東映特撮YouTube Officialで12日、仮面ライダー50周年・スーパー戦隊45作記念のダブルアニバーサリー映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』の公開(7月22日)を記念したオンラインスペシャルトークイベントが生配信された。映画では“物語の鍵を握る謎の少年”役で出演もしている鈴木福の進行により、『仮面ライダーセイバー』キャストチームと『機界戦隊ゼンカイジャー』&レジェンドスーパー戦隊チームが、映画の見どころについての熱きトークを繰り広げることとなった。

  • 『仮面ライダーセイバー』からは、仮面ライダーセイバー/神山飛羽真役・内藤秀一郎、仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎役・山口貴也、仮面ライダーエスパーダ/富加宮賢人役・青木瞭、須藤芽依役・川津明日香、仮面ライダー最光/ユーリ役・市川知宏、ソフィア役・知念里奈の6名が参加

今回の映画では、『セイバー』のキャラクターが『ゼンカイジャー』の世界に行ったり、『ゼンカイジャー』のキャラクターが『セイバー』の世界に行ったりと、作品の壁を飛び越えたキャラクターの混合が大きな見どころとなった。これについて内藤は「シリアスなセイバーと、元気で明るいゼンカイジャーが混じったとき、最初は戸惑いました」と違和感があったことを明かした。

市川は「セイバーに比べて、ゼンカイジャーの敵はポップで強くなさそうなのに、意外と強い。そのギャップにビックリした」と、作品の違いを感じる出来事を語った。また内藤は「ジュランはキカイノイドだから表情がわからず、感情をどうやって読み取ればいいのかなと心配していたが、体全体で感情表現をしてくれるので、演技してみればまったく心配はなかった」と、キカイノイドのパフォーマンス力に感心するコメントを残した。

  • 『機界戦隊ゼンカイジャー』からは、ゼンカイザー/五色田介人役・駒木根葵汰、ツーカイザー/ゾックス・ゴールドツイカー役・増子敦貴の2名。ここに、映画でゲスト出演するレジェンド戦隊の2人、『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)のシンケングリーン/谷千明役・鈴木勝吾、『魔進戦隊キラメイジャー』(2020年)のキラメイブルー/押切時雨役・水石亜飛夢が加わった

ノーザンベースに迷い込んだ介人に遭遇する側だった山口は「シリアスなノーザンベースにカラフルな介人がいきなりやってきて、最初はすごく動揺しましたね。でも、駒木根くんが全力全開で場を和ませてくれた。彼の人間性に救われた」と、ここでも『セイバー』『ゼンカイジャー』の異質な組み合わせの面白さが発揮されたことを説明した。また「ノーザンベースのセットで駒木根くんは、ソフィアさんの優しい声に救われたそうです」と山口が話すと、駒木根が「恥ずかしいからやめろ!」とツッコむ場面も観られた。駒木根は改めて「ソフィア様の神々しさが強く印象に残った」と、ソフィアにかなりの好印象を持っていたことを自らはっきりと語った。

青木は「福くんと初めてお会いしたとき、セイバーキャスト全員で『あっ、福さんだ! テレビで見た人だ!』と騒いでいました」と、人気子役として有名な鈴木(福)に会ったときのリアクションについて打ち明けた。これを聞いた鈴木(福)は「“福さん”って呼ばれると、距離が遠く感じますから福くんと呼んでって、最初に話したんですよね」と、『セイバー』『ゼンカイジャー』キャストとの壁を早々に取っ払って、気さくな関係になるよう努めていたと話した。

『セイバー』の世界に飛び込んだ駒木根は「『ゼンカイジャー』の色をどんどん出して行こうとしたけれど、逆に『セイバー』に染められた感じ。あんまり介人が出過ぎたところは、田崎竜太監督(田崎監督の「崎」は立つ崎が正式表記)に抑えられましたね(笑)」と、世界が違っても介人として前にどんどん出ていく勢いを忘れなかったことを明かした。また山口から「介人とリュウタロスの息の合い方が好きだった」と言われた駒木根は「リュウタロスとは初めて会った感じがしないほど、意気投合しました」と、非常に波長の合う者同士のノリのよさがあったと笑顔で語った。

飛羽真や芽依、謎の少年と共に「八犬伝の世界」で活躍する剣士として登場する鈴木(勝吾)は「シンケンジャーが終わって11~12年ぶりに千明を演じましたが、剣士担当ということで、(水石と)刀を交えるシーンがあって楽しかった」とひさびさのヒーローアクションを楽しんだと語った。水石は「ちょっと前から勝吾さんを存じ上げていて、剣がお得意と知ってたので、おんぶにだっこで……」と、先輩ヒーローの胸を借りて立ち回りに臨んだことを打ち明けていた。

