「百折不撓」は、座右の銘を聞かれたときなどに使用すると、相手に好印象を与えられる言葉です。では、「百折不撓」とはどのような意味を持つ四字熟語なのでしょうか。

この記事では、「百折不撓」の意味や正しい使い方、また英語表現などについて詳しく解説します。しっかりと理解し、ビジネスシーンで活用できるようになりましょう。

  • 「百折不撓」の意味と読み方

    「百折不撓」とは? 意味をわかりやすく解説

「百折不撓」の意味と読み方

「百折不撓」は「ひゃくせつふとう」と読み、「何度失敗しても立ち上がり、信念を曲げないこと」を意味する四字熟語です。

目標に向かって強い志を持っている人のことを「百折不撓の精神がある」などと言います。前向きな言葉なので、座右の銘にしている人もいるでしょう。ビジネスシーンでも違和感なく使えますが、「百折不倒」と書き間違えないように注意してください。

「百折不撓」の由来

「百折不撓」の由来は、中国の蔡邕(さいよう)という人物が記した「橋大尉碑(きょうたいいのひ)」の碑文という説があります。

中国の後漢時代、橋玄(きょうげん)という真面目な政治家が、特定の人物の悪さを暴くなど熱心に仕事をしていたため、悪人などから恨まれていました。

ある日、橋玄に恨みをもっていた強盗犯が彼の息子を誘拐します。強盗犯は包囲されましたが、橋玄の息子に危険が及ぶために突入はできません。しかし、橋玄は息子の命よりも国の治安維持を優先して突撃を命令し、彼の息子は命を落としました。

この話をうけた蔡邕は、「くじけない心を持ち、国の大事に臨んでも動じなかった」という意味の「百折不撓、大節に臨みて奪う可からざるの風有り」という言葉を碑文に記したのです。

  • 「百折不撓」の意味と読み方

    「百折不撓」は志の強さを意味する前向きな言葉です

「百折不撓」の使い方と例文

「百折不撓」は意志の強さを表す四字熟語なので、ビジネスでも活用できます。

「何度失敗しても百折不撓の精神で立ち向かうつもりです」

意志の強さをアピールしたいときに使える例文です。ビジネスでは失敗がつきものですが、百折不撓の精神で立ち向かえば、成功する可能性が高まるでしょう。

「彼の意志の強さは百折不撓だ。だからこそチャンスが訪れたのだろう」

諦めずに何度もチャレンジする人を褒めるときに使える例文です。強い意志で諦めなければ、思わぬビジネスチャンスが訪れるかもしれません。

「百折不撓」の類義語

「百折不撓」の類義語を紹介します。

独立不撓

「独立不撓(どくりつふとう)」は、「他人に頼ることなく自分の力だけで行動し、困難にくじけないこと」を意味する四字熟語です。

「他人に頼ることなく」という意味合いは百折不撓と異なりますが、「困難があってもくじけない」という強い意志を表しているので、類義語として使えます。

七転び八起き・七転八起

「七転び八起き(ななころびやおき)」は、「何度失敗してもそのたびに立ち上がること」を意味します。「七転八起」という四字熟語と意味は同じです。どちらも意志の強さを表しているので、百折不撓の類義語になります。

ただし、よく似た漢字の「七転八倒(しちてんばっとう)」は、「何度も転んでは倒れて苦しむこと」を意味する四字熟語なので、間違えないように注意しましょう。

不撓不屈

「不撓不屈(ふとうふくつ)」は、「強い意志で、どんな困難や苦労にも心がくじけないさま」を表する四字熟語です。百折不撓と同じく「不撓不屈の精神」といった言い方もします。

「百折不撓」の対義語

「百折不撓」の対義語を紹介します。

戦意喪失

「戦意喪失(せんいそうしつ)」は、「やる気を失うこと」や「立ち向かう意志がくじけること」を意味する四字熟語です。「意志がくじける」という意味合いが含まれるので、百折不撓の対義語になります。「戦意消失」と誤用しないように注意しましょう。

意志薄弱

「意志薄弱(いしはくじゃく)」は、「意志が弱く決断できないさま」や「人の意見で決めたことを翻すこと」などを意味する四字熟語です。志の弱さを表しているので、百折不撓の対義語として使えます。

  • 「百折不撓」の対義語

    「百折不撓」の類義語と対義語は?

「百折不撓」の英語表現

「百折不撓」の英語表現を紹介します。

indefatigability

「百折不撓」とそのまま訳して使えます。「不屈不撓」という意味もあるので、意志の強さを英語で表現したいときに役立つでしょう。

indomitableness

こちらも「百折不撓」や「不撓不屈」などの意味で使います。形容詞で使う場合は「indomitable spirit(不撓不屈の精神)」のようになります。

「百折不撓」の精神で困難を乗り切ろう!

「百折不撓」とは、「何度失敗してもくじけず立ち上がり、信念を曲げないこと」を意味する四字熟語で、座右の銘で使う人も多いです。仕事をしていると、くじけそうになったり、諦めかけたりすることは多々ありますが、「百折不撓」の精神でビジネスを成功へと導きましょう。