NRI社会情報システムは7月8日、「シニア世代の就労実態・意識調査」の結果を発表した。調査は2021年3月19日~24日、全国の50歳~79歳の男女3,000名(令和2年人口推計をもとに、性年齢を人口比率で割り付け)を対象にインターネットで行われた。

  • シニア世代の就労状況

    シニア世代の就労状況

シニア世代の就労状況を確認したところ、「就労中」が45%、「求職活動中」が2%、「求職活動は行っていないが就労に関心がある」が5%、「非就労で働きたくない」が48%という結果に。また、就労者の雇用形態は、「正社員」が45%、「パート・嘱託」が34%だった。

また、就労者1,363名に対し、コロナ禍の就労面への影響を聞くと、「収入が減少した」(36%)が最も多く、次いで「労働時間が減少」(28%)、「外出機会が減少」(29%)、「家庭や自分のために時間を割くようになった」(29%)と続いた。

  • 「70歳雇用延長制度」に対する認知度と賛否

    「70歳雇用延長制度」に対する認知度と賛否

次に、4月より開始された「70歳雇用延長制度」の認知について調べたところ、50歳代後半~60歳代前半の男性層で2割を超え、昨年調査結果から大きく上昇。同制度への評価については、シニア世代の6割強が「良い制度だと思う(どちらかと言えば)」と回答し、性年齢を問わず、プラスの評価をする人の割合は昨年よりも大きく増加した。

  • 配偶者に何歳まで働いてもらいたいかの希望と、同年齢の男女本人の働きたい年齢

    配偶者に何歳まで働いてもらいたいかの希望と、同年齢の男女本人の働きたい年齢

配偶者がいる2,148名に対し、配偶者(相手)の就労についての考え方を尋ねたところ、配偶者の就労に対する満足度は、同年齢の男女本人の就労満足度よりも高い傾向に。

特に50歳代~60歳代前半の夫の就労に対する妻の満足度は、この年代層の男性本人の満足度に対して10段階評価で1.0~1.8ポイント高く、妻は50歳~64歳の夫に対して、同年齢の男性本人が考えるよりも4年ほど長く働いてほしいと考えていることが明らかに。対して、夫が妻に希望する働き終える年齢は、同年齢の女性本人とほぼ同等だった。

また、働いていない配偶者に「働いてほしいか」を尋ねると、働いていない夫に対して「働いてほしい」と考える妻が多く、夫の年齢が50歳代前半で約6割、50歳代後半で約4割に及ぶものの、その割合は夫の年齢が上昇するとともに低下し、70歳代前半では約2割という結果に。一方、働いていない50歳代前半の妻に対して「働いてほしい」と考える夫は約2割に留まった。