歴代仮面ライダー、歴代スーパー戦隊レッドが大結集するのが映画のクライマックス。スーパーヒーローの集合シーンを観た増子は「本当に最高でした!」と興奮気味に語ると、すかさず市川が「最光!」と絶妙な合いの手を入れ、爆笑を誘った。増子は「凄い光景が観られた。鳥肌が立っちゃいました」と続けたが、隣の駒木根が「鳥になった?」とささやくと「鳥肌を超えて、鳥ですね」と困ったように答えて、ふたたび全員の笑いを取っていた。

鈴木(勝吾)は『シンケンジャー』を振り返り、「俳優デビュー作でした。シンケングリーンを演じてみて思ったのは、ヒーローはヒーローなんだなってこと。俳優としてとか、オーディションとか、本当はいろいろなことがあるんですけれど、撮影中とかで子どもたちに会うと、彼らにとって僕らは本当のヒーロー。だからこそ、夢やロマンを届けていきたい」とヒーローを信じる子どもたちのため、どのように振る舞うかを語った。

水石は「この1年間、社会は本当に大変でした。しかし日曜の朝『キラメイジャー』をやっている時間~ヒーロータイムくらいは、みなさんに日々の不安みたいなものを忘れてくださるような物語をお見せしたいと思っていました。僕もヒーローは昔から大好きですし、ヒーローは子どもの心に一生残る、すごい存在です」と、ヒーローが子どもたちの不安を取り除き、安らぎを与える存在であると力を込めて話した。

出演者の中で、もっとも新しくヒーローとなった増子は「オーディションに受かったとき、ヒーローになれる!と喜びましたが、ゾックスは他人を守るとか、そういう思いがあんまりないので、自分の思っていたヒーロー像と違って最初は混乱しました。でも、ゾックスの守りたいものは“家族”ですから、家族のヒーローなんだなって考えています」と、「界賊」であるゾックスのクセのあるヒーロー像についての思いを語った。そこに、鈴木が「僕の弟と妹はゾックスが大好きですよ」と粋なコメントを増子に投げかけると、周囲から「福くんはどうなの?」と鋭い言葉が飛んできた。

映画の大物ゲスト・仮面ライダー1号/本郷猛役・藤岡弘、との共演について駒木根は「藤岡さんは存在自体がヒーロー。セリフひとつひとつがすごく重くて、言っていることは核心を突いていて、その中に優しさが感じられる。セリフを聞いて泣きそうになる」と大先輩ヒーローを称えた。内藤もまた「藤岡さんのセリフの出し方の凄さ。そして本当にヒーローを愛している、あの姿勢に感激しました。今日の完成披露イベントでは、藤岡さんにすごく良い“言葉”をいただいたんです。その言葉は自分だけの秘密にしていていいですか? この先、ライダーとしても役者としても大事にしたい言葉です」と、仮面ライダー1号からセイバーへと伝えられた秘密の言葉があることを打ち明けた。

ヒーローを支えている立場から見たヒーローとは?という鈴木(福)の問いに、川津は「私が子どものころ『仮面ライダー電王』や『ふたりはプリキュア』が好きだったように、ヒーローは時代を問わずいつでも寄り添ってくれる存在だと思います。私が将来、親になってもヒーローの良さを語り継いでいきたい」と答えた。

知念は「私はずっと子どもたちと一緒にヒーローを観続けてきました。いま次男は『セイバー』にドハマリしていて、みんなのことを本当にヒーローだと思っています。こんな風になりたいな、という子どもの夢でもありますけど、今回私が出演して思ったのは、大人でも変身願望があるし、ヒーローにロマンを見出す人もいるなってこと。参加させていただいて、そんな発見をしました」と、ヒーローという存在の重要性を語った。

ここで最新情報として、アプリ「HELLO!MOVIE」で8月7日からのサービス開始となる、『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』をより楽しむことのできる『副音声ボイスドラマ』と『副音声コメンタリー』の発表が行われた。これらは事前にアプリをダウンロードすることで、劇場で視聴することが可能。

