成田線活性化推進協議会とJR東日本千葉支社・東京支社は今年度、成田線我孫子~成田間の開業120周年記念事業を実施する。この一環で記念列車が運行されることになり、4月30日に我孫子駅4番線ホームで出発式が行われた。

  • 成田線我孫子~成田間の開業120周年を記念し、帯色を「横須賀色」(クリーム色・青色)に変更したE231系が登場。我孫子駅で出発式が行われた

成田線我孫子~成田間の開業120周年記念列車は、常磐線・成田線で運用されるE231系1編成(5両編成)を使用。帯色を変更し、1990年代後半まで我孫子~成田間を走行していた車両をイメージした「横須賀色」(クリーム色・青色)のカラーリングとした。両先頭車に開業120周年記念の特製ヘッドマークを掲出しており、11号車(クハE230-79)のヘッドマークはE231系と103系、15号車(クハE231-79)のヘッドマークはE231系とともに沿線の風景などデザインしている。

記念列車は我孫子駅10時47分発・成田駅11時28分着の普通列車から運行開始。我孫子駅で出発式が行われ、沿線市町や成田線活性化推進協議会の関係者らが出席した。

  • 我孫子駅4番線ホームにて出発式を開催。記念列車は10時26分頃に入線した

  • 「横須賀色」の帯色となったE231系の外観。両先頭車にデザインの異なる特製ヘッドマークを掲出している

出発式で挨拶したJR東日本東京支社我孫子駅長、村田憲治氏は、1901(明治34)年2月2日に成田~安食間、同年4月1日に安食~我孫子間が開業したことを紹介した上で、「今年、開業120周年を迎えられたのも、成田線沿線地域の皆様の支えがあったからこそだと思います」「コロナ禍の厳しい状況ではありますが、地域の皆様と連携して成田線の魅力を発信し、多くのお客様に足を運んでいただき、沿線地域の発展につなげたい」と述べた。

「横須賀色」の帯色となったE231系は10時26分頃、我孫子駅4番線ホームに入線。その後、出席者によるテープカットと記念撮影が行われた。この日は我孫子市内の小学生3名が1日駅長を務め、村田駅長とともに記念列車の発車合図を行った。

  • 我孫子市内の小学生3名が1日駅長を務め、記念列車の発車合図を行った

我孫子駅を発車した記念列車は、途中の各駅に停車しつつ、成田駅へ向けて走行。沿線では、「成田線ありがとう! これからもよろしく!」という感謝の気持ちを込め、児童・園児らが記念列車に手を振る企画が実施されたという。成田駅にて、記念列車の到着式も行われた。記念列車は我孫子~成田間の限定運用を5月末頃まで予定しているとのことだった。

成田線我孫子~成田間の開業120周年記念事業では、他にもさまざまな企画を用意している。成田線活性化推進協議会のサイトでデジタル写真展が行われ、市民から提供された鉄道写真を中心に掲載するほか、写真の一部は成田線・常磐線の各駅や東京駅、品川駅、新宿駅などのデジタルサイネージで定期的に放映される予定。我孫子駅の手作り台紙を使用した塗り絵の展示会、湖北駅での中央学院高等学校書道部による記念展示、沿線の小学5年生と中学2年生を対象に成田線の絵を描いてもらう絵はがきコンクールも行われる。10月以降、JR東日本「駅からハイキング&ウォーキング」の第2~4弾が開催される予定となっている。