――撮影がアップしたとき、一番に思ったこととは何でしょう。

それはもう、楽しかった!という気持ちしかないです。『ゴースト』が終わって何年も経っているのに、またこうやってスペクターに変身することができたのは、とても幸せだと思っています。なかなか変身したくても、できるものではないですからね。歴代仮面ライダーがたくさんいる中で、マコト/スペクターを呼んでいただけたのが、本当にありがたく、ひたすらうれしいんです。

――山本さんのたたずまいは『ゴースト』放送当時と比べてもまったく変化がないようですが、少し年月を経たことで、大人っぽい男の色気のようなものが生まれているようにも感じられます。山本さんご自身で「変わったな」と思えるのはどんなところでしょうか。

まあ月日が過ぎている分だけ、大人にはなっているでしょうね。具体的には、何をやるにしても、すこし余裕のようなものが生まれているような……。今回撮影した映像を観返しても、余裕があるな、またはシンプルに“老けたな”と思えます(笑)。テレビシリーズのときは、若々しいカッコよさを追求していた感じでしたが、今は意識して「大人になろう」としている真っ最中ですので、芝居についてもそういった変化、違いは見られるのかもしれません。

――他のテレビドラマや映画、舞台でも活躍されている山本さんですが、別の現場において、仮面ライダースペクターを演じた経験があったからこそ、乗り切ることのできた危機というものはありますか。

『ゴースト』では、アクションを基礎から学ぶことができたのが大きかったです。受け身とかも最初のころにしっかり習いましたし、これは他のドラマの現場でもすごく役立ちました。刀を使った立ち回りがあっても、体を激しく動かすところでも、『ゴースト』でひととおり経験を積んだので「できる」といえる自信がついたのは、とてもいいことですね。あとは、とんでもなく過酷なスケジュールをこなしても、多少のことでは動じないメンタルを手に入れたこと。これは大切ですよ。僕が今まででいちばんしんどかった現場は、Vシネマ『ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター』なんです。冷たい雨に打たれたり、朝4時になるまで磯村くん演じるアランと転がりながら戦い続けたり、かつてないハードな撮影が続きました。あれをこなすことができたのだから、どんな現場に行っても大丈夫、と思えるくらい、メンタルが鍛え抜かれました。

――『スペクター×ブレイズ』の終わりには、また新たな脅威の存在がほのめかされていました。もしかしたら、スペクターの戦いはこれで終わりではなく、まだ続いていくのかもしれません。山本さん的には、さらなるマコトの復活はあり得ることなのでしょうか。

もちろん、またご縁があればぜひスペクターとして帰ってくることができればうれしいです。マコトっていつも「急に現れる」ので有名ですから、後輩ライダーのピンチにいつどこにでも駆けつけ、スペクターに変身して悪い奴を倒したいですね。本当に、「どこから出てきたマコト」って声をいっぱいもらったことがありましたし(笑)、またオイシイところを取りにいくような調子で、出演できることを夢見ています!

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