朗読劇『「ピース」 -peace or piece?』の公開稽古が27日、東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで行われ、アイドルグループ・A.B.C-Zの橋本良亮の印象を、俳優の篠井英介と上演台本・演出を手掛けた鈴木勝秀氏が語った。

  • “褒められて伸びるタイプ”の橋本良亮

今作は、橋本と篠井による二人芝居を全編生演奏で盛り上げる朗読劇。衛生的=正義という考え方が蔓延した近未来に生きる、ウォーター・バーの店主・オカモト(篠井)と、その店に通うレンジョウ(橋本)。物語が進むにつれ、過去にオカモトが政府転覆を狙う革命運動に参加していたことやレンジョウの正体が明らかになっていく。

橋本は、鈴木氏の稽古について「独特なんです。食べ物も飲み物も摂らない。でも2、3時間くらいで終わる」と振り返ると、鈴木氏はこの意図を「稽古場でやりきっても仕方ない。考える時間を与えてどう出るかを見ているが、はっしーはちゃんと考えて稽古に来てくれる」と説明。橋本は「お風呂場でシャンプーしながら『こういうことなのかな?』と1人で考える時間がすごく楽しいんです」と笑顔を見せた。

鈴木氏は橋本の芝居について「はっしーは台詞もどんどん良くなっていて、本番に入るとさらに伸びるタイプ。伸びるというより……どんどん広げて密度を濃くしていくことができる人」と分析し、「多くの回数を見て頂けると楽しいのかなと思います」とアピールした。

事前に鈴木氏から「橋本くんはスポンジのようにどんどん吸収できる人」と聞いていたという篠井は、「毎日台詞の言い方を少しずつ変えてくれるので『今日はこんなふうに来るんだ』とフレッシュにセッションを楽しませてもらっている」と橋本との芝居の楽しさを明かす。続けて橋本の印象を「真面目できっちりしている。息子くらい歳が離れているので敬ってくれるし、支えて頂いています」と語った。

また、劇中の台詞にちなみ「自身はSかMか」と聞かれた橋本は「どちらかというとドSですね。でも褒められて伸びるタイプ。叱られると沈んじゃいます」と回答。2人からの褒め言葉には「めちゃくちゃうれしい。千秋楽までいろんなことに挑戦してどんどん変えていきたいなと思いました」とさらなる成長を誓った。

今作では“革命”がテーマの1つとなっているが「革命を起こしたいこと」について篠井は「コロナ禍でライブや演劇の世界はすごくしんどい現状。生きるビタミン剤になるものだと思うので、もっと皆さんが生で見に行く、生で聞きに行く芸術革命が起きたら」と願いを込める。橋本も「厳しい状況のなかでも、もっと皆さんを幸せにできることを探していきたい。エンタメでやれることをどんどんやっていきたい」と同意した。

『「ピース」 -peace or piece?』は、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで7月28日~8月8日に上演される。