1997年、『ラヂオの時間』での映画監督デビュー以来、数多くのコメディ映画を手がける三谷幸喜。意表を突く設定と練りに練られたストーリー、魅力的なキャラクターやセンスあふれるセリフなどで、その作品のとりこになっている人も多いでしょう。監督・脚本はもちろん、俳優としても個性的な演技を披露しています。
とくに昨今の閉塞感あふれる社会状況にあっては、「笑いと感動を同時に味わえる三谷作品に救われた」という人も少なくないかもしれません。脚本を手がけた2022年の大河ドラマ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも見事な手腕を発揮し、話題を集めています。
そこで今回はマイナビニュース男女会員505人にアンケートを実施。「おもしろいと思った三谷幸喜関連の映画作品」とその理由を聞いてみました。果たして、1位に輝いたのはどの作品でしょうか。
「三谷幸喜」の映画人気ランキング
マイナビニュース会員に三谷幸喜関連のおすすめ映画を聞いたところ、以下のようなランキングとなりました。
1位『THE 有頂天ホテル』(2006年公開/16.1%)
2位『記憶にございません!』(2019年公開/13.0%)
3位『ステキな金縛り』(2011年公開/10.4%)
4位『清須会議』(2013年公開/8.3%)
5位『ラヂオの時間』(1997年公開/7.3%)
6位『老後の資金がありません!』(2021年公開/6.5%)
7位『犬神家の一族』(2006年公開/6.3%)
8位『ザ・マジックアワー』(2008年公開/6.0%)
9位『世にも奇妙な物語 映画の特別編』(2000年公開/5.2%)
10位『マルタイの女』(1997年公開/4.9%)
11位『12人の優しい日本人(1991年公開/3.1%)
12位『笑の大学』(2004年公開/2.3%)
13位『シネマ歌舞伎 三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』(2020年公開/1.8%)
13位『みんなのいえ』(2001年公開/1.8%)
15位『三谷幸喜 大空港2013』(2014年)1.0%)
16位『ギャラクシー街道』(2015年公開/0.8%)
17位『竜馬の妻とその夫と愛人』(2002年公開/0.3%)
18位『真夜中まで』(2001年公開/0.0%)
全体的に、彼の作品は独特のキャラクター描写と巧妙なストーリーテリングが魅力です。
歴代映画とアンケート結果を紹介
『スオミの話をしよう』(2024年)
有名詩人・寒川しずおの妻・スオミが失踪。寒川邸にやってきた刑事が捜査を開始するよう進言するが、寒川は取り合わない。やがて寒川邸にかつてのスオミの夫たちが次々と現れる。彼らがそれぞれに語るスオミの思い出は、まるで別人のように違っていて……。この作品では三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督/前田哲
公開年/2024年
『九十歳。何がめでたい』(2024年)
人気作家の佐藤愛子は90歳となった。断筆宣言をした彼女のところには、昭和気質のベテラン編集者・吉川真也が「エッセイを書いてほしい」と日参していた。やがて愛子は吉川の依頼を受けて、歯に衣着せぬエッセイを執筆し、大人気となる……。三谷幸喜は、ホクシー運転手役で出演している。
監督/前田哲
公開年/2024年
『老後の資金がありません!』(2021年公開)
失業、舅の葬儀、浪費癖のある姑との同居など、急な出費と不運が重なり、老後のためにためたお金がみるみる減っていく主婦の大ピンチを描いたコメディ。三谷幸喜は、区役所職員・森口役で出演している。
監督/前田哲
公開年/2021年
ユーザーコメント
・「映画のテーマが、実際に自分が抱えている問題だから」(38歳男性)
・「身近な題材で、天海祐希など出演者も好きだから」(49歳女性)
・「話題のテーマをおもしろく取り扱っている」(41歳男性)
『シネマ歌舞伎 三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』(2020年公開)
歌舞伎座で上演された舞台をデジタル上映した「シネマ歌舞伎」シリーズ。原作はみなもと太郎の歴史ギャグ漫画「風雲児たち」。江戸時代後期、航海中に嵐に襲われロシアに流れついた日本人・大黒屋光太夫が主人公。彼と仲間たちが日本へ帰国しようと奮闘する姿をコミカルに描く。三谷幸喜は作・演出を務めている。
作・演出/三谷幸喜
公開年/2020年
ユーザーコメント
・「出演者が愉快で楽しそうなので好き」(39歳男性)
・「見ごたえがあり、とても好きです」(41歳男性)
