「この3組でゴリゴリのお笑い番組ができて良かった」――収録を終えたお笑いコンビ・アルコ&ピース(平子祐希・酒井健太)、マヂカルラブリー(野田クリスタル・村上)、ニューヨーク嶋佐和也は晴れやかな表情で口を揃えた。

硬派なお笑い番組が増えるなか、テレビ朝日が新たに繰り出すのが『脳天カルパッチョ』(7月3日23:00~※一部地域を除く)。表現力・構成力・演技力で競い合い、25組の若手芸人が投票した面白かったコンビだけが放送され、評価されなければ、動画配信サービスTELASA(テラサ)のみでの配信=“テラサ行き”となるシビアな番組だ。すでに”テラサ行き”が確定したオープニングトークは、放送前に配信されるという前代未聞の取り組みもある。日向坂46の齊藤京子をアシスタントに迎え、休養中だった屋敷裕政の代理としてインディアンス・田渕章裕が参加した。

話術やコントによる本業の“対決”企画にもかかわらず、このたびのインタビューであふれ出たのは、お互いへのリスペクトと熱い絆。改めて感じたそれぞれの魅力や、コンビを組んでみたい人、地下ライブ時代に天才と呼ばれた“SOSSHO酒井”の存在、紅一点として奮闘した斎藤について話を聞いた。

  • 下段左から、お笑いコンビのマヂカルラブリー(野田クリスタル・村上)、上段左からアルコ&ピース(平子祐希・酒井健太)、ニューヨーク嶋佐和也

    下段左から、お笑いコンビのマヂカルラブリー(野田クリスタル・村上)、上段左からアルコ&ピース(平子祐希・酒井健太)、ニューヨーク嶋佐和也

■“コンビを組んでみたい人”4人の票を集めたのは

――番組公式Twitterアカウントが開設3日でフォロワー6,000人を超えるなど、『脳天カルパッチョ』はすでに大きな注目を集めています。Twitterでは「メンバーをシャッフルしたネタを見たい」という声も寄せられていますが、この中でコンビを組んでみたいメンバーと、やってみたいネタを教えてください。

平子:1人ひとり個が立っているので、僕は全員とできますね。誰とやることになっても、一瞬でネタが降りて来ます。他のメンバーとすることで、酒井の良さも再認識できるんじゃないかな。

村上:エッチな話してます?(笑)

酒井:僕は野田クリスタルと、やりたいことをやりたいようにやってみたい。

野田:僕たちが“地下ライブ”をやっていた中野の劇場が沸きますね! 僕も、過去にコンビを組もうと誘って断られた酒井さん。1回ネタをやって「あ、このコンビじゃダメだったんだ」って思いたい。そして僕も「村上で良かった」と再認識したいです。

村上:僕も酒井さんですね。誰も理解できないシュールなコントを作ってみたい。

嶋佐:僕も、酒井さんが気になります。

酒井:もういいって!(笑)

嶋佐:収録中、マヂラブさんが「元天才」「“SOSSHO酒井”(酒井のピン芸人時代の芸名。“口癖が「SOSSHO」”というネタをしていた)は伝説だった」と何度も仰っていて、僕はその時代を全く知らないので見てみたいです。

平子:すみません、やっぱり僕も「平子は一言目から『酒井以外と組む気はない』と発言した」って書いてもらっていいですか?

一同:(爆笑)

  • 収録写真=テレビ朝日提供

■テレビに苦戦している3組の“あがき”

――酒井さんが一番人気でしたね(笑)。今日の収録の率直な感想を教えてください。

平子:芸人・スタッフさん共に四苦八苦していない人が1人もいなかった。視聴者の方はそんな姿に共感したり、興味を持ってくれたりすると思うので、めちゃくちゃ見やすい王道の番組になったのかもしれません。

酒井:バラエティだけどドキュメンタリーのよう。これだけストロングスタイルなお笑い番組はなかなかできないから、ありがたいです。

野田:めちゃくちゃ豪華なセットで「テレビだな」としみじみ思ったんですけど、内容は地下ライブ。それが、この3組にすごく合っていました。ちょっとしたゲームバラエティとかだったら僕らは面白くできないと思うので、ゴリゴリのお笑い番組で良かったです。

村上:今日まで一週間くらい不安だったんですけど(笑)、始まってみたら楽しくて、各々のいいところが出たんじゃないかな。皆のびのびできていたと思います。

嶋佐:いろんなお笑い番組が始まっている時代に、この3組での挑戦。「何かが動き出したな」とワクワクしました。

――座組としては「対決番組」ですが、収録を終えた皆さんからはなにか熱い絆を感じられます。改めて気付いたそれぞれの魅力があれば教えてください。

平子:土足厳禁で有名な中野にある地下のライブハウス(中野 Studio twl)で、お客さんが数人しかいない頃からやってきた仲間たち。テレビ番組の豪華なセットの中に入っても「自分たちのスタイル、変えないんだ」と、驚きとともに感動すら感じました。だって、普通はもうちょっと変えるもん(笑)。

酒井:変わらなかったのか、変われなかったのか。この3組には「テレビに苦戦している」という共通点がありますからね(笑)。

平子:そんな3組の“あがき”が存分に見れたんじゃないでしょうか。

酒井:皆のことをずーっと知っていますけど、本当に何も変わっていない。この3組で、街ブラとか食レポじゃなくて、地下ライブから上がって来た温度感そのままのお笑い番組ができたことに感謝したいです。

■オシャレに笑いを取ってる人は誰もいない

――マヂカルラブリーさんが、改めて感じた魅力はありますか。

野田:僕は酒井さんにがっかりしました。

一同:(笑)。