ビジネスシーンでは、さまざまな挨拶メールを使います。初対面の相手にメールで挨拶をする機会も少なくありません。相手にメールで悪い印象を与えないためには、挨拶メールの基本と注意点を理解したうえでシーンに応じた本文を書くことが大切です。
そこで本記事では、挨拶メールの基本や書き方について詳しく解説します。シーンに応じて使える例文や返信例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
挨拶メールの基本とは
ビジネスシーンでは、さまざまな挨拶を行います。
- 新規顧客の開拓
- 新任の挨拶
- 異動の挨拶
- 夏季休暇の挨拶
このようなときに送るメールが「挨拶メール」です。初めての相手にメールで挨拶をするケースもあるので、挨拶メールの基本を押さえておかないと、相手から信用を得られない可能性があります。相手に好印象を与えるためにも、挨拶メールの書き方をしっかり覚えておきましょう。
■目を引くような件名を心がける
多忙なビジネスパーソンともなれば、一日に数十件ものメールに目を通すこともあります。そのため、目を引く文言が記されていない件名のメールは開封率が低くなります。
メールを読んでもらうためには、必ず以下の3点を件名に盛り込みましょう。
- いつの話か
- 何の用件か
- どういう概要か
「セミナーの日程について」のようにシンプルな件名はNGです。目に留まりやすくするためには、「◯月◯日の第二回セミナー日程変更のご案内」のように、メールの内容がひと目でわかる件名にする必要があります。
■書き出しは「宛名」「挨拶」「自己紹介」の順番に
メールの文面はまず宛名から始めます。宛名は、相手の名前を特定できるかどうかで使い分けしましょう。
【相手の名前が特定できる場合】
○○株式会社 人事部
△△様
【相手の名前が特定できない場合】
〇〇株式会社 営業部 御中
また、本文冒頭では「いつもお世話になっております」や「初めてメールを送らせていただきました」などの挨拶文を添えた上で、自己紹介を入れましょう。
■本文は簡潔に
要件以外の内容が長々と書かれているメールは、最後まで読んでもらえない恐れがあります。相手に時間をとらせないためにも、メールの内は簡潔にまとめましょう。
■内容によって結びの言葉を使い分ける
締めの文言は、以下の例を参考にして使い分けましょう。
【一般的な挨拶メール】
- 「どうぞよろしくお願いいたします」
- 「引き続きよろしくお願いいたします」
【確認や依頼をお願いする場合】
- 「ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです」
- 「ご確認いただけましたら、ご一報いただけますと幸いです」
【お詫びのメール】
- 「ご期待に添えず申し訳ございません」
- 「心よりお詫び申し上げます」
【感謝のメール】
- 「誠にありがとうございました」
- 「心より厚く御礼申し上げます」
■署名で所在を明確にする
挨拶メールの最後には、以下のような署名を記載して、こちらの所在を明確にします。
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〇〇株式会社〇〇 △△部 ××課
山田 太郎
〒000-0000 〇〇〇〇
TEL:00-0000-0000 / FAX:00-0000-0000
Mail:xxxx@xxx.co.jp
---------------------------------------
初めてメールを送る相手には署名が名刺の役割も果たすため、以下の情報は漏れなく署名に盛り込んでください。
- 会社名
- 部署名
- 担当者の肩書き
- 担当者名
- 住所
- 電話番号
- FAX番号
- メールアドレス
- Webサイト等のURL
ビジネスシーンでも役立つ挨拶メールの例文【取引先などの社外向け】
ビジネスシーンではさまざまな挨拶をメールで行うので、シーン別の例文を覚えておくと便利です。そこでここからは、そのままでも使えるシーン別の例文をご紹介していきます。
新規顧客に送る挨拶メールの例文
新規顧客の開拓で送る挨拶メールの例文です。
突然のメール失礼いたします。〇〇株式会社 △△部にて営業を担当している××と申します。
本日は、弊社の新商品「〇〇」のご紹介の件でご連絡いたしました。
貴社のサイトを拝見したところ、業務改善にお役立てられるのではと思い、ご連絡させていただきました。
ご興味をお持ちいただけるようでしたら、1時間程度ご説明に伺えればと存じますので、ご都合のいい日時をご教示いただけますと幸いです。
ご多用の折恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
既存顧客に送る挨拶メールの例文
既存顧客に業務の引き継ぎ挨拶をするときの例文です。トラブルを避けるためにも、引き継ぎ挨拶を送るタイミングとメールの内容は前任担当者や上司と相談しておきましょう。
平素は弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。〇〇株式会社 △△部にて営業を担当している××と申します。
この度、前任の△△に代わり貴社の担当として着任いたしましたため、今回ご連絡いたしました。
本来なら直接伺うべきところですが、まずは書面にて失礼いたします。ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、一日も早くお役に立てるよう努めます。
前任の△△同様にご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
