沢田研二と菅田将暉がW主演を務める、映画『キネマの神様』(8月6日公開)の本編シーンが14日、公開された。

  • 左から菅田将暉、野田洋次郎、永野芽郁、北川景子

    左から菅田将暉、野田洋次郎、永野芽郁、北川景子

本作は、小説家・原田マハの同名小説を原作に、「松竹映画100周年記念作品」として山田洋次監督がメガホンを握る。ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩にも見放されたダメ親父だが、たった一つ「映画」を愛していた。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年、『キネマの神様』の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族は再び動き始める。

今回公開されたのは、園子(北川景子)が運転する車でゴウ(菅田将暉)、淑子(永野芽郁)、テラシン(野田洋次郎)がドライブへ出かける本編シーン。映像では園子がゴウへ、テラシンが淑子へ向ける淡い恋心など、それぞれの想いが交錯する登場人物たちの青春模様が垣間見える。

園子がハンドルを握るオープンカーで、冗談を言い合いながらさわやかな笑い声をあげる4人。青い空の下を車は進むが、道中で車はエンストを起こし、ゴウたちは車を停めエンジンを冷やすことに。ラジエーターに水をそそぐゴウの目をまっすぐに見つめながら、園子は「ねえ、なんで淑子ちゃんたちを誘ったの? 私、ゴウちゃんと2人で来るつもりだったのよ」と意味深な言葉を向ける。あまりにもまっすぐな園子の瞳にゴウはたじたじに。

一方、淑子への想いを募らせるテラシンは、映画のフィルムを使ったカメラを取り出し、遠慮がちに「写してもいいですか?」と声をかけ、笑顔の淑子をカメラに収める。青春の一幕の中で4人の想いが交差するシーンになっている。

さらに今回、本シーンに登場する菅田、永野、野田の3人によるコメントも到着。夢について聞かれると、菅田は「小さい夢でいうと、例えばこの世界に入って、週刊少年ジャンプの漫画原作の実写映画に出演して、ジャンプに自分が載ったとか、夢だと思ってなかったけど振り返ったら夢が叶った気持ちになっていることが、本当によくあるなと思います。それこそ今回、僕のマネージャーさんが山田洋次監督の論文を大学で書いてたみたいで、この作品が決まった時は、すごい喜んでいたし、初めて山田さんに会った時にちょっと泣いてる姿を見て、やって良かったなと思ったし、夢が叶った瞬間を見ることができました」と語った。

野田は「僕はそんなに大いなる夢を抱いたことがなくて、その時やりたいことが常にあって、それを全身全霊でやり続けてますね。だから大きな夢をたてるでも良いと思うんですけど、でももしかしたら夢っていうのはその時1番やりたいことを全力でやった先に、気づいたら辿りついてるんじゃないかな?」とエピソードを交え自身の考え方を明かす。永野は「私は、夢は持たないんです!」と一言。驚く2人に対して「私は、夢を持ちそれを達成したときに、次にどうしていいか分からなくなってしまう自分が怖くて、明確な将来の夢というものを持ったことがないので、明日が楽しければいいと思ってます」と思いを表した。