2018年にSeason1が放送され大きな反響を呼んだ浜辺美波主演の連続ドラマ『賭ケグルイ』。本作でツインテールが特徴的な凄腕ギャンブラー・早乙女芽亜里を演じたのが、若手実力派女優と称される森川葵。そんな彼女がシリーズ最新作『賭ケグルイ双(ツイン)』では、満を持して主演を務める。昨年芸能界デビューから10年を迎え、女優業もさらに充実期を迎えているように感じられる森川はいま、どんな思いを抱き作品に取り組んでいるのだろうか――。

  • 森川葵 撮影:蔦野裕

前シリーズでは、作品をかき回すような立ち位置だった芽亜里が、本作では物語の中心に構えて、戦いを挑んでくる生徒たちの芝居を受ける立場になった。「これまでの芽亜里は、とにかく前に進むだけのキャラクターだったので、その特徴を踏まえつつ、どうやって受けの芝居をしたらいいんだろう」と撮影前は悩んでいたという森川。

しかし、芽亜里を家畜に落とそうと勝負を挑んでくる愛浦心(福本莉子)や、戸隠雪見(萩原みのり)らと対峙していくにつれ、無意識のうちにしっくり来たという。そこには指揮を取る英勉監督の差配も大きな影響があったという。

「作品は私一人で作っているわけではないので、とにかく現場に委ねようという気持ちもありました。そこには『絶対悪いようにはしない』という英さんへの信頼感が大きかった。監督はとにかく持ち上げてくれるんです。現場では気持ちよくお嬢さまでいさせてくれるので、調子に乗って演じられます(笑)」。

さらに、たびたび本番前にささやく英監督の言葉やアイデアに反応する対応力も身についていった。「ポロっとつぶやくのですが、それがすごく面白くて、芝居にどう活かしていくのか……そういう部分も『賭ケグルイ』という作品の楽しさなんですよね」と笑顔を見せる。

『賭ケグルイ双(ツイン)』から、魅力的なメンバーが新たに加わった。なかでも森川は、絶対的権力を持つ生徒会の会計・壬生臣葵役の佐野勇斗、生徒会の美化委員長・三春滝咲良役の生田絵梨花と話す機会が多いという。

「生田ちゃんはすごく優しくて、私の声が枯れているときに飴を持ってきてくれたりするんです。佐野くんはとても人懐っこい。でもこの2人がしゃべっているのを聞いていると、結構天然なのかなと思うところが多いんです。特に生田ちゃんは、一見しっかりしているように見えるのですが、突っ込みどころ満載のトークをしていて(笑)」。

和気あいあいとしたなか進んだ撮影。森川も、ツインテールにハイソックスという芽亜里スタイルで思う存分、個性を発揮した。「正直、17歳の子もいて、同じ制服を着ていることが精神的につらい部分もあるのですが、出来上がった作品を観ると、自分で言うのもなんですが、年齢差を感じないんですよね。精神的な部分を置いておけば、まだいけるかな……」と笑う。