ドラマや映画に引っ張りだこで、演技の振り幅が魅力の俳優・磯村勇斗(28)。『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で江戸幕府第14代将軍・徳川家茂役として大河ドラマデビューも果たし、ますます注目が高まっている。

大河ドラマ『青天を衝け』徳川家茂役の磯村勇斗

2017年度前期の連続テレビ小説『ひよっこ』では好青年の“ヒデ”こと前田秀俊、『今日から俺は!!』シリーズでは最凶ヤンキー・相良猛、『恋する母たち』(TBS)では既婚の上司と恋に落ちる会社員・赤坂剛と、さまざまなキャラクターを演じてきた。『青天を衝け』と同時期に放送されている『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京)では、裏社会に生きる“ぺい”こと杉三平を熱演し、「ぺいと徳川家茂のギャップすごい」「同じ人物とは思えない」と、またも視聴者を驚かせている。

そんな磯村にインタビューし、大河ドラマ初出演の心境や役作り、家茂の正室・和宮役の深川麻衣や徳川慶喜役の草なぎ剛との共演の感想など、話を聞いた。また、作品によって全く異なるキャラクターを生み出す自身の演技について、表情は意識せず「気持ちだけ」「役に忠実に生きるだけ」と語ってくれた。

――『青天を衝け』への出演が決まった時の心境をお聞かせください。

大河ドラマは初めてだったので、お話をいただいたときは自分にできるのかなという不安が強かったのですが、朝ドラに出演させていただいてから、いつか大河にも挑戦してみたいという気持ちがあったのでうれしかったですし、『ひよっこ』でお世話になったスタッフさんたちもいらしたので、またご一緒できることも楽しみにしていました。

――不安に感じた部分はどんなところでしょうか。

時代モノは所作も言葉遣いも現代とは違い、俳優として自分がこれまでやってきたこととは別のスキルが必要だというところです。いろいろと習得することが多く、ドキドキしました。

――立ち振る舞いや所作はどのように習得されましたか?

クランクイン前に所作の指導の先生にしっかりと教えていただき、将軍としての姿勢や歩き方、手の置き方を勉強して臨みました。あとは現場でその都度、わからないことがあったら先生に聞きながら、家茂を作り上げていきました。

――所作は難しかったですか?

難しいですね。所作=制限とつい考えてしまい、やりづらい部分はありますが、演じるにあたって実はそのときそのときの家茂の感情が一番大事なんだと感じました。所作も気持ちで乗り越えることができたと思うので、難しかったですが新しい発見もあって面白かったです。

――役者としての自信につながりましたか?

そうですね。所作は勉強すればするほど身につきますし、時代のことも含めて勉強すれば自分のものにできるので、一個ずつ武器が増えていったような気がしましたが、まだまだ未熟なのでもっと勉強していきたいです。