ディズニー&ピクサー最新作『あの夏のルカ』(ディズニープラスにて独占配信中)の日本版声優を務めた阿部カノンと池田優斗を直撃。小学校に上がる前からこの仕事を始めた2人は、順調に子役としてキャリアを積み、声優経験も豊富で、そんな彼らだからこそ、吹替版のクオリティーを高みに上げた気がする。そんな2人の素顔は向上心にあふれていて、すでにしっかりと未来を見据えていた。

  • ディズニー&ピクサー最新作『あの夏のルカ』の日本版声優を務めた阿部カノン(左)と池田優斗

『あの夏のルカ』の舞台は、北イタリアの美しい港町ポルトロッソ。余談だが、その名前を聞いただけで、『紅の豚』(92)を彷彿させ、エンリコ・カサローザ監督が宮崎駿ファンだとわかる。本作で阿部は海に住むシー・モンスターの少年ルカ役を、池田はその親友アルベルト役を演じた。2人はひょんなことから憧れの人間の世界に住み、人間の少女ジュリアと交流していくというひと夏の物語が描かれる。

6月9日に12歳の誕生日を迎えた阿部は、2015年に映画『ギャラクシー街道』でデビューし、近年はミュージカル『Kinky Boots』(18)でヤングローラ役を演じて注目された。アフレコについて阿部は「映像や台本をたくさん見て、ルカの心の動きを表現できるようにやりました。声だけで表現するので、すごく難しかったです」とはにかみながら感想を語ってくれた。

アルベルト役の池田優斗は6月25日で16歳になる。爽やかなイケメンで、近年は映画『糸』『滑走路』などに出演。今年1月期ドラマ『ここは今から倫理です。』『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』に2作品同時レギュラー出演するなど幅広く活躍する。「アルベルトは実年齢と近い役だったので、すごく演じやすかったです。最初は気合い入れて作り込んでいったのですが、初日に吹替演出の方から『池田君の素のままな感じでやってほしい』と言われたので、あまり考えすぎず、ありのままでやっていきました」

劇中で息の合った掛け合いを見せている2人だが、一緒に収録できたのは初日だけだった。池田は「初めてカノンくんの声を聞いたときは『ルカだ!』と思いました」と言うと、阿部もうれしそうに「僕も優斗くんの声を聞いて『アルベルトだ!』って思いました」と池田と顔を合わせた。

お互いの印象については、阿部が「優斗くんはすごくカッコ良かったから、めっちゃ緊張しちゃいました。でも優しく話しかけてくれたので、カッコいいお兄ちゃんという印象でした」と当時を振り返ると、池田は「めちゃくちゃうれしい」と喜ぶ。

池田は「僕はカノンくんに会った時、すごく声が高くてきれいで、ルカにぴったりだなと思い、ルカの声を思い出しながらお芝居ができました。またカノンくんは、普段話している時と本番ではすごくギャップがあって、いざ収録となると、パチッと切り替えてプロの顔になるんです。まだ若いのにすごいなと思いました」と称えると、阿部は「ふふふ」と照れ笑いをした。