2019年末から流行した新型コロナウィルス感染症の影響により、生活様式が大きく変わったという人も多いでしょう。

生活様式が変われば、当然ながら消費行動も変わります。それにより、収入や支出や貯金額に大きな変化があった人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、20代の男女451名に対して、日本で第一例目の新型コロナウイルス感染者が確認された2020年1月15日以降の貯金についてのアンケート調査を実施しました。若者のリアルな貯金事情について、赤裸々にお届けします。

調査期間:2021年6月11日~21日
調査方法:ネットリサーチ
調査対象:20歳~29歳の男女 451名
実施:ポート株式会社(マネット編集部)

20代の約30%は貯金が10万円以下

20代の男女451人(男性:222人・女性229人)に現時点の貯金額を調査したところ、男女ともに最も多いのは「1円~10万円」で、男性が49人(22.07%)・女性が39人(17.03%)という結果になりました。

そして「貯金なし」と回答をした人は、男性が19人(8.56%)・女性が27人(11.79%)となっています。男女の合計で見ると、全体の10.19%に該当します。

上記の結果から、貯金額が10万円未満の人は、男女451人のうち134人となっており、全体の「29.71%」を占めています。

コロナ禍は貯金額にどう影響したか

コロナ禍の影響から「在宅時間が増えてお金を使わなくなった」という人もいれば「収入が減ったため貯金を切り崩した」という人もいるのではないでしょうか。

20代の男女に、コロナ禍になってからの貯金額の変化について調査しました。

コロナ禍での貯金額は女性の方が減っている

男女ともに貯金額が増えた人よりも減った人の方が多く、とくに女性の方はそれが顕著に出る結果となりました。

消費は減ったものの、それが貯金増につながっているわけではなく、やはり相対的に収入減となっている人の方が多いのではないでしょうか。

コロナ禍で貯金できている人の割合が多いのは男性

男女別に貯金できている人の割合を調査した所、男性は半数以上の割合で貯金できていると回答したのに対し、女性で貯金できていると回答した人の割合は38%にとどまりました。

働きざかりの20代では、やはり収入の多い男性の方が貯金しやすい状況にあるようです。

貯金の目的は老後の貯蓄・趣味・投資

女性でもっとも多かった貯金の目的は「老後の貯蓄」、対して男性でもっとも多かったのは「趣味・嗜好」となりました。

コロナ禍で将来の資金に不安を感じている人が多い影響もあってか、男性では「投資・資産運用」と回答する人も多く見られました。

20代のアンケートという事もあり、まだまだ結婚や住宅のための貯金ではなく、趣味や旅行など自分のために使いたいという結果がデータに現れたのかと思われます。

自身の貯金額に対しての20代の率直な意見

ここで、現状の貯金額について20代はどう考えているのか、赤裸々な意見をいくつか紹介します。

●女性 貯金なし
貯金はありません。お金を使うことでストレスの発散になっているため、お金を貯めることができません。ですが、年齢的にも将来のことを考えたら少しずつでも貯金しなければと考えております。コロナ禍で収入が減った事もあり、もっと早いうちから貯金をしておけばよかったと後悔しています。

●男性 貯金額1円~10万円
少ない方だと思います。将来よりも今お金を使う方が幸福度は高いのではないかと思い、友人との食事や、欲しいものを買っているためです。将来の行事のことも特に考えていませんし、今よりも稼ぐ力を身につけていけば、今貯金がなくてもどうにかなると思っています。

●女性 貯金額11万円~30万円
周囲に比べて少ないと思っています。社会人2年目ですが、1年目は親に大学時代借りていたお金の返済、また、勉強のためのビジネススクールの学費等自己投資に当てたため、貯金はできませんでした。事務職なので給料は少なめ、ボーナスも1年に1回ですが、コツコツ自分のペースで貯めていこうと思っています。

●男性 貯金額31万円~50万円
新卒1年目ですので、周囲に比べても妥当な貯金額だと思います。積立NISAを月に3万円、定期貯金を月に3万円おこなっています。数十年後にはマイホームが欲しいので、地道に積み立てています。

●女性 貯金額101万円~150万円
コロナ禍により収入が減り賞与も無くなったため、貯金できる金額がグンと減りました。投資信託などの運用も開始しましたが、貯金と生活資金のやりくりでなんとか毎月やり過ごしています。生活費でもっと節約できる部分がないか見直しができればと思っています。

●男性 貯金額301万円~500万円
額面だけ見ると周囲より多いように思えますが、結婚の予定もあるので決して多いとは思えません。終身雇用制度が崩壊していると言われている今、もしもの時のために安心できるように、もっと貯蓄したいと思います。

●女性 貯金額500万円~
周りの友人と比べると、貯金額は多いほうなのかもしれません。社会人になって給料の半分以上は必ず貯金してきました。早期リタイアを目指して、貯金額3,000万円を目標に資産運用を開始したばかりで、まだまだ先は長いです。

まとめ

今回は20代の451人を対象に貯金額のアンケート調査を実施しましたが、大きな特徴として下記3点が浮き彫りになりました

  • 20代の約30%は貯金が10万円未満
  • コロナ禍でお金は貯めにくくなり、特に女性は大きな影響を受けた
  • 現時点での貯金額に関わらず将来の不安を抱えている人は多い

新型コロナウイルスが流行する前の日常生活に戻るには、まだまだ時間がかかりそうですが、どんな時でも将来に向けての備えは必要なのではないでしょうか。

貯金を増やすためには、収入を増やすか、支出を抑えるかのどちらかが基本となります。今回を機に、ご自身の収入と支出のバランスを見直してみてはいかがでしょうか。