同じ読み方の「思う」と「想う」の違いを明確に説明できますか。なんとなく使用している方も多いですが、ビジネスシーンにおいてメールや文書などでは、どう使い分けるのでしょうか。

本記事では、「想う」と「思う」の違いについて解説します。漢字が違うだけでニュアンスが大きく異なるため、正しい意味や使い方を理解し、ビジネスシーンで活用しましょう。

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    思うと想うをビジネスシーンで正しく活用しましょう

思うと想うの言葉の違い

「思う」と「想う」には、頭で考えるか、心の中で思い浮かべるかという違いがあります。それぞれの正しい意味を理解し、使い分けできるようになりましょう。

思うの意味

「思う」は、何かの判断や決心をする、あるいは、ある物事に対して考えを巡らせることを意味します。

ビジネスシーンにおいて、仕事に対して考えを述べたり、プロジェクトを進行させたりするときに使うことが可能です。また、常用漢字のため公用文でも使用されます。

想うの意味

「想う」は、何かを思い浮かべたり、対象の人物を気にかけたりと、相手に思いを馳せる意味を持つ言葉です。

物事に対する考えではなく、ある特定の人物などを思い浮かべ、思いを馳せる場合に使われることが多く、ビジネスシーンというよりは、日常的な歌詞や小説などの中で使用されています。

  • 開かれた辞書

    思うと想うの意味の違いについて理解しましょう

思うと想うの使い方や例文

具体的な使い方や例文を確認することで、より「思う」と「想う」の言葉の意味やニュアンスを理解できます。実際に、2つの言葉がどのようなシチュエーションで、どう使われるかを把握し、それぞれの言葉に合ったシーンで正しく使い分けましょう。

思うの例文

「思う」は、物事を頭で考えたり、意見に対して自分の考えを述べたり、あるいは決心したりするときに使われる言葉です。

<例文>

  • このプロジェクトは、Aの案で進めようと思います
  • 私もそう思います
  • 新しく取得した資格を活かして、今後はより仕事に邁進していきたいと思います
  • 今後を思うと、このままではいけないと思う

意味は理解しても実際に使う際、「思う」であっているのか考えるときの参考に、以下に2つ例を挙げておきます。

晴れると思う

その日や翌日以降の天気に関しては多くの場合、確実性のあるエビデンスに則り、自分の考えを述べます。

天気などの事象に関しては、感情で話すのではなく、ある意見を参考に頭で考え、自分の意見を相手に伝えます。したがって、この場合は思うが適しているのです。

良いアイデアだと思う

相手が提示してきたアイデアに対して、何らかの根拠をもとに良いアイデアであると考え、その旨を伝える例文です。

この場合は、相手の意見に対して自分の考えを述べているため、感情を伝えているのではなく、頭の中で考えを巡らせた上で出された結論になります。つまり、想うではなく、思うが適しています。

想うの例文

「想う」は、過去のことに想いを馳せたり、ある特定の人物のことを思い浮かべたり、あるいはそのときの状況に対して、自分の感情を述べるときに使う言葉です。

<例文>

  • あなたのことを想って忠告します
  • 今は亡き両親を想う
  • 別れはいつだって悲しく想う

正しい意味を理解したら、「想う」を使ってみましょう。以下に例を挙げておくので、想うを使う際の参考にしてみてください。

想い出す

ある特定の人物や、過去の状況を思い浮かべるときに使う言葉です。その人物や過去に対して、自分なりに考えを巡らせるのではなく、単純に感情のまま想いを馳せる場合は、想うが適しています。

<例文>

  • 昔の知人を想い出す
  • ここに来るたびにあなたを想い出す

幸せに想う

自分が置かれている現在の状況や、起きた出来事に対して、感情的に幸せを感じていることを伝える例文です。

幸せを感じる状況は、思考を巡らせて結論を出しているのではなく、素直な感情になります。したがって、思うではなく想うが適切です。

  • 何かの資料

    思うと想うの使い方を確認しましょう

思うと想うの類語・言い換え表現

2つの言葉の違いを理解するためには、それぞれの言葉の類語や言い換え表現を知ることも大切です。また、こうした表現を知ることで、「思う」と「想う」に対する理解がより深まります。類語や言い換え表現を知って、正しく使い分けましょう。

思うの類語・言い換え表現

思うの類語や言い換え表現に、「憶う」があります。憶うは、心に留めて忘れないようにするという意味や、物事を推し量るといった意味がある言葉です。

他にも思うの類語や言い換え表現には、「考える」「推し測る」「思案する」「思慮する」などがあります。シーンに応じて使い分けましょう。

<例文>

  • あの日のことを憶うと、あの選択が正しかったのか疑念が残る
  • 目の前の案件に関して思案する
  • 彼は少々思慮に欠ける行動が多い

想うの類語・言い換え表現

想うの類語や言い換え表現には、「想像する」「愛おしむ」「振り返る」「思いやる」などがあり、心の中で感じる意味合いの強い言葉が多く並びます。

また「念う」も当てはまりますが、この言葉は、相手に対して強く想いを込めることや心の中で願うことを意味します。

<例文>

  • 神に念う
  • 遠くにいる家族のことを愛おしむ
  • 相手の気持ちを察して思いやる
  • 開かれた辞典

    類語や言い換え表現を知りニュアンスを理解しましょう

思うと想うの英語表現

思うと想うの英語表現には、基本的に「think」が使用されますが、他にも多くの英語表現があります。それぞれの正しいニュアンスや使い方を、例文とともに紹介します。

think

思うと想うの英語表現として、広く使われる英単語に「think」があります。thinkは、考えるという意味を持ち、思うに近いニュアンスが強い英単語です。しかし、人柄に関する感情を表すときにも使われるため、想うの英語表現としても使われます。

<例文>

  • I think that I want to drive the project.(私はこのプロジェクトを進めたいと思っています)
  • What do you think about it.(あなたはそれに関してどう思いますか)
  • I think that he is so gentle man.(彼はとても紳士的な方だと思う)

consider

「consider」には、よく考える、検討する、考慮に入れるという意味があります。ビジネス英語としても広く使われる言葉のため、会議や職場の方へ考えを伝える際にも用いることが可能です。

<例文>

  • I'm considering quitting this job.(私はこの仕事を辞めようと思っている)
  • He is considered a hard worker.(彼は努力家だと評価されている)
  • He is considered to be right for the new position.(彼は新しいポジションに適任だと思う)

believe

「believe」という英語表現は、思うと想うの両方に当てはまります。信じるという意味で広く知られていますが、他にも「信じて~と思う」という意味合いがあります。

thinkに比べると、より強く相手の考えや発言したことに賛同するというニュアンスを持つ英語表現です。

<例文>

  • I believe you about the case.(この件に関してあなたは正しいと思う)
  • I believe that he will get the work in one piece.(私は彼がその仕事をなんとかやり遂げてくれると思っているよ)
  • 辞書の一部

    2つの言葉の英語表現を学び理解することが大切です

思うと想うの違いや意味を理解しよう

「思う」と「想う」には、頭で物事について考える意味と、心で感じる意味の違いがありました。類語や言い換え表現、さらに英語表現を確認することで、2つの言葉のニュアンスをより理解できたのではないでしょうか。

ビジネスシーンにおいて、メールや文書でどちらの「おもい」を使用するのか、正しい意味や使い方を理解し、間違わないようにしましょう。