フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、余命わずかの父と、その父を憎んできた息子、そして家族たちを追った『最期の願い ~父と息子と家族の2週間~』を、18日に放送する。

  • 『ザ・ノンフィクション』の密着を受ける松下静徳さん=フジテレビ提供

今年3月16日、松下家の父・静徳(しずのり)さん(60)が自宅に戻ってきた。首の骨にできたがんが神経を圧迫するため、首から下を自力で動かすことができない。がんは肺にも見つかり、緩和ケア病棟から自宅に帰る決断をしたのだ。

そんな父親には、どうしてもかなえたい願いがあった。それは、自身が校長を務める小学校の卒業式に出席すること。今年で定年退職を迎える自分にとっても、教師人生“最後の卒業式”だった。

3月25日に行われる卒業式で、最後の教え子にどうしても伝えたいメッセージ。病状が悪化していく中、この願いをかなえることができるのか…。

そんな静徳さんには、心配事がもう1つあった。それは長男・将大(まさひろ)さん(33)のこと。教師の仕事に人生をかけた父は、家庭のことや子育ては妻に任せっ切りで、学校でいじめを受け、次第に心を病んでいった将大さんとの間には、深い溝ができていた。変形したストーブ、壁に空いた穴…家のあちこちに、将大さんの怒りが刻まれている。

寝たきりとなって帰宅した静徳さんは、将大さんとの会話を試みるも、普通の親子の会話ができない。しかし、卒業式に出席したいという父の願いをかなえるため、介護を続けているうちに、将大さんの中で何かが変わろうとしていた。

父の願いをかなえるため、懸命に看病を続ける中でひとつになっていく家族。一番近くにいるのに、バラバラになってしまった家族の再生の物語を、女優・井上真央のナレーションとともに見つめていく。

(C)フジテレビ