今の職場に不満を感じ、転職を考えている方。コロナ禍での就職活動に不安を抱えている方。当然ながら会社選びでブラック企業は避けたいものです。では、どうしたらブラック企業か、ホワイト企業か見分けることができるのでしょう?
自身がブラック企業から倍率100倍のホワイト企業に転職し、サラリーマンのタメになる情報を発信し続けているサラリーマンYouTuberのサラタメさんに、実体験に基づく超実践的な見分け方を聞きました。
■求人情報はあくまで参考データと心得るべし
サラリーマンYouTuberのサラタメです。前職では上司のパワハラで日々罵声を浴び、終電で帰るまさにブラックな生活を送っていました。誰もが知る大手企業だったので、実際に働いてみるまでは、そこまでブラック企業だとは見抜けませんでした。
就職・転職活動では求職者も自分の力を活かせる場を探すのに必死ですし、なかなか面接だけでは現場のリアルを見抜くことは難しいと思います。そこでまず、求人票やサイトの情報などから読み取れるホワイト企業とブラック企業の特徴について整理してみました。
一方でホワイト企業の見分け方は、私のブログで次のように紹介しています。
●ホワイト企業の特徴
社員を大切にする
福利厚生が整っている
労働時間が短い
年収が高い
離職率が低い
女性への待遇が厚い
他にも「ワークライフバランス」「成長できるかどうか」「転勤」など判断する基準はたくさんあります。しかし、この程度の情報はWEBやSNSにあふれています。こうした情報だけでブラックか否かを判断してしまうのは少し危険です。
■見分け方のご提案その1 ツテをたどって社員の生の声を聴こう
WEBやSNSに流れている情報ではなく、会社の内部情報をつかまないと職場の実態はわかりません。また、関係者に業界内での評判を聞いただけでは主観が混じりますし、一人の関係者がすべてでもありません。
結局、その会社に勤めている社員の話を聞くしかありません。私は現在勤めている企業に転職する時には、その後の人生がかかっていると思って、必死でツテをたどり、リアルな話を集めました。
友達や、友達の友達に人脈を紹介してもらったり、10年ぶりぐらいに昔の友達に連絡を取ったりしながら、納得のいくまで情報収集しました。皆さんにも、志望先の人との会話を自分の人生がかかっている取材だと思って臨んでほしいです。
■見分け方のご提案その2 求職側の判断軸で判定は限りなくグレーになる
実は自分の就職・転職の軸の置き方次第で、ブラック企業とホワイト企業の見分け方は変わります。例えば、待遇は恵まれているけれど転勤が多い企業。国内外いろんな場所で暮らしたい方にはホワイトかもしれませんが、東京で暮らしたい方にはネガティブに映りますね。
同じように飲食業界は労働集約型になりやすいけれど、実は会社によっても違うし、現場に出ない本部の部署などは全然ブラックではなかったりします。残業が少なくてホワイト企業だと思っても、給与水準を下げるために残業するなと言われているだけかもしれません。
お気づきだと思いますが、ブラックか、ホワイトかというゼロイチの世界ではなく、間にグレーゾーンがあることを忘れないでほしいのです。
■見分け方のご提案その3 アクセルとブレーキを踏み分けられる会社を探そう
今、私が勤務している会社は、普段は定時で上がれるし、有給も取りやすいホワイト企業です。でも「重要度の高い目前の案件をやり遂げるために、この3カ月はアクセル踏みます。残業します」といっても許される会社です。
アクセルも踏めるし、ブレーキも踏める。そういうのが本当のホワイト企業だと思います。でも、こういう企業にはなかなか出会えません。
働く側にしてみれば、やりたい仕事があるのに残業制限されるのは、むしろストレスです。「アクセルもブレーキも踏み分けられる会社」だったら、ずっと勤めたいと思います。
■わがままに働きたいなら「あなたでなければならない」希少性を磨こう
今後、企業間における人材の流動性が活発になり、会社と従業員の関係がフラットになっていくと、優秀な社員を手放したくない会社は、その社員の意向をこれまで以上に受け入れるようになるでしょう。ただし、それはメチャクチャ仕事ができる人に限られた話です。
「自分らしく、自分なりのペースで仕事がしたい」というわがままが言いたいなら、「あなたじゃないとこの仕事は任せられない」と会社に認められるぐらいの希少性が、自分自身にないといけません。
希少性がある特別な存在になりたいなら、特別な努力をする時間も必要だと思います。
■ホワイト企業で働く=ラクをするではない
最近の若い人たちは、「自分らしく生きる」ということにとらわれ過ぎているような気がします。それが逆に自分を大変にしていると思います。
私の前職は旧体質の会社で、昭和感バリバリでしたけれど、「会社のミッションを遂行する」という目標が明確にあり、私自身もそれだけを考えていればよかったので、ある意味、幸福でした。
会社にすべてを捧げる生活でしたが、仕事に打ち込むうちに、手に職がつき、ビジネススキルが身について、成長もできました。
だから、新人時代から自己実現や自分らしさを大切にしすぎるのは、成長の機会を逃すリスクがあります。ブラック企業の見分け方とはちょっと視点が異なりますが、働く皆さんにわかっておいてほしい大切なことです。