映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(6月18日公開)の公開記念舞台挨拶が19日に都内で行われ、田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)、飯塚健監督が登場した。

  • 左から飯塚健監督、眞栄田郷敦、土屋太鳳、田中圭、山田裕貴、小坂菜緒

    左から飯塚健監督、眞栄田郷敦、土屋太鳳、田中圭、山田裕貴、小坂菜緒

同作は1998年長野五輪、スキージャンプ団体の金メダルを陰で支えた25人のテストジャンパーたちの知られざる感動秘話を映画化する。腰の故障により代表落選となったスキージャンパーの西方仁也(田中)が、競技前にジャンプ台に危険がないかを確かめ、競技中に雪が降った際には何度も飛んでジャンプ台の雪を踏み固めるテストジャンパーとなり、裏方から日本選手団を支えていく。

舞台挨拶では、キャスト陣が続々涙。まず、田中の印象について聞かれた土屋が「圭さんは本当に人を許す方だなあと。何回か共演させていただいているんですけど、本当に色んなことを許して見守って、トラブルがあっても笑いに変えて、変えられないことはひたすら受け止めてくださるんです」と話しながら言葉に詰まる。

土屋が「なんで私が泣いてるんだって感じですね」と苦笑しつつ、「周りの人を『神様みたい』とか、裕貴くんのこともかわいいとかおっしゃるんですけども、圭さんこそ神様だなと思いますし、年上でとても失礼ではあるかもしれないんですけれども、かわいらしい方だなって。私だけじゃなくて皆さんも思ってる。最高の上司ですよね、裕貴くん」と振ると、山田も「神様みたい」と答え、田中は「いじり始めてるよ。俺も太鳳もいじり始めてるよ」とつっこんでいた。

次に、今回の作品のモデルになったテストジャンパーたちからのビデオメッセージが届くと、今度は山田が「これ、ダメでしょう……」と涙。「やっと思いを届けられると思うと嬉しいです。皆さんの思いを伝えられたらいいなっていうのが、まず1番で。それがお客さんに伝わらなければ、公開されても『いい映画になったのかな』と思うし、でも皆さんの『良かったです。ありがとう』という言葉が本当に嬉しいです」と男泣きした。さらに眞栄田も「僕は本当に経験がまだない時に圭さんとか裕貴さんみたいに芝居で見せる2人に挟まれてめちゃくちゃ悩んだしすごい大変だったんですけど、本当に監督をはじめたくさん支えていただいて……公開されて嬉しいです」と涙を見せた。

最後に、土屋から田中へスタッフ・キャストの寄せ書きフラッグが渡されると、田中はこみ上げる涙で何もしゃべれなくなり「はい、ありがとうございます」と声がひっくり返ってしまう。山田も再度泣き出し「なんで俺が泣いてるんだろう。俺、圭さんの泣いてるとかあんま見たことなくて。いつも明るく乗り切るだけじゃなくて、弱みとか見せてほしいなあと思ってた。こういう人間らしい姿が見れて本当に良かったです、マジで」「すいません俺が泣いてて、カオスですよね」という言葉に、会場も泣き笑いに。

田中は「え〜、何言おう! ええ!?」と照れながら戸惑い、「本当にキャストのみんなや監督はじめ、スタッフのみんなが本当に心強くて。で、みんなは俺が頼りになるとか色々言ってくれてますけど……ちょっと待って無理だよお! しゃべれないですよ!」と訴える。「いろいろ思うことがありすぎてですね、この作品は本当にすごく贅沢な環境の中で撮影をさせて頂いたって時間がありまして、その中で座長であるというプレッシャーもありました」と振り返り、公開が1年延期となったことから「撮影終わってからもみんなと一緒にいる機会が増えて、自分も不安なところなんかいっぱいあるし。公開迎えてさみしいなあとか、座長として携わらせてもらった幸せもありますけど、俺でよかったのかなって思うときもいっぱいありますし、こんなサプライズがあるとは。嬉しいです」と心境を吐露した。

しんみりした空気となっていた会場だが、田中が「いや、かつてこんな登壇している人たちがそれぞれ違うタイミングに泣く舞台挨拶があったでしょうか?」と問いかけると、クスクス笑いが起こる。田中は「すごく貴重な体験をしていますし、貴重なものを皆さんに見られているんだと思いました」と語った。