「賞味期限」と「消費期限」、いつも何気なく目にしている表記ですが、違いを説明することはできますか? 実は似ているようで全く違う2つの表記。正しい意味を覚えると食品ロスや食中毒防止にも役立ちます。

この記事では、「賞味期限」と「消費期限」の違いや意味について解説します。期限はどう決められるのか、期限の表示がない食品がある理由や、品質保持期限など食品の期限にまつわる歴史、英語表現もまとめました。

  • 「賞味期限」と「消費期限」の違いと定義

    賞味期限と消費期限の違いを解説

賞味期限と消費期限の違い、定義をわかりやすく解説

「賞味期限」と「消費期限」の違いや定義は知っておいて損はありません。冷蔵庫の中の食材の使い切る順番がわかると、無駄なくお財布にも優しい献立作りができるでしょう。

賞味期限と消費期限の違いは傷みやすさ・期限切れの場合の安全性

「賞味期限」と「消費期限」の違いは、食品の傷みやすさです。お肉やお魚、お弁当やケーキなど傷みやすい食材は「消費期限」で表示され、牛乳やハム、缶詰や冷凍食品など傷みにくい食材は「賞味期限」で表示されています。

それぞれの食材の傷みやすさや、期限が切れたらすぐに安全性が損なわれる危険があるかどうかを考慮しながら、「賞味期限」にするか「消費期限」にするかを判断しているのです。

賞味期限とはおいしく食べられる期限という意味

「賞味期限」とはその食材が「おいしく食べられる期限」のことを指します。

未開封の場合は賞味期限を過ぎてもしばらくは食べることができますが、おいしい状態ではない可能性があるということです。

賞味期限が過ぎてから食べられなくなるまでは、食材や保存環境などにもよって期間が変わるのでその都度調べてみましょう。

とはいえ賞味期限がまだ過ぎていないからといって、開封済みのものを放置しておくのは危険です。賞味期限とは未開封の場合を想定しているので、開封後はどんな食材でもなるべく早く消費するようにしましょう。

消費期限とは安全に食べられる期限という意味

「消費期限」とはその食材が「安全に食べられる期限」のことを指します。

主に加工や調理前の肉や魚、お弁当など日持ちしない食材に定められていて、5日程の間に劣化すると想定される食材が対象です。

消費期限を過ぎてから食材を食べると、食中毒や寄生虫などの問題を引き起こしてしまう可能性があります。消費期限が過ぎたものは食べないほうが望ましいでしょう。

劣化の早い消費期限が記載されている食品は、購入してすぐ小分けにして冷凍などすると消費期限よりも長く保存することができます。保存方法や最長保存期間は食材によって違うため、随時調べてから保存してください。

  • 「賞味期限」と「消費期限」の決め方

    賞味期限と消費期限の違いと定義

賞味期限と消費期限の決め方 - 厚生労働省と農林水産省の指針を基に設定

食材によってバラバラな「賞味期限」と「消費期限」ですが、いったい誰がどのようにして決めているか知っていますか? 意外と知られていない期限の決め方などを解説していきます。

製造業者が劣化具合を判断して決める

食材や商品の「賞味期限」と「消費期限」を決めるのは製造業者になります。

製造業者は厚生労働省と農林水産省が出す「食品期限表示の設定のためのガイドライン」に沿って、「賞味期限」と「消費期限」を決めるために「消費(賞味)期限設定試験」という検査を行います。この検査の項目を参考に、食品を食べるのに最適な期間を割り出しているのです。

ちなみに「消費(賞味)期限設定試験」は以下3つの試験項目から成り立っています。

「賞味期限」と「消費期限」を決めるための試験項目
【理化学試験】
科学的試験と物理的試験を行い、食品の水分・水分活性・pH・酸価・過酸化物価などを調べてデータを割り出していきます。

【微生物試験】
食品の汚染指標菌や食中毒菌を調べます。食品によって特性が違うため検査項目を変えて色々な微生物や菌の動きを調べていきます。

【官能評価】
外観観察や食味・食感など実際に人間が感じることを行って試していく試験になります。

さまざまな人の手間や時間がかかって、毎日安全な食品を見分ける指標が作られています。知らないところで自分の食生活が支えられていることに気付くと、食品の見方が少し変わっておもしろいかもしれません。