夏季休暇の挨拶メール例文
夏季休暇などの長期休暇前には、以下のような挨拶メールを送るといいでしょう。
お世話になっております。
株式会社△△の△△です。
誠に勝手ながら、弊社では夏期休暇のため下記の通り休業させていただきます。
□夏季休業:20XX年○月○日(曜日)~○月○日(曜日)
夏季休暇期間中、急なご用命がございましたら本社営業部(00-0000-0000)までご連絡ください。
内容によりましては休暇期間後の対応となりますので、ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。
年末年始の挨拶メール例文
年末年始の休業期間は企業によって異なるので、休業期間と業務開始日を明確にすることが大切です。お礼や新年への意気込みも簡潔に記載しておくと、さらに印象が良くなります。
いつもお世話になっております。 株式会社△△の△△です。
本年も残すところ、あとわずかとなりました。○○様には格別のご高配を賜りましたこと、心より感謝しております。
なお、弊社の年末年始休業日は下記の通りでございます。
■年末年始休業:20XX年12月28日(曜日)~20XX年1月3日(曜日)
業務開始日は、20XX年1月4日(曜日)となります。
メールで恐縮ではございますが、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
異動の挨拶メール例文
異動の挨拶メールでは、異動先と後任担当者を本文中で明確にしましょう。
いつもお世話になっております。
株式会社△△の△△です。
私事ですが、〇月〇日付で××部へ異動することとなりましたので、ご報告申し上げます。後任は◯◯が担当させていただきます。
後任担当者:◯◯部◯◯課 〇〇 メール:◯◯@◯◯ 電話:000-000-0000
◯◯様の今後のご活躍を、祈念しております。
本来ならばお伺いすべきところ、急な辞令でしたので、メールでのご連絡となり申し訳ございません。あらためまして、後任の〇〇からご連絡させていただきますので、どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
コロナ禍の挨拶メール例文
現時点において、まだまだ新型コロナウイルスの収束の気配は見えません。コロナ禍について必要以上に触れる必要はありませんが、相手を気づかう意味で文頭や結びの言葉で軽く触れるのもよいでしょう。
麦秋の候、貴社におかれましてはコロナ禍においてもますますご活躍のことと、お慶び申し上げます。
中略
外出自粛など何かと不便の多い日が続きますが、皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
挨拶メールの例文【社内向け】
ここまでは社外の人に送る挨拶メールを紹介してきましたが、人事異動で社内の人に挨拶メールを送るケースも考えられます。
社内の人に向けた異動・着任の挨拶メール例文
在宅勤務で直接会うことが難しかったり、勤務地の変更を伴う異動であったり、あるいは社員数が多く一人ひとりへの挨拶が難しいといった場合は、以下の例文を参考に挨拶メールを送ってみましょう。
お疲れ様です。
この度、異動により、〇月〇日付で○○部から○○部に着任いたします△△と申します。
○○部(異動前の部署)では約3年間、営業職として主に新規顧客の開拓を担当しておりました。マーケティング業務は未経験となりますが、一日でも早く仕事に慣れ、皆様の力になれるよう精進してまいります。至らない点もあるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
また、着任前にご用件がございましたら、下記宛てにご連絡いただけますと幸いです。
----------------------------------
部署・氏名
電話番号・メールアドレス
----------------------------------
社内の人に向けた新入社員の入社の挨拶メール
新入社員が社内に向けて送る挨拶メールでは、自己紹介とともに仕事への意気込みを添えるといいでしょう。また、名前のあとによみがなをつけると親切です。
お疲れさまです。
4月1日付で、○○部○○課に配属となりました、△△(よみがな)と申します。
出身は○○県で、趣味は○○です。
今後はご迷惑おかけすることも多々あるかとは思いますが、
いち早く、戦力となれるよう精一杯努力してまいりますので、
ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い致します。
社内の人に向けた中途社員の入社の挨拶メール
中途社員も基本的には新入社員の挨拶メールと変わりませんが、前職での経験を添えるとベターです。
お疲れさまです。
○月○日付で、○○部○○課に配属となりました、△△(よみがな)と申します。
前職は不動産のベンチャー企業で人事部採用チームに在籍していました。
営業に挑戦したいと思い転職しましたので、自分の好きな人材の業界で
営業職として働けることをとても嬉しく思います。
未経験ではありますが、早く戦力となれるよう精一杯努力してまいりますので、
ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い致します。
挨拶メールの注意点やマナー
挨拶メールを書く際には、基本的なルール以外にも注意したいポイントが3つあります。それぞれ、詳しくみていきましょう。
■件名と内容に違いがないか確認する