・「俳優陣が魅力的だった」(33歳女性)
『記憶にございません!』(2019年公開)
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出典:amazon
史上最低の支持率を叩き出した総理大臣。演説中の彼に向かって一般市民の投げた石が頭にあたり、一切の記憶をなくしてしまう。悪徳政治家から善人へと変わってしまった総理を主人公にした政界コメディ。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2019年
ユーザーコメント
・「総理と市民のコミカルなコミュニケーションがおもしろかったです」(52歳男性)
・「総理大臣が記憶をなくしてさまざまな騒動を起こすストーリーがおもしろかった」(63歳男性)
・「よくありそうな話題を取り上げる目の付け所がよく、うまく表現した内容だった」(71歳男性)
・「ユーモアがありテンポもよく、ひねりもあってまとまりのある作品だと思います」(50歳女性)
・「普通ではありえないが、その普通でないことでいい社会と笑いを生み出しているところ」(42歳男性)
・「悪態をついて支持率最低の悪人とも言える総理が、記憶喪失になって善人になってしまう点がおもしろかった」(66歳男性)
・「やけくそ気味に『記憶にございません』と言う総理大臣のセリフが、現在の政治家の実態をひにくって伝えている。大胆な表現が見事で、見ていて気持ちよく大変おもしろかった」(63歳男性)
・「コミカルな演技とはかけ離れた存在だと思っていた中井貴一が、見事に総理大臣役をおもしろく演技していた」(69歳男性)
・「中井貴一の正気なのか本当に記憶喪失なのかわからない演技と小池栄子のからみが非常におもしろく、結構楽しんでみることができた」(78歳男性)
・「おもしろくて笑いながら見ていたのですが、終わってみると意外にもハートウォーミングないい話だった」(47歳女性)
・「記憶をなくしてやさしくなった総理が、とても笑えて少し泣けて、おもしろかった」(51歳男性)
・「荒唐無稽な設定でありながらコミカルに描いていておもしろかったから」(42歳男性)
『ギャラクシー街道』(2015年公開)
三谷映画初の宇宙を舞台とした作品。西暦2265年、スペースコロニー「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路「ギャラクシー街道」。その街道にあるハンバーガーショップの店員、客たちとのやりとりを描いたSFシチュエーションコメディ。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2015年
『三谷幸喜 大空港2013』(2014年公開)
完全ワンシーン・ワンカットで撮影された群像コメディ。ある飛行機が悪天候のため、地方空港に緊急着陸することになったのだが……。その空港で、乗客や空港関係者らが思わぬ騒動に巻き込まれていく。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2014年
ユーザーコメント
・「期待せずに見たが、予想に反しておもしろかった」(59歳男性)
・「テンポがよく、おもしろくて好きです」(34歳女性)
・「一番印象に残っている」(70歳男性)
『清須会議』(2013年公開)
1582年に実際にあった織田家の継嗣問題および領地再分配に関する会議「清洲会議(清須会議)」。この会議を題材にした三谷幸喜の小説を原作に、自ら脚色しメガホンをとった作品。三谷幸喜は原作・監督・脚本を務めている。
原作・監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2013年
ユーザーコメント
・「有名な歴史的出来事をおもしろおかしく、わかりやすく伝えてくれるので」(44歳男性)
・「ユーモアを交えながら信長の後継者を決める演出がすばらしい!」(73歳男性)
・「名役者たちがそれぞれいい味を出している。この話を映画化しようとした三谷監督の発想もなかなか」(48歳男性)
・「監督の個性や得意分野などいろいろないい面が凝縮された作品だと思う」(52歳男性)
・「歴史オタクも満足する知識と演者の力量、脚本のおもしろさが最高潮だった」(40歳女性)
・「三谷監督の作品はどれも好きなのですが、この『清州会議』の着眼点はおもしろく感じて、作品自体もおもしろかったです。日本統一の頂点は誰に決めるのかを会議で決めるという着眼点です。うなりました。世界史レベルではわかりませんが、歴史上でもまれな会議での決着。その後に仕上げの戦いがありますが、雪崩を打って秀吉側につくことになる会議のやり取りをコメディタッチで描いていく。おもしろいです」(58歳男性)
