デビュー以来ランキング戦では負けなしの藤井二冠。2組決勝進出を懸けて松尾歩八段と対戦

第34期竜王戦2組ランキング戦(主催:読売新聞社)の準決勝、▲藤井聡太二冠-△松尾歩八段戦が3月23日に東京・将棋会館で行われています。本局の勝者は決勝トーナメント進出となる大一番です。


藤井二冠の竜王戦全成績。対戦相手の肩書きは当時のもの

竜王戦ランキング戦ではまだ一度も負けていない藤井二冠。6組から3組まで4期連続でランキング戦を優勝しています。これは史上初の記録です。ステージが2組へと上がった今期も、ここまで阿久津主税八段、広瀬章人八段を破って連勝中です。

本局を制すれば5期連続で決勝トーナメント進出。ランキング戦での大活躍の一方、決勝トーナメントでは目立った活躍ができていないだけに、今期こそと期待するファンも多いでしょう。

松尾八段は1組に8期在籍している実力者。第30期では1組で優勝し、決勝トーナメントでも挑戦者決定三番勝負に進出。そこで羽生善治二冠(当時)に1勝2敗で敗れ、惜しくも挑戦権獲得はなりませんでした。ちなみに挑戦者になった羽生九段は竜王を奪取し、永世竜王の資格を獲得しています。

両者は2017年に一度だけ対戦があり、当時四段の藤井二冠が勝利しています。その時は居飛車党の松尾八段が意表の中飛車を採用していました。

振り駒で藤井二冠が先手になり、10時に始まった本局の戦型は、横歩取りとなりました。通算勝率8割4分1厘と圧倒的な成績を残している藤井二冠ですが、先手横歩取りは8勝7敗と苦戦気味。直近1年の先手横歩取り成績も4勝3敗なものの、3連勝中で本局を迎えています。

また、本局は藤井二冠の今年度最終局です。すでに記録4部門のうち勝率1位賞は確定させており、本局に勝てば最多勝利賞も確定です。一方、現在16連勝中で暫定1位の連勝賞については、連勝が年度をまたぐと来期の記録とされます。

今年度最終局に臨む藤井二冠(提供:日本将棋連盟)
今年度最終局に臨む藤井二冠(提供:日本将棋連盟)