JR東日本横浜支社が12月11日に報道公開した、横須賀線・総武快速線の新型車両E235系。山手線に投入された車両のデザインを踏襲しつつ、E235系として初めてグリーン車を連結した車両となる。報道公開で撮影した外観・車内の写真を紹介する。
横須賀線・総武快速線のE235系は、山手線のE235系と同様、総合車両製作所が製造した「sustina」ブランドの次世代ステンレス車両となる。11両編成・4両編成が新造され、鎌倉車両センターにて実施された報道公開では、11両編成のF-01編成が公開された。外観の撮影に続いて車内に入り、普通車・グリーン車の内装に加え、運転台なども撮影可能だった。
担当者インタビューも行われ、JR東日本横浜支社の運輸部車両課長、井上春彦氏が対応。「山手線に続くE235系の1000番台、横須賀・総武快速線に投入される車両を見ていただくことになりました」「これまでE217系で運用してきましたが、老朽化していることもあり、今回新たな車両を導入することになりました」と述べ、横須賀線・総武快速線のE235系について、「山手線に投入されたE235系の流れを踏襲していますが、グリーン車が付いているため、仕様が若干異なります。新幹線等で導入されていることを踏まえ、非常走行用電源装置も導入しています」と紹介した。
既存のE217系では、普通車の一部車両をセミクロスシートとしていたが、E235系の普通車はすべてロングシート。これに関して、「東京駅をまたいで運用される横須賀・総武快速線は、やはり東京近郊での乗車が多い。少しでも多くのお客様を乗せるとの考え方から、すべてロングシートにしました」と井上課長は話す。
デジタルサイネージはドア上部に21インチの大型画面を2画面、荷棚上部に3画面、妻部に1画面を配置し、多言語による情報提供を行う。車両点検や事故、強風・大雨といった異常時に備え、客室内のすべての画面を一時的に案内情報に切り替える機能を搭載しており、報道公開でも実演された。
4・5号車はグリーン車で、1両あたりの定員は90名。リクライニングシートは2階席・1階席・平屋席ともに共通のデザインだが、E217系のグリーン車と比べてリクライニングシートや妻部の色が変わり、床をカーペット敷きとしたことで高級感のある空間となった。各座席にコンセントを設置し、公衆無線LANサービスを利用可能としたことも特徴。客室内に「JR-EAST FREE Wi-Fi」のステッカーが掲出された。
横須賀線・総武快速線では、歴代車両において「横須賀色」と呼ばれる青色・クリーム色のカラーリングを採用し、E235系も「横須賀色」を基調とした外観となった。「地域の皆様に親しまれる車両として、お客様が安心して乗れるように、投入に向けて全力で取り組んでいるところです」と井上課長。今後の投入計画にも触れ、「今年度は基本編成(11両編成)8本、付属編成(4両編成)8本を導入し、その後は4年かけて全745両(11両編成×51編成、4両編成×46編成)を投入する計画です」「基本的には、すべて鎌倉車両センターに配置するということで進めています」と語った。
インタビューではE235系とE217系の併結運転に関する質問もあったが、モニタ装置の違い(E235系は「INTEROS」、E217系は「MON」)もあり、「併結は考えていません」との答えが返ってきた。なお、山手線のE235系と同様、横須賀線・総武快速線のE235系も運用時期に合わせ、最後尾車両の種別・行先表示器を使って特別な表示を考えているとのことだった。