『副音声ボイスドラマ』は『仮面ライダー電王』のイマジンたちと『ゼンカイジャー』のキカイノイドたちが活躍する内容であるという。そして『副音声コメンタリー』は文化放送のラジオ番組『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー』とのコラボで『東映公認 鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー出張版~スーパーコメンタリー戦記』と題され、内藤と駒木根も交えて映画の撮影裏話などのトークが行われる。内藤は「以前に番組にも出演させていただいたことがありますが、そのとき、裏話をけっこうすごいところまで話せたので、今度は裏の裏の裏まで話しますよ」と意気込みを見せた。駒木根は「僕も番組に出演したんですが、そのとき神谷さんから“ヤベーなお前!”と言われたので、トークで雪辱を晴らします」と、楽しいトークを披露する意欲を表した。

最後に出演者全員から「自分以外のキャストの“ここを観てほしい!”必見シーン」を尋ねてみた。

鈴木(福)は「たくさんありすぎて、ひとつには絞れませんが、あえて……映画に登場する仮面ライダー1号が『新1号』ではなく、仮面ライダーの元祖というべき『旧1号』であることです!」と、さすが仮面ライダーとスーパー戦隊の大ファンならではのキャラクターを挙げた。

山口は「レジェンドで対決されているお2人(鈴木と水石)ですね。素面の状態で激しい立ち回りをされていて、あそこは圧巻だな~と思いながら見ていました」と、剣士としてのストイックな視点で先輩ヒーローのアクションを絶賛した。

川津は「魔王(仮面ライダージオウ)の奥野壮くんや、仮面ライダーゼロワンの高橋文哉くんは、私もリアルで観ていたライダーでしたから、先輩のカッコよさに胸が高鳴りました!」と、十分な貫禄をつけて仮面ライダーの世界に帰ってきてくれた先輩たちの活躍シーンを挙げていた。

青木は「飛羽真が幼なじみのルナと再会するシーンがあるんです。このときの内藤秀一郎の表情がすごくいいなと感じました。ご覧になる方はぜひそこにも注目してください」と、内藤の感情表現の巧みさを称えた。

内藤は「今回の映画のルナは、テレビでの幼いルナと違って大人の女性として登場します。横田真悠さんが演じてくださったんですけど、子どものルナのイメージを忠実に守りながら大人に持っていってくれたので、違和感ないと思います」と、映画でしか描けない特別なシーンについて興味を誘った。

知念は「歴代のヒーローが勢ぞろいするシーンです。これは子どもたちと一緒に絶対劇場で観たい!と思います」と、親子でヒーローのカッコよさを堪能する意欲を燃やしていた。

市川は「福くん演じる謎の少年が、最初はちょっと生意気でシャイな感じなんですけど、そのうち芽依にちょっとときめいて、まんまと彼女の手のひらで転がされるさまが面白かった。その2人を追いかけちゃいました。そこをぜひ観てほしい」と鈴木・川津コンビの絶妙なる関係性について言及した。

駒木根は「あっちゃん(増子)ですね! ゼンカイジャーチームってみんな目立ちたいので、ゾックスはいい感じに目立ってて、うらやましかった!」と、劇中の介人と同じく頼れる仲間として増子の登場シーンを強く推した。

増子は「僕はきいちゃん(駒木根)演じる介人です。世界が変わったり、セイバーのキャストやイマジンと絡んでいても、常にゼンカイジャーの色を失くさず行動している。五色田介人の存在こそが見どころです!」と、駒木根への強い信頼感をうかがわせつつコメントした。

鈴木(勝吾)は「福くんが演じた“謎の少年”ですね。ヒーローをずっと愛してきた彼にしかできない役。とても強い思いを込めて役を演じているのがわかりますし、観客のみなさんにも福くんの思いが伝わると思います」と、鈴木(福)の演技と情熱が観る者の心を動かすのは間違いないと太鼓判を押した。

水石は「レジェンドヒーローで登場するデカマスター/ドギー・クルーガーの声を演じられている稲田徹さんは『キラメイジャー』でもご一緒したことがありまして、また違う役柄として現場で共闘できたのがうれしかったです。デカマスター、カッコいいのでみなさんぜひ楽しみにしていてください!」と、熱き心でヒーローの声を演じる稲田をはじめとする声優陣の魅力に触れ、映画の見どころとして強くアピールしていた。

フォトセッションでは、『セイバー』チーム、『ゼンカイジャー』&レジェンドチームに分かれて集合写真を撮影した。単独撮影となった鈴木(福)は「何かお好きな“変身ポーズ”を」というリクエストに対し、『仮面ライダーディケイド』の門矢士(演:井上正大)がディケイドライバーにカードを装填する一連の変身で見事に応えてくれた。