トヨタ自動車とスバルは、共同開発するスポーツカー「86/BRZ」の新型モデルを初公開した。水平対向エンジンをフロントに積むFR(後輪駆動)レイアウトはそのままに、排気量は初代の2.0Lから2.4Lに拡大。当然ながら、6速マニュアルトランスミッション(MT)のモデルも用意する。

  • トヨタの新型「GR 86」とスバルの新型「SUBARU BRZ」

    左がトヨタの新型「GR 86」、右がスバルの新型「SUBARU BRZ」。写真はプロトタイプ車両だ

スバルの運転支援システム「アイサイト」を採用!

トヨタの「86」とスバルの「SUBARU BRZ」は、2012年に発売となった共同開発のスポーツカーだ。今回の新型モデルは2世代目となる。今回の開発では「クルマのベースを共有しながらも、それぞれの個性を引き延ばした『異なる走りの味』を持たせることに注力」したという。排気量がアップしたことでトルクは約15%向上。トヨタによれば、ゼロヒャク加速(停止状態から時速100キロへの加速に要する時間)は初代の7.4秒から6.3秒に短縮したそうだ。

  • トヨタの新型「GR 86」とスバルの新型「SUBARU BRZ」

    「SPORTSCAR FOREVER」の文言が入った新型「86/BRZ」のオフィシャル画像。初代「86」は267.19万円~348.7万円、初代「BRZ」は247.5万円~343.75万円だったが、新型の価格はどのくらいになるのだろうか

GR 86と新型BRZの何が同じで何が違うのかは詳しく分からないが、スペックを見比べると数値は全く同じだ。エンジンはスバルが得意とする水平対向エンジンを採用。今回の新型モデルは、スバルの運転支援システムである「アイサイト」を搭載している。

  • トヨタ新型「GR 86」の諸元

    トヨタが発表した新型「GR 86」の主な諸元。スバルの新型「BRZ」とほぼ同じ内容だ。数値は開発目標値

トヨタの新型モデルは「GR 86」という車名となる。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)が手掛けるスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第3弾という位置づけだ。日本での発売は2021年秋ごろの予定。ちなみに、トヨタによると初代86は累計20万台以上が売れているそうだ。

  • トヨタの新型「GR 86」
  • トヨタの新型「GR 86」
  • 「GR スープラ」「GR ヤリス」に続くGRシリーズの第3弾「GR 86」。外観上の特徴としては、ベルトラインから水平に通ったフェンダートップでFRらしい車両姿勢を、水平に低く通ったアンダーボディとキャビン後部の絞り込みでワイドなスタンスと低重心を表現している。フロントにはGRブランド専用の「FUNCTIONAL MATRIX GRILL」を採用した

  • トヨタの新型「GR 86」

    パッケージとサイズは初代から継承し、ほぼそのままだそう

GR 86はモータースポーツに参戦する86が搭載する空力アイテムを採用している。具体的には、操舵応答性や操縦安定性を向上させるため、エアアウトレットやサイドシルスポイラーなどを取り入れたそうだ。

  • トヨタの新型「GR 86」
  • トヨタの新型「GR 86」
  • メーターは7インチTFTディスプレイを採用。水平に構成したインパネとスイッチなどの操作系を最適配置し、運転に集中できる空間を実現したとのこと

新型BRZはGR 86より少し早い2021年夏ごろの日本発売を予定する。スバルの説明によると、新型BRZにはスバルグローバルプラットフォームの開発から得たノウハウを取り入れ、インナーフレーム構造や構造用接着剤などを採用してボディを再構築することで、初代モデルに対しフロント横曲げ剛性を約60% 、ねじり剛性を約50%向上させたとのこと。ステアリング操作への応答性を高め、より軽快な動きを実現するとともに、旋回時のトラクション性能を向上させたそうだ。

  • スバルの新型「BRZ」
  • スバルの新型「BRZ」
  • スバルの新型「BRZ」
  • スバルの新型「BRZ」
  • スバルの新型「BRZ」。ヘキサゴングリルはより低く、よりワイドになった。こちらもスポーツカーとしての性能を最大限に引き出す空力アイテムを多数採用しているという