても』(2.6%)
9位『センセイ君主』(2.6%)
9位『青夏 きみに恋した30日』(2.6%)
9位『あの頃、君を追いかけた』(2.6%)
9位『COLD WAR あの歌、2つの心』(2.6%)
14位『honey』(1.3%)
14位『3D彼女 リアルガール』(1.3%)
14位『あのコの、トリコ。』(1.3%)
14位『クレイジー・リッチ!』(1.3%)
続いて心に響いたと思う理由を作品ごとに紹介していきましょう。
1位『50回目のファーストキス』
2004年に全米初登場1位を記録したアメリカのロマンティックコメディを日本でリメイクした作品。ハワイを舞台に、事故の後遺症で新しい記憶が一晩で消えてしまう美女と、彼女に思いを寄せるオアフ島のツアーガイド兼天文学研究者との一途な恋を描く。
監督/福田雄一
・「すべてにおいて魅力的な内容だった」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「感動しました。キュンキュンッと」(46歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「長澤さんの演技がすばらしかった」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「この映画は洋画リメイクで、何度見ても泣けます」(44歳男性/農業協同組合/技能工・運輸・設備関連)
・「面白かった。二人の純粋な気持ちに見ていて心打たれた」(51歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「原作が実話とは信じられませんでした。毎日、記憶がリセットされる中での恋愛感情というのは、当事者になってみないと理解できませんが、たとえ当事者になったとしても、その関係性を維持できるのかどうか自分にはわかりません。本当の恋愛なのか、慈悲からくるものなのか、単なる親切心なのか、恐らく答えは出ないと思いました」(59歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
2位『虹色デイズ』
水野美波の同名人気少女コミックスを実写映画化。仲のよい4人のイケメン男子高校生の友情や恋、日常を描いている。GENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於をはじめ、中川大志、高杉真宙、横浜流星ら4人がそろって主演を務めている。
監督/飯塚健
・「かなりドキドキしました」(56歳男性/建設・土木/営業関連)
・「男子高校生の友情と、女子高校生との恋愛を絡めたさわやかなストーリー」(42歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「男子高校生の熱い友情と、主人公以外にも徐々に芽生えていく恋愛模様がよかったです」(41歳男性/食品/営業関連)
・「若手俳優が勢ぞろいしていて、青春を思い出させてくれるような内容でよかったですね」(49歳男性/その他/その他・専業主婦等)
3位『恋は雨上がりのように』
眉月じゅんの同名コミックスを原作とした映画化作品。けがで陸上選手をあきらめた17歳の女子高生・橘あきらは、ふとしたきっかけからバツイチで子持ちの、45歳のファミレスの店長に一目惚れをする。あきらはその店でバイトを始めるが、やがて募る思いを抑えきれなくなり……。
監督/永井聡
・「マンガがよかったので実写もよかった」(47歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「恋愛に年齢は関係ないって思いました」(40歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「テンポよくストーリーが面白かった。主題歌も好きだった」(31歳男性/官公庁/事務・企画・経営関連)
4位『となりの怪物くん』
ろびこの同名人気少女コミックスを実写映画化。幼い頃から勉強にしか興味がない少女・水谷雫は高校入学後、不登校の頭脳明晰な問題児・吉田春、通称「ハル」と知り合う。ハルは雫を慕い、雫はそれを迷惑に感じながらも、やがて惹かれていく……。
監督/月川翔
・「原作とともに楽しめました」(38歳男性/サービス/専門職関連)
・「キャスティングがすばらしく、原作のイメージ通りで大変入り込むことができました」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「アニメで既に見ていたので、制服の再現など違和感なく似合っている俳優になっていて、特に叫びが多く頑張ったなと思った。初見の人には、原作かアニメを見ておいた方が頭が追いつくと思った」(40歳男性/その他/その他・専業主婦等)
4位『シェイプ・オブ・ウォーター』
水棲人間と人間の女性に芽生えた異形の愛を描いたギレルモ・デル・トロ監督の異色作。冷戦下のアメリカ、政府の極秘施設で清掃員として働く言葉の不自由なイライザ。ある日彼女は、センターに運び込まれてきたタンクの中の「半魚人」に出会う。二人は手話を通して意思の疎通をはかり、心を通わせていくが……。
監督/ギレルモ・デル・トロ
・「究極のせつないラブストーリーに心を打たれました!!」(54歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「あらゆるものを超えた恋、なくはないと思いました」(61歳男性/放送・新聞/クリエイティブ関連)