・「キャストの多彩さに脱帽! 中でも役所広司には驚いた。あんなに演技の幅がある人だとは。何度でも見たい!」(60歳女性)
・「歴史上の大きな出来事も、三谷氏独特の解釈によりユーモアたっぷりに楽しく見ることができた」(51歳男性)
・「時代劇ではあるがコメディタッチで、他とは異なる異色な趣が印象的だった」(62歳男性)
『ステキな金縛り』(2011年公開)
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出典:amazon
殺人事件を担当する三流弁護士が弁護のため、被告人のアリバイを証明できる唯一の証人である落武者の幽霊を、法廷で証言させようと奮闘する法廷サスペンスコメディ。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2011年
ユーザーコメント
・「昔の武者と金縛りを結び付ける発想がおもしろいと思った」(61歳男性)
・「設定がユニークで、とにかくおもしろい。文字どおり抱腹絶倒した」(63歳男性)
・「ダメ弁護士や落ち武者の幽霊ほか、登場人物とのやりとりがおもしろかったです」(46歳女性)
・「西田敏行さんが好きだからです。ほのぼのとしたユーモアセンスたっぷりの作品で傑作でした」(51歳男性)
・「西田敏行さんと深津絵里さんが出演されていましたね。お二人とも演技が上手でした。三谷作品はどれもコミカルで楽しいです」(56歳女性)
・「深津絵里さんと西田敏行さんの法廷での掛け合いが本当におもしろい。幽霊役・西田さんの演技はおもしろおかしく、そして切なく悲しいといった喜怒哀楽の表現が秀逸。何度見ても楽しい作品です」(62歳男性)
・「西田敏行と中井喜一の演技がとてもよかった。笑えるシーンが他の三谷作品よりも多く、設定もジャンルにとらわれない自由さがあり、円熟した映画作品という満足感があった」(41歳男性)
・「金縛り=怖いと思っていたのに終始笑える作品で、キャストもいいし何回見ても楽しい」(43歳女性)
『ザ・マジックアワー』(2008年公開)
2組の犯罪組織がにらみ合う港町で起きる事件と騒動を描いたコメディ。組織のボスの愛人と関係を持ってしまったある男性が、伝説の殺し屋・デラ富樫を連れてくるよう、ボスから命じられるが……。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2008年
ユーザーコメント
・「三谷作品は独特で全作品好きなのですが、役者さんの演技がすごく効いていて印象的な作品です。何度見てもワクワクさせてくれる傑作」(58歳男性)
・「マジックアワーが映画の中でも1番好き。勘違いで物語が進んでいくのがおもしろい」(35歳女性)
・「展開がコロコロ変わりおもしろい」(33歳女性)
『犬神家の一族』(2006年公開)
1976年に公開された同名映画のリメイク作品。昭和22年、ある財閥の当主が亡くなった後に起きた殺人事件、遺産相続トラブルを描く心理サスペンス。三谷幸喜は、ホテルの主人役で出演している。
監督/市川崑
公開年/2006年
ユーザーコメント
・「横溝正史の往年の名作が、原作を踏まえつつ、新たな観点からうまく表現されていたから」(62歳男性)
・「ハラハラドキドキで、のめりこんで見た。強烈な印象が残っています」(69歳女性)
・「『犬神家の一族』は怖さもあり、とても印象に残っている」(69歳男性)
『THE 有頂天ホテル』(2006年公開)
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出典:amazon
「グランド・ホテル形式」そのままに展開する群像劇。高級ホテルの副支配人・新堂の使命はあと2時間に迫った新年のカウントダウン・イベントを無事に済ますことだが、次々と困った事態が起こる。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2006年
ユーザーコメント
・「発想がユニークなのに、わかりやすくて笑えるのがすばらしい」(44歳男性)
・「見ていて単純におもしろいと思った。映画を楽しむのに理屈はいらない」(71歳男性)
・「つぎからつぎへとくる仕掛けや伏線に興味をひかれる」(41歳男性)
・「ホテルで繰り広げられる、ホテルマンと訳アリのお客さんをコミカルに描いて笑える。キャストが豪華で見ごたえがある」(59歳女性)
・「夢をあきらめたもの、マスコミに追われるもの、カウントダウンを楽しみにしているもの……。大みそかのホテルで人それぞれのこれからの生き方や人間模様が複雑に絡み合い、いい作品に仕上がっていると思います」(54歳男性)