  • 「賞味期限」と「消費期限」の決め方

    「賞味期限」と「消費期限」の決め方

賞味期限と消費期限の表示がない食品も

久しぶりに冷凍庫や冷蔵庫の中身を断捨離していると、期限の年月日が記載されているものだけでなく、年数と月しか表示されていないものや、期限の記載が全くないものなど、食品によって期限の表示の仕方が違うことに気が付くでしょう。

例えば日付の記載のみ無い食品は「製造もしくは加工後3カ月以上、安全かつおいしく食べることができる食品は年数と月のみの表示で良い」とされています。

また期限がそもそも無い食品に関しては「長期間保存しても食品の品質や味わいがほとんど劣化しないものは記載がいらない」と定められています。期限の無い食材の例としては、常温で長期間置いていても劣化や変化をしない砂糖や塩、常時冷凍されているため劣化する機会がないアイスクリームなどです。

期限が無い食材は劣化しにくいため、安くなったタイミングで購入して大量保存したり、コストコや業務用スーパーなどで多めに買い置きしたりしておくのもいいでしょう。

  • 「賞味期限」と「消費期限」の表記

    劣化や変化をしない食品には期限の記載がありません

賞味期限と消費期限の表記の歴史

「賞味期限」と「消費期限」の表記が安定するまでには多くの試行錯誤がなされ、かつては「製造年月日」が表示されていたり、「品質保持期限」というものが記載されていたりしました。

今の表示に落ち着くまでの道のりを紹介します。

「品質保持期限」は統一されて「賞味期限」に

食品の「賞味期限」や「消費期限」の表示には食品衛生法とJAS法という法律が絡んでいます。そのことから少し前までは賞味期限の名称がもう1種類ありました。

具体的には、食品衛生法では「賞味期限」のことを「品質保持期限」と表示し、JAS法ではそのまま「賞味期限」と表示されていたのです。

しかし、「消費期限」の表記は1つだったため、「賞味期限」の表記も1つにしようということで平成15年に「賞味期限」の名称で統一されました。

「製造年月日」をつける義務が無くなった理由

以前は製造年月日を記載することが決められていましたが、平成7年から製造年月日の記載は任意制になりました。

その代わりに、賞味期限と消費期限のどちらかを必ず記載することが義務付けられました。

  • 「賞味期限」と「消費期限」の表記

    「賞味期限」と「消費期限」の表記の歴史

賞味期限と消費期限を英語で表記すると?

昔は製造年月日しかなかった日本では昭和60年に「賞味期限」と「消費期限」が採用されました。これは輸出していた各国には記載があったため、国際規格である期限表示を求められたのが導入した理由のひとつと言われています。

「賞味期限」と「消費期限」の英語表記を覚えて海外でも会話の中で使えるようにしましょう。

賞味期限は「best before date」

賞味期限は「best before date」や「best by date」などを使うことが多く、「best if used by date」で表されることもあります。

「best by date」や「best if used by date」がアメリカ英語、「best before date」がイギリス英語と表現されることもあるそうです。

【賞味期限の読み方】

・「best by(日付)」

best by 11 OCT 2021

→賞味期限 2021年10月11日

・「best if used by(日付)」

best if used by 27 SEP

→賞味期限 9月27日

・「best before(日付)」

best before DEC 07

→賞味期限 12月07日

消費期限は「expiration date」

消費期限は「use-by date」と表記されることが多く、「expiration date」や「expiry date」も使われることがあります。

「期限」をアメリカ英語にすると「expiration」、イギリス英語にすると「expiry」と表示することが多いようです。

つまりアメリカでは「expiration date」、イギリスでは「expiry date」を使い、「use-by date」はアメリカでもイギリスでも使われています。

【消費期限の読み方】

・「use by + 日付」

use by 04 2021

→消費期限 2021年4月

・「EXP:日付」

EXP: May 2021

→消費期限 2021年5月

  • 「賞味期限」と「消費期限」を英語で表記すると

    「賞味期限」と「消費期限」を英語で表記すると?

【まとめ】期限の違いを覚えて食べ物を大切に! 食品ロスや食中毒を防ごう

賞味期限は「おいしく食べられる期限」、消費期限は「安全に食べられる期限」といった違いがあることが分かりました。2つの違いを覚えておけば、普段使う食材の優先順位を見極めることができます。

食品ロスや食中毒を防ぐために、まずは期限が近い食材から消費することを心がけ、おいしく食事を楽しみましょう。