・「不思議なお話だったので印象深かったです。水の中の怪獣との恋愛って、ファンタジーだった」(59歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
4位『君の名前で僕を呼んで』
1983年、北イタリアの避暑地。アメリカの大学で教鞭をとる大学教授の父と教養豊かな母を持つ17歳のエリオは、深い知性を持つ思慮深い少年。ある日、父が一家の別荘に招いたのは24歳の大学院生オリヴァーだった。はじめはオリヴァーに対して反感を抱いたエリオだったが、徐々に惹かれていく。
監督/ルカ・グァダニーノ
・「繊細な描写がよい」(39歳男性/サービス/その他技術職)
・「昔を思い出しました」(54歳女性/不動産/営業関連)
・「今の時代ならではの内容だと思います」(40歳女性/コンピューター機器/事務・企画・経営関連)
7位『ママレード・ボーイ』
吉住渉の同名少女コミックスを映画化。小石川光希はある日突然、両親が離婚すると告げられる。しかもハワイ旅行で出会い意気投合した松浦夫婦と、お互いがパートナーを交換して再婚するというのだ。さらに松浦夫婦の息子である遊も含めて6人で一つ屋根の下で暮らすことになり……。
監督/廣木隆一
・「キャストがよかった」(43歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/公共サービス関連)
・「アニメとマンガで、とても好きだったから」(42歳女性/百貨店/事務・企画・経営関連)
7位『ニセコイ』
古味直志の同名コミックスを映画化したのラブコメディ。ヤクザ「集英組」組長の一人息子・一条楽は、争い事が嫌いで勉強好きな高校生。彼には10年前、小さな秘密を分かち合いながらも離れ離れになった初恋の少女がいた。ある日、楽は登校中に転校生の女子・桐崎千棘と出会う……。
監督/河合勇人
・「コメディ要素も多く、キャストもよく楽しめた」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「ワクワク・ドキドキして青春時代に帰れた」(49歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
9位『寝ても覚めても』
柴崎友香の同名の恋愛小説を映画化。社会人になったばかりの朝子は、偶然出会った青年・麦と恋に落ちた。しかし、ある日麦は上海に旅立ち、それきり姿を消してしまう。3年後、朝子は麦にそっくりの男性・亮平と出会う。二人は付き合いはじめるが、やがて麦の居所が判明する……。
監督/濱口竜介
・「不倫はよくない」(48歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
9位『センセイ君主』
幸田もも子の人気少女コミックスを映画化したラブコメディ。恋に恋する16歳の佐丸あゆはは現在、告白7連敗中。ある日赴任してきた、イケメンでクールな新任数学教師・弘光由貴に恋してしまう。冷たくあしらわれるあゆはだったが、「先生を落としてみせます」と宣言し、熾烈な恋の攻防が始まる。
監督/月川翔
・「すごいと思った」(38歳男性/その他/その他・専業主婦等)
9位『青夏 きみに恋した30日』
南波あつこの少女コミックス「青夏 Ao-Natsu」を原作とした恋愛映画。運命的な出会いに憧れる、都会育ちの女子高生・理緒は、夏休みを自然豊かな田舎で過ごすことに。彼女はそこで出会った地元の高校生・吟蔵に心奪われるが、あっさりフラれてしまう。そこへ理緒に想いを寄せる祐真が東京から訪ねてきて……。
監督/古澤健
・「面白かった」(46歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
9位『あの頃、君を追いかけた』
2011年に公開され、日本でもヒットした台湾映画の日本版リメイク作。舞台をオリジナルの1990年代・台湾から2000年代の日本に変更している。地方在住の高校生・水島浩介はある日、過剰な悪ふざけで授業を中断させてしまう。担任は激怒し、浩介の憧れの優等生・早瀬真愛を監視役に任命する。
監督/長谷川康夫
・「感動した」(39歳男性/サービス/営業関連)
9位『COLD WAR あの歌、2つの心』
第二次世界大戦終戦後、東西冷戦下のヨーロッパを舞台に、時代に翻弄される恋人たちの姿を15年にわたり描く。ポーランドの音楽学校で知り合ったピアニスト・ヴィクトルと歌手志望のズーラは恋に落ちるが、ヴィクトルはパリへと亡命する。やがて歌手になったズーラは公演先の各地でヴィクトルと再会する。
監督/パヴェウ・パヴリコフスキ
・「いいなと思う」(56歳男性/その他メーカー/営業関連)
14位『honey』
目黒あむの少女コミックス「ハニー」を実写映画化。気弱で不良が大の苦手な小暮奈緒は高校の入学式当日、上級生と新入生の喧嘩に遭遇する。真っ赤な髪で眼光するどい新入生は、超不良として有名な鬼瀬大雅だった。ある日、大雅から呼び出された奈緒は、結婚前提に付き合ってほしいと告白されてしまう……。
監督/神徳幸治
・「面白かったです」(39歳男性/重電・産業用電気機器/営業関連)
14位『3D彼女 リアルガール』