複数の挨拶メールを同時に作成していると、件名と本文の内容が異なってしまうことがあるので注意してください。
テンプレートや例文を参考にすれば効率よく挨拶メールを作成できますが、流れ作業によるエラーの発生は避けたいところです。
■機種依存文字は使わない
挨拶メールでは機種依存文字を使わないようにしましょう。パソコンの環境によっては機種依存文字が正しく表示されません。
自分が使っているパソコンで問題なく表示されていても、相手には文字化けによる内容不明なメールが表示される可能性もあります。
■緊急性の伝え方に気をつける
目を引く件名を作成するためだけに「緊急」や「重要」などの言葉を使うのは避けましょう。重要性や緊急性がないメールの件名に「緊急」や「重要」を使うと、相手に不信感を与えてしまいます。
挨拶メールに使える時候の挨拶
時候の挨拶とは、メールや手紙などで用いる春夏秋冬それぞれの季節にあわせた挨拶のことで、ビジネスメールでもよく使われます。ここでは各月ごとの時候の挨拶を紹介していきます。
【1月】
- 謹んで新年のお祝いを申し上げます。
- 初春の候、貴社益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 寒さ厳しき折、貴社におかれましてはいよいよご隆盛のこと、お喜び申し上げます。
【2月】
- 大寒の候、貴社におかれましては、益々ご発展の段、大慶に存じます。
- 立春の候、貴社におかれましては、益々ご発展のこととお喜び申し上げます。
- 向春のみぎり、貴殿におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
【3月】
- 浅春の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 春分の候、貴殿におかれましては益々健勝のこととお慶び申し上げます。
- 早春の候、貴社におかれましてはご隆昌のこととお慶び申し上げます。
【4月】
- 陽春の候、貴杜益々ご隆盛のこととお喜び申しあげます。
- 春暖の候、貴社には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 惜春の候、貴社におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
【5月】
- 若葉の候、貴社益々ご発展のことと拝察いたしております。
- 向暑の候、貴社の皆様におかれましてはなお一層ご健勝のことと存じ上げます。
- 新緑の候、皆様にはいよいよご清祥のことと存じます。
【6月】
- 向暑の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 長雨の候、露に輝く紫陽花が美しい時期となりました。
- 梅雨入りが間近に感じられる初夏の候、貴社益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
【7月】
- 盛夏の候、貴社におかれましては益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。
- 梅雨明けの候、より一層ご隆盛のこととお喜び申し上げます。
- 大暑の候 平素は格別なご高配を賜り厚く感謝申し上げます。
【8月】
- 晩夏の候、貴社益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
- 立秋の候、貴社益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
- 向秋の候、貴社におかれましては、益々健勝にお過ごしのことと存じます。
【9月】
- 野分の候、貴社益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
- 新秋の候、貴社益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。
- 秋晴の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
【10月】
- 紅葉の候 貴社益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
- 秋冷の候、貴社におかれましては、益々ご発展の段、大慶に存じ上げます。
- 霜降の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
【11月】
- 霜月の候 貴社益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。
- 暮秋の候、貴社には益々ご発展の段、大慶に存じ上げます。
- 立冬の候、貴社におかれましては、益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。
【12月 】
- 師走の候、益々ご活躍のこととお喜び申し上げます。
- 初冬の候、皆様益々ご活躍のこととお慶びを申し上げます。
- 冬至の候、貴殿におかれましては益々ご健勝の由、何よりと存じます。
挨拶メールの正しい書き方を覚えて失礼のないようにしよう!
相手に悪い印象を与えないためにも、挨拶メールの基本と注意点を理解したうえで、シーンに適した本文を書きましょう。相手に読んでもらうためには、目を引くような件名や簡潔な内容を心がけることも大切です。
例文を覚えておけば、急な挨拶メールの作成で悩むケースも少なくなります。シーンに応じた挨拶メールを送って、相手に気持ちを伝えられるようにしましょう。