今夏の電力供給は、火力発電所の休止や廃止などで、ここ数年で最も厳しい見通しとなっています。こうした厳しい状況下では、生活者一人ひとりが節電意識を高くもつことが大切です。ただ無理や我慢して、冷房を使わないといった極端な節電は、室内での熱中症リスクを上昇させてしまいます。また、コロナ禍でのエアコン使用時は、適宜換気をして空気を入れ替える必要もあります。

我慢せず、快適さを保ちながら節電するための室内温度は、環境省が推奨する28℃が目安です。設定温度を27℃にした場合と比べると、年間で約820円節約できるという試算もあります(資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」より)。また蒸し暑い日は弱冷房除湿よりも冷房を使う方が除湿力は高く、涼しさも感じられます。

冷房の効率を下げないためにも、エアコンのフィルター清掃は2週間に1回程度行いましょう。室外機の周りには物を置かず、空気の循環を良くしておくことも大切。直射日光が当たる場所に設置されている場合は、市販のカバーなどで日除けをしたり、日陰を作るといいでしょう。

扇風機を併用することで、涼しさをより感じることができます。さらに、窓から熱が入らないように、遮光カーテンやよしず、すだれなどを使って日陰を作るなどの熱対策をしましょう。エアコンの冷房運転で同時に除湿もされるので、同じ部屋で除湿器などを使う必要はありません。エアコンの運転モードは省エネやエコモードに設定すると、自動で節電運転をしてくれます。

また、高齢者の室内での熱中症には注意が必要です。東京消防庁の発表によると、2019年6月から9月の4カ月間に、熱中症(疑いを含む)により、3,005人の高齢者が救急搬送され、そのうち7割以上が75歳以上の後期高齢者でした。また、救急搬送された方の5割以上が入院が必要となる中等症以上でした。高齢者は「暑さ」や「のどの渇き」を感じにくいため、エアコンを上手に使いつつ、こまめに水分補給をするように心掛けましょう。

エアコンで冷房を行う際には、他の電化製品とは少し異なり、こまめに電源をオンオフしないほうが節電になります。外気温、機種によりますが、日中なら35分、夜なら18分程度の外出であれば、つけっぱなしに、それ以上長時間家を空けるときは、エアコンのスイッチをオフにしましょう。

エアコンの使用中は窓を閉め切りがちになりますが、新型ウイルス禍では適宜部屋の換気を行う必要があります。換気を行う際は、エアコンを消してから窓を開けて、換気後にエアコンを付けるよりも、エアコンを付けたままで窓を開けて換気する方が節電になります。

ダイキンが行った検証(ダイキンHP「夏場に窓開け換気をする際」、エアコンは"つけっぱなし"にすべきか"小まめに電源オン・オフ"すべきかを検証せよ!」より)によると、30分に1回・5分程度の窓開け換気なら、エアコンはオンのままでも問題なく、むしろ消費電力量は少ないという結果に。室内の温度も大きく変化することがないため、快適さが保ちやすくなります。

  • ダイキンHP「つけっぱなしがお得という説は本当なのかを検証せよ」より

エアコンだけではなく、夏の一定期間は便座(貯湯式)の暖房をオフにし、そのほかの期間は設定温度を中から弱に一段階下げた場合、年間で約710円の節約ができます。便座のひんやりが苦手なら100円ショップなどで売られている、貼るタイプの便座シートがおすすめです。

また、夏は開閉が多くなりがちな冷蔵庫ですが、できるだけ冷蔵庫を整理整頓して、中の食材を取り出しやすくして、開けている時間も短くしましょう。熱いものは冷ましてから入れたり、食材を詰め込み過ぎないようにしたり気を付けましょう。

ほかにも、テレビや照明はつけっぱなしにしない、電気ポットや炊飯器の保温は短時間で済ますなど、こまめな節電も習慣にしてこの夏を過ごしましょう。