・「エンドロールで『出演してたの? いつ??』と思うキャストが複数いたり、細かいツッコミどこがありクスっとできるところが多く、数回見ても発見がある」(56歳女性)
・「個人的には、三谷映画の真骨頂で集大成だと思っている」(48歳男性)
・「ベテラン、大物の俳優さんたちが、全力でおもしろい演技に振り切っている姿が大好きです。撮影現場では笑いをこらえるのが大変だったんじゃないかなと思えるくらい、あらゆる場面が楽しくておもしろかったです」(45歳女性)
・「それぞれの登場人物のストーリーが1本になっていく過程がすごかった」(43歳男性)
・「思いっきり笑った作品だから」(39歳女性)
『笑の大学』(2004年公開)
自身が書いた演劇台本を三谷幸喜自ら映画用に脚色したコメディで、密室劇の映画化という異色作。昭和15年、演劇に規制が掛かる中、上演禁止をもくろむ検閲官と、上演のため検閲官から突きつけられた無理難題に挑む劇作家の攻防を描く。三谷幸喜は原作・脚本を務めている。
監督/星護
原作・脚本/三谷幸喜
公開年/2004年
ユーザーコメント
・「役所広司さんと稲垣吾郎さんの掛け合いがおもしろかったです」(53歳女性)
・「東京サンシャインボーイズの舞台だった頃から好きな作品」(46歳男性)
・「おもしろみのある構成だから」(43歳男性)
『みんなのいえ』(2001年公開)
三谷幸喜の実体験を脚色し、映画化したコメディ。脚本家の夫婦が新居を建てることになったが、こだわりの強い棟梁とインテリアデザイナーの考えが合わず……。夫婦が想像もしていなかったトラブルが次々に起こる。三谷幸喜は監督・脚本を務めている。
監督・脚本/三谷幸喜
公開年/2001年
ユーザーコメント
・「田中直樹さんのやさしい人柄が出ていて好きです」(44歳女性)
・「三谷幸喜さんらしい、いい映画だった」(59歳女性)
・「楽しめてほんわかとする作品」(65歳男性)
『竜馬の妻とその夫と愛人』(2002年)
坂本竜馬暗殺から13年がたつ明治時代、竜馬と関係があった男女4人の愛と騒動を描くラブコメディ。監督を務めたのは、『トニー滝谷』の市川準。自作の舞台台本を三谷幸喜が自ら脚色している。
監督/市川準
原作・脚本/三谷幸喜
公開年/2002年
ユーザーコメント
・「坂本竜馬自体を扱った映画は数あるが、竜馬の奥さんなどを扱ったところがよかった」(70歳男性)
『真夜中まで』 (2001年公開)
偶然、殺人事件を目撃してしまったジャズ・トランぺッターの男性と不法滞在の外国人女性が逃避行する様子をコメディタッチで描いた作品。三谷幸喜は、深夜にテレビ映画を見ている男役で出演している。
監督/和田誠
公開年/2001年
『ラヂオの時間』(1997年公開/7.3%)
コンクールに応募した脚本がラジオドラマに採用された主婦。作品は生放送となり、彼女が見守る中でリハーサルも終わるが、主演女優のワガママを発端に脚本に次々と変更が加わり、やがて……。三谷幸喜は監督・脚色を務めている。
原作・監督・脚色/三谷幸喜
公開年/1997年
ユーザーコメント
・「昔の深夜ラジオの雰囲気がよく出ていた」(56歳男性)
・「個性的な人々の物語が重なり合っていて、最後まで飽きない」(44歳男性)
・「制作現場での理想と現実のギャップを埋めるスタッフの姿が描き出されており、ほかの作品にはない視点からの取り上げ方がすばらしかった」(49歳男性)
・「特に、初期のころの作品にはあふれるパワーや才能が感じられる(最近作がダメというわけではない)」(66歳男性)
・「劇中ラジオドラマの話が二転三転してしまい、めちゃくちゃのなか、最後にうまいこと収まって、そのごたごたを知らず聞いていたトラックの運転手が涙流して大感動する様がおかしかった」(39歳女性)
・「各登場人物に次々ストーリーが展開して膨らみつつ、全体のストーリーがまとまっていく様がとてもおもしろいと思う。脚本もいい!」(50歳男性)
・「出てくる人みんなが、それぞれ一生懸命に番組を作り上げている感じがよかった」(61歳女性)
・「思わずクスッとさせられる展開が続く名作」(38歳男性)
『マルタイの女』(1997年公開)
「マルタイ」は身辺保護対象者という意味で、映画には身辺保護を受けたことがある伊丹監督の実体験が盛り込まれている。殺害事件を目撃し、重要証人となった女優が主役の社会派コメディ。三谷幸喜は、企画協力で参加している。
監督/伊丹十三
企画協力/三谷幸喜、細越省吾
公開年/1997年
ユーザーコメント
・「本来は難しいテーマなのではないかと思いますが、独自のテイストでおもしろかったです」(46歳男性)
