映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(5月7日公開)の 完成披露イベントが5日に都内で行われ、田中圭、土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)、飯塚健監督、西方仁也、原田雅彦が登場した。

  • 前列左から原田雅彦、西方仁也、田中圭、土屋太鳳。後列左から山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒、飯塚健監督

    前列左から原田雅彦、西方仁也、田中圭、土屋太鳳。後列左から山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒、飯塚健監督

同作は1998年長野五輪、スキージャンプ団体の金メダルを陰で支えた25人のテストジャンパーたちの知られざる感動秘話を映画化する。腰の故障により代表落選となったスキージャンパーの西方仁也(田中)が、競技前にジャンプ台に危険がないかを確かめ、競技中に雪が降った際には何度も飛んでジャンプ台の雪を踏み固めるテストジャンパーとなり、裏方から日本選手団を支えていく。

実際のできごとを描いただけに、田中は「やっぱり、ご本人が嫌だなって思うのが1番嫌なんですよ。自分が何かを話して記事になったときに、自分の思いとは違う風に伝わってるなという時の悔しさとか僕自身も知ってるので」と気にかかったという。特に冒頭では長野オリンピックのスキーチームに対して西方が「落ちろ」と念じるシーンが入っており、田中は「ご本人がどう思うかとにかく気になってて、会いたくないくらいに思ってたんですけど、撮影途中くらいにお会いして、真っ先にそれを聞いたら『もちろん落ちろとまでは声に出さないけど、似たようなこと思ってたよ』と言ってくれて、もっと最初に会えば良かったなあ」と述懐した。

さらに田中は「映画の中の西方はすごく人間ぽい。主人公主人公してなくて、西方さんが感じてたということを、そのままやっていいですかと聞いたら、『思いっきりそのままやってください』と言ってくださって、また1個ギアが入った」と感謝した。

西方は「私は選手としては出られなくて、非常に複雑な気持ちで参加しました。その中で原田君達が金メダルをとることができて、少しでも自分たちが貢献できたということを非常に嬉しく思っております」と当時のことを振り返る。「最終日に撮った選手とテストジャンパー達の集合写真では、皆の顔がやったぞ! という顔で、『金メダルはあの4人だけじゃなくて、25人皆で支えて獲った』という気持ちがあって、それが今でも誇りになってる。それでこの映画作成にあたって、飯塚監督に、本当に隅から隅まで色々話を聞いていただいた」とこちらも感謝。「リレハンメルから長野に至るまでの繋がりを考えると、今、本当に横にいる原田君に感謝の気持ちをつたえたいです。ありがとうございました」と頭を下げた。

原田も「もう、奇跡だと思うんですよ。子供の頃から本当に一緒に戦ってきた仲間、この選手が本当に奇跡的に長野のあの日、あの場所、あの時にみんな一カ所になった、その奇跡が我々に金メダルを取らせてくれたんじゃないかと思っています」としみじみ。田中は「こんな舞台挨拶ないですからね。名台詞をパクらせていただくと、この映画もそうです。皆さんが最後まで観てくださってエンドロールには数え切れないほどのスタッフや関係者、色んな方々が支えてくださってできています。色んな作品、僕らの人生、1人だけでできることなんて0なんじゃないかと思ってます」と語る。「『皆だよ、皆』というメッセージが、この場所を皮切りに日本に広がっていけばいいなと思っています」と客席にメッセージを贈った。

フォトセッション時には、原田が長野オリンピックの金メダルを取り出し、田中の首にかけるというサプライズも。田中は「グッときちゃいました。撮影の時も持たせていただいたんですけど、何度見ても何度触っても重みを感じますね」と噛みしめていた。