那波マオの人気コミックス「3D彼女」を実写映画化したラブコメディ。恋愛経験なしのオタク男子高校生・筒井光はある日、一緒にプール掃除をしていたリア充美少女の五十嵐色葉からいきなり告白され、大いに困惑する。一方、校内はこの不釣り合いな二人の交際に騒然となり、さまざまな騒動が巻き起こる……。
監督/英勉
・「面白かった」(44歳女性/その他/その他・専業主婦等)
14位『あのコの、トリコ。』
白石ユキの同名少女コミックスの実写映画化作品。幼い頃、雫や昴と将来スーパースターになる夢を語り合った頼。頼が平凡なメガネ男子と成長する一方で、雫は人気モデル、昴は人気俳優となっていた。やがて発奮した頼も芸能界デビューを目指し、同時にずっと胸に抱いていた雫への思いを募らせていく。
監督/宮脇亮
・「面白かった」(30歳女性/専門店/営業関連)
14位『クレイジー・リッチ!』
ケヴィン・クワンの小説「クレイジー・リッチ・アジアンズ」を原作としたアメリカのロマンティックコメディ。恋人がアジア屈指の不動産王の御曹司だと知った中国系アメリカ人女性が、恋人とともに訪れたシンガポールで裕福な彼の一族に囲まれながら、真の幸福とは何かを探す。
監督/ジョン・M・チュウ
・「とても面白かった」(53歳女性/その他/その他・専業主婦等)
心に響いた2018年公開の恋愛映画ランキングまとめ
心に響いた2018年公開の恋愛映画をマイナビニュース会員に聞いた結果、1位は2割近い支持を集めた『50回目のファーストキス』(19.2%)となりました。2位は『虹色デイズ』(15.4%)、3位『恋は雨上がりのように』(11.5%)と続き、4位には『となりの怪物くん』『シェイプ・オブ・ウォーター』『君の名前で僕を呼んで』(各7.7%)の3作品が並んでいます。
この上位6作品のうち邦画は『50回目のファーストキス』から『となりの怪物くん』までの4作品で、1~4位を独占。同じく4位にランクインした『シェイプ・オブ・ウォーター』がアメリカ映画、『君の名前で僕を呼んで』はイタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合作という結果となっています。
1位『50回目のファーストキス』は、アダム・サンドラーとドリュー・バリモア主演による2004年の大ヒットハリウッド映画を日本でリメイク。日本版でもオリジナル版と同じくハワイが舞台となっています。主演を務めたのは山田孝之と長澤まさみ。事故の後遺症で記憶が一晩でリセットされるという難しい役どころを長澤まさみが好演しており、アンケートでも高く評価するコメントが多く寄せられています。
2位『虹色デイズ』は、GENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於、中川大志、高杉真宙、横浜流星の若手人気俳優4人が、日本映画では初の試みとなった"カルテット主演"を務めたことでも大きな話題に。男子高校生の友情や俳優陣の息の合った掛け合いは、まさに青春そのものといった描写となっています。アンケートでも、4人のはつらつとした演技やさわやかな恋愛模様に好感を抱くという意見が見られました。
3位『恋は雨上がりのように』は、年齢差を超えた恋を描いた恋愛映画。感情表現が不得手な17歳の女子高生・橘あきらを小松菜奈、彼女が一途な想いを寄せる45歳のバツイチ・子持ちの冴えない男、近藤正己を大泉洋が演じています。アンケートでは映画の持つ「恋には年齢なんて関係ない」というメッセージに共感する声が寄せられています。
4位『となりの怪物くん』は、菅田将暉と土屋太鳳という、旬の若手人気俳優がダブル主演を務めた青春物語。コミックスを原作としていてアニメ化もされていることから、登場人物のキャラクターにこだわりがある人が多いようでしたが、アンケートでは主演の二人をはじめとするキャスティングが高く評価されています。原作のイメージを損なわない映画化となったようです。
同率4位の『シェイプ・オブ・ウォーター』は、鬼才ギレルモ・デル・トロ監督の問題作。半魚人と人間の女性との"種を超えた愛"という衝撃的な設定と秀逸なストーリー、見事な美術などで話題となりました。「究極のせつないラブストーリー」というコメントに代表されるように、多くの共感を呼んでいます。第90回アカデミー賞は作品賞など4部門にて受賞、第75回ゴールデングローブ賞で2部門を受賞するなど、世界的にも高い評価を得ています。
同じく4位『君の名前で僕を呼んで』は、17歳の少年と24歳の青年の、男性同士のひと夏の恋を叙情的に描いた作品。その繊細な感情表現や詩的な絵作りは世界的にも高い評価を得ています。第90回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。アンケートでも、本作の真摯で丁寧な作風に触れたものがありました。
7位以下も、2018年公開の邦洋の優れた恋愛映画が並んでいます。2018年はまだほんの3年前ではありますが、昨今の気ぜわしい世情を思うと遠い過去のような気もしてしまいますね。平穏な日常にあって、劇場で恋愛映画を見ることができる幸せ。一日も早くコロナ禍が収束することを祈りながら、これらの作品を見返してみるのもいいかもしれません。
調査時期: 2021年7月5日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計501名
調査方法: インターネットログイン式アンケート