・「三谷幸喜が関わった映画で1番最初に見た作品。印象的でおもしろかった」(37歳女性)
・「最初に見たときのインパクトが今でも残っている」(55歳男性)
『12人の優しい日本人』(1991年公開)
三谷幸喜が主宰していた劇団「東京サンシャインボーイズ」の人気舞台を映画化した作品。陪審員制度が存在する日本を舞台に12人の陪審員たちが、ある殺人事件の被告人について有罪か無罪か審議する様子をコメディタッチで描く。三谷幸喜は原作・脚本を務めている。
監督/中原俊
原作・脚本/三谷幸喜、東京サンシャインボーイズ
公開年/1991年
ユーザーコメント
・「三谷幸喜が関わっている映画で最初に見た作品であり、インパクトがあった」(47歳男性)
・「オチがおもしろいと思いました」(50歳女性)
・「予想外の展開がおもしろい」(47歳男性)
「三谷幸喜」に関する映画まとめ
マイナビニュース会員に、最もおもしろいと思った三谷幸喜の映画作品を聞いたところ、1位に輝いたのは『THE 有頂天ホテル』(16.1%)だった。以下、2位『記憶にございません!』(13.0%)、3位『ステキな金縛り』(10.4%)、4位『清須会議』(8.3%)、5位『ラヂオの時間』(7.3%)と続く。
1位『THE 有頂天ホテル』は、1932年のアメリカ映画『グランド・ホテル(Grand Hotel)』が原型となった「グランド・ホテル形式」を採用した群像劇。ホテルの副支配人・新堂平吉を演じた役所広司を主軸に、ホテルに集う人々の人生模様を大みそかの22時から年明けまでの2時間という、限定された空間・時間で描いている。アンケートでは、複雑に絡み合う人間関係やストーリーを巧みに描く演出のほか、オールスターキャストの出演陣の豪華さに触れる声もあった。
2位『記憶にございません!』は、演説中に受けた投石が原因で記憶を無くした内閣総理大臣・黒田啓介を中井貴一が演じたポリティカル・コメディ。傲慢な態度や度重なる暴言・失言で、史上最悪の内閣支持率2.3%を記録していた黒田が記憶喪失以降、周囲のサポートを受けながら奮闘する姿が描かれている。
3位『ステキな金縛り』は、妻殺しの容疑がかけられた被告人の弁護を担当するダメ弁護士・宝生エミ(深津絵里)と、被告のアリバイを証明できる唯一の証人である落武者の幽霊、更科六兵衛(西田敏行)が主人公。エミが、落武者の存在を周囲に理解させようと奔走するさまを描く。アンケートでは幽霊と法廷ものという設定のユニークさや、登場人物の掛け合いのおもしろさを楽しんでいる人が多かった。
4位『清須会議』は、実際にあった史実である清洲会議(清須会議)に基づく三谷幸喜の小説を、自身が映画化したもの。本能寺の変で織田信長(篠井英介)が討たれたのちに、後見人に名乗りを上げた柴田勝家(役所広司)と羽柴(豊臣)秀吉(大泉洋)の、それぞれが推す後継者をめぐって行われた会議が舞台となる。寄せられたコメントでは、史実をもとにしながらもエンターテインメントに仕上げられた脚本や、俳優陣の心理戦に好感をよせるものが目立った。
5位『ラヂオの時間』は、三谷幸喜の映画監督デビュー作品。ごくごく普通の主婦である鈴木みやこ(鈴木京香)がコンクールに応募した脚本がラジオドラマに採用される。熱海を舞台にした平凡な主婦と漁師のラブストーリーだったはずが、生放送を前にしてさまざまな変更が重なり、次第にアメリカが舞台の壮大なアクション作品へと変貌していく。寄せられた声では「制作現場でのスタッフの奮闘が伝わってくる」など、その臨場感を評価するものが印象的だ。
コメディをベースにおきながら、さまざまなアイディアで作品ごとに新鮮な驚きを与えてくれる三谷幸喜作品。今回のアンケートでも、それぞれの作品での斬新な設定や、伏線に富んだトリッキーなストーリー、魅力あふれる人物描写に好感を示した意見が多かった。また、中井貴一や役所広司、佐藤浩市など、それまでは喜劇色がそれほど強くなかった俳優を起用するなどの“キャスティングの妙”も評価されている。
2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本を手掛けていることでも話題の三谷幸喜。今後も、舞台・テレビ・映画などさまざまな作品で私たちを楽しませてくれるに違いない。
調査時期: 2022年9月10日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計510人(男性: 401人、女性: 109人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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